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2008年2月18日 (月)

ワーグナー 「恋愛禁制」「リエンツィ」ほか サヴァリッシュ指揮

Aho 三重県の青山町(現伊賀市)のあたりを走行中、こんな地名を見つけて愕然(?)としたものだ。
かなり前から気になっていたので、カメラを慎重に構え撮影した。
「ほ」は濁って「ぼ」と読むはずだが、まるでワーグナーに対する自分のようで、嬉しかったり。

ちょっと調べると、「阿保親王」というやんごとなき方が、同名で二人いて、芦屋、松原、伊賀などに塚や古墳が残っていることが、地名の由来らしい。さらに青山の青が「あぼ」に通じるというからややこしい。さらに「青山」は墓のことも意味するから、さらにややこしい。じゃぁ、青山墓地は、「ぼちぼち」なのか・・・。青山学院は、墓地学院なのか・・・、おっとこりゃ他人事ではないな・・・。

Sawallisch_wagner 漢字や地名の由来は、果てしない妄想を呼びさましてしまう。

ワーグナーに魅入られてしまっている私。
シュトラウスや英国音楽に重心が移ると、本妻ともいうべきリヒャルト某が、私の魂までをも奪いにくる。
「妖精」も観たことだし、今週は「ワルキューレ」も控えていることだから、思い切りワーグナーで行こう。

オランダ人以前のCDは、その管弦楽曲も極端に少ないが、その渇を癒してくれるのが、サヴァリッシュのこの1枚。

   「恋愛禁制」序曲(1836)、交響曲ホ長調(1834)
   「ファウスト」序曲(1839)、「リエンツィ」序曲(1840)
   「ヴェーゼンドンクの詩による5つの歌曲」(1858)~ヘンツェ編曲版

          Ms:マリアナ・リポヴシェク
      ウォルフガンク・サヴァリッシュ指揮 フィラデルフィア管弦楽団

ワーグナーは、交響曲を若き日々に2曲書いている。
19歳の時のハ長調の曲と、24歳の時のホ長調の曲。しかし後者は、1楽章と2楽章のほんのわずかで、未完のままとなった。
ここでは、その未完の方の1楽章が収録されている。
ベートーヴェンを意識しつつも、どこかとても明るくて伸びやかで、後年の深刻なオペラや楽劇の世界とは程遠い雰囲気だ。習作ともとれるが、よく鳴るオーケストラは、さすがにワーグナーと思わせる。

その明るさは、そっくり2作目の歌劇「恋愛禁制」にも聴いてとれる。
カスタネットにタンバリンで始まるこの曲の異様なワーグナーらしからぬ、軽薄な出だしは一度聴くと忘れられないインパクトがあるが、その後に出てくる、荘重な旋律との対比がいい。オペラ全曲は、やはりサヴァリッシュがバイエルンで上演したライブのエアチェック音源を持っているが、そこでのH・プライの至芸は素晴らしいものがある。

しかし、「ファウスト」となると、これらの明るさは消え去り、シリアスで嵐が吹き荒れるような音楽になってしまう。まさに「オランダ人」の音楽に肉薄している。

こうしたすぐれた創作活動は、「リエンツィ」にいたって、長大なグランド・オペラとして結実する。数年後の「オランダ人」のようなドラマと音楽が一体化した求心力はないが、ローマ時代の護民官の悲劇を壮大な音楽で飾っている。
序曲はそのエッセンスのような音楽。にぎやかな行進曲にどうしても耳がいくが、祈りの歌など、人を酔わせるメロディストとしてのワーグナーならでは。
こちらのオペラ、ルネ・コロの凄まじい歌唱が残されている。

「トリスタン」の幻影のような「ヴェーズンドンク・リーダー」を1976年に、W・ヘンツェが小編成オケに編曲した。透き通るようなオケは、まるで風呂上りのようにサッパリとしていて、妙に新鮮だ。リポヴシェクのクリアーな歌唱もいい。

サヴァリッシュ指揮するフィラデルフィア管は、まるでミュンヘンのオケのように暖かな暖色系の音がしている。
キビキビとスタイリッシュなスタイルのワーグナーを演奏したサヴァリッシュ。
シュトラウスとともに、サヴァリッシュ教授のワーグナー演奏は、私にとって規範のようなもので、いつでも信頼にたるもの。
適度に毒消しもなされているから、中毒になる心配もないしね。

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