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2008年5月 5日 (月)

ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」 パッパーノ指揮

6 7_2 名古屋のおいしいものシリーズ。
今日は、「ひつまぶし」。
おひつのご飯の上に、うなぎの蒲焼を刻んだものをたっぷりと乗せる。
これを、よくまぶして、ご飯茶碗によそってまず一杯。そして同じようによっそったものに、海苔やネギを載せて二杯目。
そして三杯目は、お茶漬けでいただく。
このまぶしは、やはり浜松以西の腹開き、直焼きでないと、カリカリ感と香ばしさがでない。
ともかく、どえりゃ、うみゃぁであかんわ。

Tristan_pappano

ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」を聴く。

通算14種類目のトリスタンCDで、どれもこれも愛着や思い出があって捨て難いものばかり。

目下最新のトリスタンCDは、このパッパーノ盤であるが、最後まで購入をためらった。
理由は、大方のワーグナー好きと同じく、ドミンゴにある。
ワーグナーのような大作となると、まず指揮者ありきで、録音されたり上演される。最近は演出ありきではあるけれど。
ところが、このCDは、「パッパーノのトリスタン」ではなくて、「ドミンゴのトリスタン」と呼ばれ、録音・発売された。
ドミンゴのワーグナーはどうも苦手である。
声が開放的にすぎ、朗々としすぎなのだ。そしてなんでもソツなくこなしてしまい、面白みがないともいえるし・・・・・。

そんなことだから、このCDは聴くことがあるまいと思っていた。でも、ステメのイゾルデと藤村さんのブランゲーネは是非揃えておきたいと思ってもいた。
がしかし、渋谷タワレコで、2,670円という安値を発見。同じ輸入盤でも、ケースに入ってDVDもついて、分厚い解説が付くとその倍くらいの価額なのに、解説もなにもないCDケースだけのものが格安で売られていたわけだ。
そして、まじまじと見て、隅々まで豪華な配役に驚き、レジに直行とあいなった。

   トリスタン :プラシド・ドミンゴ  イゾルデ :ニナ・ステメ
   マルケ王 :ルネ・パペ      ブランゲーネ:藤村美穂子
   クルヴェナール:オアフ・ベーア メロート  :ジャレド・ホルト
   牧童   :イアン・ポストリッジ  舵手   :マシュー・ローズ
   若い水夫:ロランド・ヴィラゾン

  アントニオ・パッパーノ指揮コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
                           (2004、5年録音)

なんという贅沢な顔ぶれ。ちょい役にポストリッジにヴィラゾンだもの。
純正ドイツ人は、パペとベーアだけ、ほかはオケにいたるまで、国際的で、英国・スゥエーデン・ニュージーランド・メキシコ、そして日本といった具合で、我が国の宝ともなりつつある藤村さんが、このような強豪の中で豊かな存在感を示しているのが実に心強い。

Isolde_sremme その藤村さんのブランゲーネがまた素適だ。ふくよかで、暖か味に富んだ美声で歌われる2幕の見張りの歌は、オケの美しさとあいまって、陶然とさせてくれる。
そして、ステメのイゾルデは、情感が実に豊かで、強い王女というよりは、一人の愛に生きる女性を歌いだしている。だから、1幕よりは2幕の方がいいし、「愛の死」での透明感あふれる歌はとてもいい。
北欧出身のドラマテックソプラノは歴代、怜悧・強靭なタイプが多かったが、最近は、ブリュンヒルデやアイーダも歌っている彼女、今後どのような歌手になって行くか、大いに楽しみ。

