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2008年5月21日 (水)

R・シュトラウス 「ティル」「ドン・ファン」「死と変容」 セル指揮

Matsusaka_cat 私は、無類の犬猫好きだけど、まだ猫と暮らしたことはありません。

今、ご一緒するなら、「ねこ」だけれど、現状は集合住宅の規約ゆえ不可能。
でも、いずれ死んでしまうことを考えると、かわいそうでご一緒できない。

だから、街で見かける「ねこ」を追いまわしてしまう。

こいつは、とある公園で見かけた、後姿のいいねこ。
最近死語の「バックシャン」ねこである。体を包む尻尾、丸くなった背骨、三角耳の生えた丸い後頭部、前足は折りたたみ、肩が上がっている。いいねぇ~。

Szell_rstrauss

R・シュトラウス作品シリーズ。
今晩は、定番の「ティルオイレンシュピーゲル」と「ドン・ファン」「死と変容」の3つの交響詩を収めた名盤を。
3曲で約55分。
本来、LP1枚に収まるのに、LP時代はなかなかなかった選曲。
ドンファンとティルをLPの片面に収めるのが厳しかったのかもしれない。
かといって、この組み合わせのCDもあるようでない。

このカップリングの数少ないLP、ジョージ・セル指揮のクリーヴランド管弦楽団のものは、文字通り擦り減るくらいに聴いた思い出の名盤。
詰め込んだA面は、ちょっと音量レヴェルが落ちるけれど、3曲ともに、極めて音楽的で明晰な録音。カートリッジやスピーカーの配置を換える度にレファレンス的にも愛用した1枚なのだ。

CD化されたものは、かつて国内盤で一度出たきり。
組み合わせを替えれば、それぞれ手に入るが、ちょっと寂しいぞ。

メリハリの効いた強弱豊かなティル、光彩陸離、一直線のドン・ファン、割れるようなホルンの咆哮に、凄まじいばかりにオケをドライブするセル、手も着けられないくらいに一気加勢の死と変容。
いずれも、シュトラウスが描いた数分の音楽のドラマを鋭くえぐりだし、巧みな棒さばきで、優秀なオーケストラから、熱狂とともに、明晰かつ怜悧な音楽を引き出した名演。
こんなすごい演奏に、多弁無用。
まだお聴きになったことがなければ、この3曲のどれかを是非お聴きいただきたい。
いやになっちゃうくらいの、セルの名演奏。
おまけに、1957年の録音とは思えない、分離のいい素晴らしい録音。

Matsusaka_cat2_2 さて・・・、後姿・バックシャンの真のお姿はこちら。
あれ、あれれ??
あんた、その顔どーしたの?
お疲れ様です、くたびれ、おんぼろムードのねこでした。
顔洗いましょうよ。

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コメント

yokochanさま お早うございます

ニャンコもワンコもカワイイですね~
私もブログ仲間にニャンコ好きがいて、ニャンコが好きになってきました、爆~

セル・クリーヴランドのシュトラウス
大学時代から1000円盤で、それこそ擦り切れるくらい聴いてきました。ベトベン、モツアルトだと何となく音が悪いのに、シュトラウスは良い音で録音されていますよね。それに、良く聴くとセルと唸り声も、爆~
やはり、セルはシュトラウスが好きだったんだと思います。

私は日本盤CDを二枚買いました、「死と浄化」(昔は「死と変容」と訳されていましたが)、これを聴くと涙が出ます。大学時代に初めて演奏したシュトラウスでした~。

ミ(`w´)彡 

投稿: rudolf2006 | 2008年5月22日 (木) 03時46分

なかなか立派なネコさんです。
道でネコを見かけると、しばらく眺めてしまいます。
写真も撮りたいですけど、近くで撮るのは
けっこうむずかしいですね。

最近、世間がネコブームみたいですねぇ・・

投稿: edc | 2008年5月22日 (木) 08時05分

rudolfさま、こんばんは。
久し振りの滋賀・京都方面出張でコメント遅くなりました。
京のワンコやニャンコを激写しようと思って街をさまよいましたが、みんなすばしこいです(笑)

rudolfさんも、セルもシュトラウスお好きですか!
あとドンキと家庭がありますね。ツァラと英雄の生涯は振らなかったのでしょうか?
CD化で、セルの唸り声がよく聞こえるようになりましたね!
名演です。

投稿: yokochan | 2008年5月24日 (土) 01時00分

euridiceさん、こんばんは。
出張してました。京都で先斗町の猫を見かけましたが、逃げ足の早いこと!
彼等を写真に収めるのはなかなかに難しいです。
猫は、いやしの対象なのでしょうか。たしかにカフェまでありますもんね。

投稿: yokochan | 2008年5月24日 (土) 01時05分

今朝は久しぶりにセルの「ティル…」を聞きました。かつてよく聞いた演奏なので、聞きながらつい昔を思い出したりしていましたが、演奏がそれぞれの場面をとてもよく描いていて、セルの語り口の上手さに今更ながらに感心しておりました。
私は同じ組み合わせのハイティンクの演奏を今はリファレンスにしていますが、セルなどのステレオ初期の録音もまた忘れてはもったいないですね。

