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2008年3月 1日 (土)

R・シュトラウス ホルン協奏曲第1番 ザイフェルト&メータ

1 しばらくのご無沙汰更新。
火曜から土曜まで、秋田・山形・宮城を出張行脚。
山ひとつ隔てるだけでも、日本はこうも広いものか、と思うくらいに気候・風土が違う。
秋田県大館から、秋田まで奥羽本線、秋田で乗り換えて山形県新庄まで、さらに新幹線で山形まで。
こんな6時間の長旅。
窓の外は常に、こんな風景。
手動開閉のドアを開け閉めして、どこの駅でも学生さんたちが、乗降りする。
二日酔いでヘロヘロだったけど、寒さが妙に気持ちよかった。
こうした生活を拝見すると、雪のない地方は恵まれているかもしれないな。
2 こちらは、秋田駅にあったD51のフェイス。
前にも書いたけれど、私は鉄チャンじゃありません。
でも小学生の頃、空前の蒸気機関車ブームがあって、友達がプラモデルやソノシート(ビニールシートで出来たレコードですよ)を収集しているのを横目に見て、うらやましかったものんだ。
でも、私にはクラシック音楽があって、お小遣いは、そのレコードを買うために無駄遣いはできなかった。
そんなノスタルジーの「デゴイチ」なんだな。

Alpensinfonie_mehta

R・シュトラウス(1864~1949)シリーズ、今回はホルン協奏曲第1番
1883年の作品は、作者19歳のもの。
驚くべき早熟で、以前聴いたヴァイオリン協奏曲の次の作品。
よくいわれるように、シュトラウスの父フランツは、ミュンヘンの宮廷オーケストラの優秀なホルン奏者だったゆえ、管弦楽曲やオペラでもホルンが活躍する場面が多い。
そしてその極めつけが、2曲あるホルン協奏曲。

第1番は、父の60歳を祝して書かれたが、2番はその50年後、15のオペラもすべて書き終え自在の境地にあった作品。
この2曲のギャップは大きいが、ホルンの機能や音色を知悉した扱いの巧さが若書きの作品にしつかりと刻まれていて、その音楽の親しみやすさと、アルプスに鳴り響くホルンをイメージさせることから、1番の人気も高い。

小編成のオケをバックに、冒頭から気持ちの広々とするような勇壮な出だしに誰もが耳をそばだてることだろう。
そして3楽章のホルンの名技と明るい伸びやかさも極めて印象的。フルートを中心とする管のトリルに彩られた中間部も素適だ。
間に挟まれた2楽章は、地味だけれど、明るさが基調にあるロマン派的な音楽だ。
これら3楽章は連続して演奏され、その演奏時間も15分たらず。
気分転換にもってこいのナイスな音楽に思う。

ベルリン・フィルのカラヤン時代を象徴したかのような名手のひとり、クルト・ザイフェルトメータとベルリンフィルをバックに89年に録音したこのCD。
唖然とするほど、見事なホルン。
楽器のことは素人だけれど、ホルンって、こんなに吹き手によって音色が違うものなんだ。
バイロイトで長年、ジークフリートの角笛を吹いていたザイフェルト。
まさにあの祝祭劇場に鳴り響く朗々としたホルンが、ここに聴かれる。
ベルリンフィルともども、心が晴れるような気分のいい演奏だ。
ただ屈託がなさすぎるのが唯一の難点か・・・・。曲が曲だけに、まぁいいか。
ダムとケンペのドレスデンコンビは、もうちょいと味わいが勝っている。

メインのアルプス交響曲もいいが、そちらは、メータとしては、ロスフィルの旧盤の方が迷いがなく登山一直線だった。

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コメント

yokochanさま お早うございます

雪国に出張されていたんですね~
関西に住んでいますと、めったに雪が降らないので
雪国に憧れたりもするんですが、住んでおられる方は大変かもしれませんね~

シュトラウスのホルンコンチェルト 
本当に良い曲ですよね
シュトラウスはやはりホルンが好きだったんでしょうね~ お父さんが吹いていた以上に~
ホルン嫌いの指揮者がいましたよね、オーマンディだったでしょうか、トロンボーンが嫌いなのがセルだったでしょうか

昔は演奏会に行っていて、1番も2番もライヴで聴いたことがあります。タックウェルという名手の演奏でした~。ダムの演奏、私も大好きです~。

ミ(`w´)彡 

投稿: rudolf2006 | 2008年3月 2日 (日) 08時28分

rudolfさん、こんにちは。
仕事で、北方面はよく行きますが、出張族は気楽なものですが、やはり地元の方々の雪のある生活ぶりに感嘆します。

オーマンディはホルンが好きでなかったのですか、万能の方としては意外ですね。セルもです。

ホルン協はまだライブで未体験です。
ブレイン、タックウェル、シヴィルとイギリスは、ドイツとならんで名手が多いですよね。
それに引き換え、フランスのホルンの名手っていないような気がします・・・。

投稿: yokochan | 2008年3月 2日 (日) 18時10分

脱線で申し訳ありません。

折角の閏年、ロッシーニ先生で攻めて欲しかったなぁ・・・(^_-)

投稿: さすらい人 | 2008年3月 2日 (日) 18時33分

さすらい人さん、そうか!そういえば、4年に一度のお誕生日でしたね。
インターネット・ラジオのオペラチャンネルを聴いていたら、「アルジェ」をやっていましたので、そういうことでしたか!

しまった!
すいません、4年後のオリンピック年を、乞うご期待ということで(笑)

投稿: yokochan | 2008年3月 2日 (日) 21時39分

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