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2008年4月 4日 (金)

「英国の四季」 マリナー指揮

Mtazuma 誰もが待ち受けていた春だけれど、紫外線はきつくなるし、最近の温暖化で穏やかなのも4月の初めくらいかな。
上着を着て歩いていると、汗ばむくらいで、すぐに恨めしい夏がやってくる。
先週末、神奈川に里帰りして「吾妻山」に行った。
1月から菜の花が咲き、まだ健在。
「桜」と「菜の花」と「海」が一緒に楽しめる素晴らしい場所。
何をやっても中途半端な町だけれど、この吾妻山公園だけは大正解。
前にも書いたかれど、麓の小学校が私の母校で、当時はこんな公園はもちろんなくて、ただ山と神社があるだけ。
山道も険しいものだったけれど、授業で始終登っていた。猿や蛇・マムシも出てくる本格的な山だったから、こんなところに来る人はまずいなかったな。昔ばなしになってしまう。
こんな絶景で、ビールを飲んでしまうのが贅沢の極み。
一昨年なんか、前の晩のカツオの刺身を持ってきて、焼酎のお湯割りを飲んじまった。

English_seasons1_2 日本の本州あたりの春は緩やかにやってきて、ジワジワと夏や梅雨という独特なシーズンに変貌してゆくが、イギリスはどうなのだろうか。
北海道のように、いきなりやって来て短い夏とともに走り去ってしまうものなのだろうか。
内容こそ違え、同じ島国として、明確な四季があって、その移り変わりの機微を楽しむ風潮はきっと同じではないかな。

イギリス音楽には、四季それぞれをテーマにした音楽が多い。
そんな音楽を1枚に収めた素適なアルバムが、サー・ネヴィル・マリナーの指揮したアカデミーによる「英国の四季」。

   ディーリアス      「春初めてのかっこうを聞いて」
   ブリッジ         狂詩曲「春のはじまり」
   フォールズ       「春~イングランド」
   ブリッジ         交響詩「夏」
   グレインジャー  「収穫の讃歌」
   バックス      交響詩「11月の森」
   ブリッジ      クリスマス舞曲「ロジャード・カヴァリー卿」

冬が手薄な選曲ながら、春が3曲も収まった今の季節向き。
大好きなディーリアスバックスは、耳に馴染んだ名曲だけれど、ブリッジのダイナミックな作品3曲がとてもいい。
これら3曲に「海」を収録したグローヴス盤を聴いているけれど、このマリナー盤は自然の抒情とダイナミズムが素晴らしい録音もあって自然にかもし出されている。
同じブリッジでも、はじけるような元気のいい「春のはじまり」よりは、「夏」の方が幻想的な抒情のまさっているところが英国的なところか。
さらに、冬の「クリスマス舞曲」では「蛍の光」が途中から響き出すところが印象的。
 フォールズやグレインジャーの曲も珍しい桂曲。
フォールズ(1860~1939)は、私もあまり知らない作曲家だが、マンチェスターのハレ管でチェリストとして活躍した人で、後に本格作曲家となった。
その音楽は、イギリスのコープランドのような民謡的な懐かしい旋律が満載で、楽しくもしみじみとした雰囲気。
 そして、オーストラリア生まれのグレインジャーは、それこそ各地の民謡を集めた人だが、とても親しみやすく、味わいがある。ガーディナーの指揮した合唱作品などは、子供時代のアルバムなどを見ながら聴くのに最適。

マリナーとアカデミーのコンビは、こうした曲だと無類の素晴らしさを発揮する。
バルビローリやビーチャムのような、思い入れや歌心はないかわりに、曲の真髄を過たずに掴んで何度でも楽しめる演奏を提供してくれる。
爽やかな思いに満たされる1枚。

Azuma_2 東海道線の駅と、これまた私の通った中学校。奥には、大磯ロングビーチ、さらに江ノ島までが眺望できる。

おっと、テレビで先日の二期会の「ワルキューレ」やってるわ。
今更ながら、小山さんのフリッカはすごいし、小森さんの言葉にかけた重みも実感。

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コメント

お久しぶりです。PCのマザーボードがクラッシュして新機種に交換し、諸々の調整に手間取ったためyokochanさんのホームページをやっと一昨日から見ることができるようになりました(ひも付き特売だったので、4/26からプロバイダーが変わります)。
いやぁ、いい風景。この写真観てたらyokochanさんのイギリス音楽好きの理由が分かりましたよ。今回のCDの選択もフィットしてます。

投稿: IANIS | 2008年4月 5日 (土) 09時17分

IANISさん、こちらこそお久しぶりです。
PCの件は、以前よりお聞きしてましたので心配してました。
落着してよかったです。

恥ずかしながら、こうした風景は、まさにご明察の通り、私の心象風景のひとつなのです。
海と山を眺めて育った脳天気な私ですからして、イギリス物は、私の心を解放してくれます。

投稿: yokochan | 2008年4月 6日 (日) 09時12分

 yokochanさま、ごぶさたしております。ちょうど私もディーリアスをネタにしたところでした。海と桜、そして菜の花、このパステル調の色彩が帯状にたなびく様、なんと絵画的な!北国の人間には冬や早春も温暖な湘南の地が大変羨ましく思います。

投稿: cozy | 2008年4月 6日 (日) 22時54分

cozyさま、こちらこそご無沙汰してます。
こんな風景のもとに、のほほんと過ごしてしまいました。
北国の風物が逆に羨ましかったりします。
特に、酒と食で食い気ばかりですが・・・・・。
四季おりおり、ディーリアスを初めとする英国音楽は心に染み入ります。
cozyさんも、ディーリアスを取り上げられたのですね。

投稿: yokochan | 2008年4月 6日 (日) 23時52分

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