パペの滑らかな美声のマルケ王、生真面目なベーアのクルヴェナールもいい。
豪華脇役ふたりのうち、ポストリッジは予想通りのきめ細やかで、同情溢れる歌いぶりだけど、ヴィラゾンは、もともと甘すぎる歌が気になる人だっただけに、何か調子に乗りすぎた余剰な歌唱に聴こえのは私だけだろうか。
そして、その師匠にあたる肝心のドミンゴだが、予想以上に立派に歌っている。
でもそれ以上の印象をもてないのが、私のドミンゴのワーグナー歌唱に対する毎度の反応、あの声でドイツ語、子音も軽く違和感が。ヴェルディやプッチーニは文句なしなんだけれど。
 ドミンゴのワーグナー録音をあげてみると、エリック・タンホイザー・ローエングリン・トリスタン・ヴァルター・ジークムント・ジークフリート(抜粋)・パルシファル、とすべて制覇してしまった。同様のテノールは、ルネ・コロのみなので、ドミンゴのある意味すごさを感じる。

パッパーノコヴェントガーデンは、予想以上にいい。
オケはドラマをかなり雄弁に語っているし、抒情的な部分での歌謡性においてもなかなかにユニークなトリスタンとなっていうと思う。

てな、わけで、何だかんだで、トリスタンゆえ、大いに楽しめました。
ステメと藤村、パッパーノの3人が聴きものかな。

  

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コメント

さすがに舞台はなさそうですけど・・いよいよトリスタン!との宣伝でしたから、やっぱり好奇心を抑えられませんでした。端役にまで有名歌手をそろえてのスタジオ録音とは、さすが御大です。

最新スタジオ録音だから、当然音はもの凄くいい。「年齢を感じさせない若々しいよく響く声」って言われるに違いない御大をはじめ、歌手たちのあっけらかんとした歌い口も、オーケストラの明るい響きも、私の好みではないです。かなり速めの演奏ですけど、それでもじれったいのは、私のせいでしょう^^;

投稿: edc | 2008年5月 6日 (火) 22時09分

euridiceさま、こんばんは。
>歌手たちのあっけらかんとした歌い口<
まさにそうですね。今風といえばそうなのかもしれません。
私は一部歌手を除いて、それなりに楽しみましたが、確かに陰りや焦燥、切迫感といったものがまったくありませんですねぇ。

ベームやバーンスタインといった演奏と時代の推移を感じますし、いまやトリスタンの権化、バレンボイムの緊張感がはるかに高みにあるのはいうまでもないと思います。
この演奏、女声陣ゆえ、それなりに楽しんだのは事実ですが、この先また私のCDプレーヤーにかかるかどうかは何ともいえません・・・・・。

投稿: yokochan | 2008年5月 6日 (火) 22時32分

yokochanさま お早うございます

連休はいかがお過ごしでしたか?

パッパーノの「トリスタン」シュテンメさん、藤村さん、魅力的なんですが、ドミンゴが;;
ドミンゴのヴァーグナー、ショルティ盤の「ローエングリン」、ヨッフム「マイスタージンガー」と持ってはいるんですが、どうも聴きません、というか聴けません、爆~。
他の配役も豪華だし、もうこのようなオペラの録音が亡くなってくるのではないかな、と思っていますので、ほしいのですが… 点々点となってしまいます~

超廉価盤が出るまで待ってみます~ 爆~ eye
ミ(`w´)彡 

投稿: rudolf2006 | 2008年5月 7日 (水) 08時22分

名古屋シリーズ絶好調ですねぇ。確かにあそこはおいしいものも多いし、案外上品な所もあっていい風土ですね。今度は名古屋で一杯やりますか?

投稿: リベラ33 | 2008年5月 7日 (水) 20時59分

rudolfさん、こんばんは。
連休は半分以上仕事でした。でも夜は音楽三昧で睡眠不足でした(笑)
やはり、rudolfさんもだめですか・・・。
あのヨッフムの素晴らしいマイスタージンガー、私も数回すか聴いてません。
それを思うと、このトリスタンはお薦めできませんが、女声ふたりは、聴く価値充分です。指揮も悪くないですし。
ネットではまだ高いですね。タワレコ店舗が一番お安いかと(笑)

投稿: yokochan | 2008年5月 7日 (水) 23時30分

リベラさん、まいどこんばんは。
名古屋シリーズ、あと数回行きます。
B級になりつつありますが・・・・。
名フィルでも狙って、かの地で一杯いきましょう。

投稿: yokochan | 2008年5月 7日 (水) 23時32分

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