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2008年5月 7日 (水)

ヴェルディ 「運命の力」序曲

2 3 まだ続くで、名古屋東海の味シリーズ。
今日は「きしめん」だがね。
この、ひらひらの麺の由来は諸説あるらしいが、尾張伝統の平打ち麺は歴史も古く、いかにもお得感(名古屋では、お値打ち)漂う食べ物である。
アツアツに、かつを節をたっぷりかけて、そのかつを節が踊るなか、一気にズルジュルっと食べちゃう。アツアツも冷たいのも、どちらもたまらなくうまい!
この店は、尾張旭市でふらっと入った店だけれど、定食を頼んだら、付け合わせに、スパゲッティサラダかと思ったら、これまで「きしめん」だった。その徹底した潔さに感服だわ。
名古屋の麺は、蕎麦ではなく、うどん文化。ほかに、煮込み、ころ、伊勢と、いろいろあるでね。

Abbado_verdi_rca ヴェルディのオペラは、愛国心に燃えたものや、純文学を素材にしたものなど、バラエティに溢れているが、まさに天性の劇場の人ならではで、観る人・聴く人の心をとらえて離さないものがある。

ヴェルディはオペラ全体を視聴するのが一番ながら、その序曲や前奏曲だけをオーケストラで楽しむだけでも、なかなかに気分が盛り上がるもんだ。
後期作品は、ドラマの緊迫感をより高めるために短い前奏曲や、前奏のみであるが、中期作品は、オペラ全体の主題を駆使したなかなかに聴き応えある序曲が付属している。
そのもっともたる作品が、「運命の力」や「シチリア島の晩鐘」、「ナブッコ」などであろう。
なかでも「運命の力」は、オーケストラ・ピースとして、単独に聴いてもなかなかに優れた作品に思う。コンサートのアンコールなどでも、盛り上がるので、よく取り上げられる。
そのアンコールで、忘れ得ないのは、75年のムーティの初来日時のウィーン・フィルを振った演奏。ベームとともにやってきたムーティ。ベームのチケットが、抽選で応募したけれど全滅で、ムーティのみが簡単に当たった。
ブラームスの二重協奏曲と新世界というプロで、若獅子ムーティは大人しかったが、アンコールにそのナポリ魂を全開させた!すさまじいまでの迫力と猛烈な歌は、その後の原典尊重主義で厳格になりすぎたムーティには聴けなくなった若々しい叫びであった・・・。

8分あまりのドラマテックなこの序曲で、私の好きな演奏は、このアバドロンドン響のもの。数年後のベルリン・フィルとの輝かしい演奏も同様に素晴らしいが、スカラ座で日々ヴェルディを演奏していた頃の旧盤の方が、歌心が豊かに感じる。
意のままになるロンドン響との組合わせということもある。
じわじわと盛り上がってゆくクレッシェンド、歌いまくる木管群、気品を失わない金管群。
ヴェルディには、熱狂や歌とともに、気品も必須だ。
短い序曲に泣けます。

カラヤンもいいが、燦然としすぎだし、シノーポリはちょっと暴れすぎ、ムーティは録音ではいまひとつ、あとは以外にシャイー(ナショナルフィル)が好きであります。
皆さんのお薦めは?

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コメント

こんにちは。
「運命の力」序曲のCDは、カラヤンと吹奏楽編曲盤とあります。ムーティ来日の時の演奏は少しばかり記憶にあります。
カラヤン盤としかいえませんが、冒頭の金管のアクセントの吹き方を初めて聞いた時は「驚嘆」しました。今でも金管楽器のアクセントの手本の一つだと思っています。(マニアックですみません)

投稿: よんちゃん | 2008年5月 8日 (木) 09時37分

yokochanさま こんばんは

「運命の力」の序曲は、何と言っても、マエストロ・トスカニーニの演奏が一番好きです~。
面白いのは、ヴァルターがメトで振った「運命の力」の録音が残っているのですが、その序曲、激しい音楽で、後年の穏やか芸風とはまったく違う演奏で面白かったのを覚えています~。

ミ(`w´)彡 

投稿: rudolf2006 | 2008年5月 8日 (木) 22時27分

よんちゃんさま、こんばんは。
吹奏楽版は聴いたことがありませんが、すごく合いそうですね。
そしてカラヤンですが、実はカラヤンの演奏でこの音楽は入門しました。歌わせかたや盛上げ方がすばらしくうまいですね。
さすが、演奏する方も唸らせるカラヤンなのですね!
見直さなくては。

投稿: yokochan | 2008年5月 8日 (木) 23時22分

rudolfさん、こんばんは。
トスカニーニは、お恥ずかしいことに聴いたことがないのです。
ドイツものしか聴いたことがない、トスカニーニ。
心を入替えて聴かねばなりませんね。探してみます。
それでもって、ワルターですか!
オペラを振るワルターって、かなり振幅の大きい指揮ですよね。
ヴェルディもあるんですね!ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2008年5月 8日 (木) 23時29分

ご無沙汰しています。
よく聞く序曲ですが、所持しているのはアバド/ロンドン響のLPのみ。と言うことで、これがお勧め盤です(苦笑)。
とにかくこの序曲集の演奏は素敵。音もいい。ストレスや
もやもやした気分も一遍に吹っ飛んでいまいそうです。
幼稚なコメントですみません。

投稿: | 2008年5月 9日 (金) 08時43分

丘さん、こちらこそご無沙汰をしてます。
同じLPをお持ちとのこと。正しい選択です(笑)
ストレス解消!私も実はそんな風に聴いてます。
RCAの録音もいいですし、オケは爽快だしで。
同じ頃のロッシーニも同様に愛聴してます。

投稿: yokochan | 2008年5月 9日 (金) 23時43分

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受信: 2008年5月 8日 (木) 09時11分

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