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2008年1月12日 (土)

カンプラ レクイエム ガーディナー指揮

Church 静謐なロマネスク様式によるカトリック教会 。

こちらは、なんと都会のど真ん中にある「神田教会
築80年あまり、戦災に遭いながらも奇跡的に戦火から逃れてきたらしい。

ひしめくビルの中で、静かに息づく信仰の地。
周辺を散策すると、江戸の名残も多々見つけることができる。

Campra_requiem アンドレ・カンプラ(1660~1744)は、プロヴァンス生まれのフランス・バロック期の作曲家。
のちに、パリへ出て、ノートルダム大聖堂のオルガニストとしても活躍するカンプラは、宗教曲とオペラのジャンルに特化した。

その両ジャンルを横断するような試みで、大胆な響きを生み出したという。
堅苦しい宗教作品に、リズミカルな要素や、明るい歌謡性を持ち込んだわけである。

その代表作のレクイエムは、かねてより録音も多く、私も若き日に初めて聴いて、すぐにお気に入りになった曲である。

現在聴かれる、フランス産のレクイエムの代表格は、フォーレであろう。
ベルリオーズは別格として、「怒りの日」をはぶいた抒情の勝ったレクイエムが多い。
それらのルーツともいえる、優しい癒しのレクイエムがカンプラの作品なのだ。
さらにいうと、カンプラの弟弟子にあたる、ジャン・ジルのレクイエムも同傾向で、これら2作品こそ抒情派フランス・レクイエムのルーツではなかろうか。

独唱5名を要する、1時間あまりを要する大曲ではあるが、優しく親しみやすい旋律の宝庫であるとともに、弾むようなリズムが耳にとても馴染みやすい。
あまりに爽やかな音楽すぎて、死者を悼む沈痛な気分とはほど遠いが、自分の死んだ時に流す音楽の十指には入るような曲かも。

ガーディナーが、手兵のイングリッシュ・バロック・ソロイスツの面々と79年に録音したこのCDは、ガーディナーらしい綿密な考証を経て、いきいきとした、たった今生まれたばかりのような響きを再現してみせていて見事。
ガーディナーゆえ、より爽快さが勝って聴こえるともいえる。
レコード時代、ルイ・フレモーの指揮による60年頃の演奏を聴いていたが、当然に現代楽器による演奏であったが、かなり恣意的でロマンテックなものだった。
最近ではヘリヴェッヘ指揮によるものも出ているようで、時代とともに、過去の演奏様式に戻りつつ生気を取り戻してゆくバロック・ルネサンスの音楽たち。

ワーグナー・シュトラウスや英国ものばかりでなく、かつては中世ルネサンス音楽もよく聴いていたものだ。
クラシック音楽のジャンルは、その歴史とともにはなはだ広い。

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コメント

楽譜片手にCD聴きながら、わかり易い歌詞の読み方ないかなぁと検索していましたら、こちらのブログに出会い、あまりメジャーではない(と思う)この曲について記載されているのが嬉しくてつい書かせていただきました。ジャケットは違いますが同じ1979年のガーディナー版だと思います。私も自分の葬式にはこの曲を流して欲しいと思う一人です(^^♪

投稿: たんぽぽ | 2018年4月22日 (日) 12時22分

たんぽぽ さん、こんにちは、コメントありがとうございました。この曲の美しさに共感いただける方がいらっしゃって、とてもうれしいです。
今朝、久方ぶりに聴いてみましたが、たおやかで、慎ましい明るさが、身に染み入る思いを味わいました。
おかげさまで、いい目覚めの朝となりました!
ほかの演奏も聴いてみたいと思ってます。
葬式に流して欲しい曲が多すぎて、三日三晩かかりそうです~♪

投稿: yokochan | 2018年4月25日 (水) 06時54分

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