ラフマニノフ 交響曲第2番 尾高忠明指揮
先週の京都にて。
それこそ、お上りさんだものだから、つい先斗町に足が向いてしまう。
鴨川おどりの期間中だったようで、この日は舞妓さんとすれ違うことも多かった。
さすがに気が引けるので、こんな写真しか撮れませなんだ。
ちょうどご贔屓さんと会って、挨拶を交わすところを。
なんだか、雅やわぁ。
先斗町を一筋入ったところに、いつも一人で行く店は、怪しい雰囲気だけれど、クラシックが流れ、たまにライブなどもやる。
白味噌仕立てのおでんをいただき、身も心も、ほっこりと。
よろしゅうおすなぁ・・・。
棚に、「トスカニーニ」のラベルの付いたビデオを発見。
借りてしまった。
トスカニーニが歌いつつ指揮する2時間あまりの映像。
楽しみ楽しみ~
雨の土曜日。
仕事から帰還し、「ごくせん」をしり目に、ラフマニノフでも聴こう。
ラフマニノフの交響曲第2番は、エルガーの1番と並んで、私の最愛の交響曲のひとつ。
伝説的な「ヤン・クレンツとケルン放送響」のFMエアチェックや、永遠の定盤「プレヴィン/ロンドン響」。このふたつによって、この曲を愛する気持ちが育まれた。
いくつもの音源を集めてしまったが、あとのお気に入りは、「ラトル/ロスフィル」「ヤンソンス/フィルハーモニア」「ハンドレー/ロイヤルフィル」「ギブソン/スコテッシュ」「スラトキン/セントルイス」「スラトキン/N響」などなど。
いやはや、まだほかにもたくさんあってきりがない。
これらに、ロシア系の情念系の演奏が入っていないところが、私の趣向なのかもしれない。
そして、これらに並んで、我が「尾高忠明とBBCウェールズ響」のニンバス盤も私にとって忘れられない1枚。
同じ日本人として、すべてが程よく、雰囲気も豊かで、さりとてくどくもなく、行き過ぎず。
オケの特徴と相まって、品格が高く生真面目である。
そんなラフマニノフはつまらねぇ!とお叱りを受けるかもしれないが、私はこういう尾高さんが好きなのである。
エルガーやワーグナーを指揮しても、常に音楽性と気品が両立している。
でも、そんな思いでのほほんと聴いていると、ヤケドするぜ。
エルガーもワーグナーも、静かに燃え上がる青白い情熱が湧きあがってくる場面が随所にあるのだから。そして、このラフマニノフの2番では、3楽章の楚々とした旋律がじわじわと盛り上がってゆく場面に、そうした尾高ムードがたっぷりと発揮されている。
氏の唸り声もたいへんよく聴こえる。
慌てず騒がずの終楽章も、テンポはそのままにじっくり保ったまま、着実なエンディングを作りあげて、こちらの胸を熱くしてくれる。
なんていい曲だろうと、つくづくと思わせてくれる。
この曲、カラヤンやロストロポーヴィチが指揮したらどんな演奏になったろうか??
怖いけど、聴いてみたかった。
91年のスヴァンシーでの録音。エルガーと並んで、この曲を何度も演奏してきている尾高氏、そろそろ札幌あたりで再録音をして欲しいもんだ。
ラフマニノフ 第2交響曲 過去記事
プレヴィン指揮 NHK交響楽団
大友直人指揮 東京交響楽団
ロジェストヴェンスキー指揮 ロンドン交響楽団
ヤンソンス指揮 フィルハーモニア管弦楽団
ビシュコフ指揮 パリ管弦楽団
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