投稿: Schweizer_Musik | 2008年5月25日 (日) 12時23分

schweizer music先生、こんにちは。
コメント&TBありがとうございます。
やはり、みなさんセルのこのシュトラウスはお聴きなんですね!
生真面目なセルが、シュトラウスとなるとかなり熱く、「語り上手」になりますね。
セルは熱烈なファンもいらっしゃいますが、もっと聴かれていい指揮者です。シュトラウスのオペラも正規に残して欲しかった人です。
ハイティンクもオケともどもいいですねぇ。

投稿: yokochan | 2008年5月25日 (日) 13時15分

こんばんは。
遅ればせながら、この音盤については私もひとこと申したくて・・・(笑)。

私の手元にあるのは1300円盤LPですが、初めて聴いたのはもっと以前、友人の所有する米CBSの廉価レーベル「オデッセイ」の1枚でした。デザインは同じだったと記憶してます。当時の仲間と共に「ええ音や!ええ録音や!」と惚れ惚れして聴いてました。

セルの唸り声は、けっこう聞こえますよね。
17cm盤の「エグモント」終結部が、その初体験でした。

投稿: 親父りゅう | 2008年5月25日 (日) 18時48分

こんにちは。セルとクリーヴランド管のR.シュトラウスは、ほんとにいいですね。私もフルニエとの「ドン・キホーテ」や、この「ティル〜」など、大好きな演奏です。ティルにならってちょいと悪戯したアホな記事をトラックバックいたします。

投稿: narkejp | 2008年5月25日 (日) 20時55分

親父りゅうさま、こんばんは。
このLPのファンは多いですね!
私のLPもCBSソニーの1300円盤ですが、私の安い装置が良く鳴りました。
CDでも買いなおしましたが、唸り声はますます磨きがかかったように思いました。
エグモントが唸り初体験ですか(笑)、17cmレコードもまた、懐かしいですね!
ミュンシュとかルービンシュタインの17cmを今でも大事に持ってます。

投稿: yokochan | 2008年5月25日 (日) 23時00分

narkeipさま、こんばんは。
コメント&TBありがとうございます。
フルニエとのドンキホーテも実にいいですね。
あとは、家庭交響曲でしょうか。

セルのティルで、朝お目覚めとは、これまた贅沢ではありませんか!奥様にとっても、やさしい悪戯のような目覚ましですね(笑)
山響を機会があれば一度聴いてみたいと思ってます。

投稿: yokochan | 2008年5月25日 (日) 23時13分

 お早うございます。過去ログに書き込み失礼いたします。故人の指揮者で最も尊敬している人の一人がマエストロ・セルです。でもこのR・シュトラウスアルバムは未聴なのです。情けないことです。マゼール&クリーヴランドの全く同じ曲目のアルバムなら持っています。アシュケナージ&クリーヴランドのR・シュトラウスも全部もっています。二人ともクリーブランドの栄光を汚さないような立派な演奏をしています。セルのドヴォルザークやブラームスの交響曲、ワーグナーの指環の抜粋、ラヴェルの管弦楽曲などを愛聴しています。吉田先生が二十世紀で最も高潔な指揮者だったかもしれないと言っていましたが、全く同感です。技術的な面ではセル&クリーヴランドとカラヤン&ベルリンフィルとショルティ&シカゴがこれ以上はもう考えられないほどのレベルに到達していたとも。ウェルザー・メスト&クリーブランドのシュトラウスも聴いてみたいです。クリーブランドではありませんが、W・メストのDVD「アラベラ」は最高でした。

投稿: 越後のオックス | 2009年11月 8日 (日) 09時18分

越後のオックスさん、こんばんは。
セルの思い出は、いうまでもなく、70年来日時のテレビ放送です。
シベリウスの第2交響曲は、このとき初めて聴いたものです。見るからにバランスを大事にしたきっちりした指揮ぶりは今でも覚えてます。
わたしの世代ではおそらく共通した思い出でしょう。
マゼールもアシュケナージもちょっと苦手ですが、聴かずに嫌いはいけませんね。
でも私に残された時間では、おそらく聴くことがないかもしれません(笑)
むしろ、メスト氏に大いに興味があります。
手持ちは第九のみですが・・・。

投稿: yokochan | 2009年11月 8日 (日) 23時29分

 今晩は。ついに来ましたね。聖響さんと神奈川フィルのマーラー10番ライブ。いいなぁ。
 レニーの10番アダージョはグラモフォンから出ているCDしか持っていないです。彼のマーラーはウィーンフィルを指揮した70年代の映像を録画したのをほぼ全部持っており、今でも大事にしています。高校時代に爪に火とともすような思いをして、ニューヨークフィルを指揮した7番(グラモフォン)とコンセルトヘボウを指揮した9番を買いました。当時の高校生にとっては天文学的な大金でした。
 その後、レニーのマーラーに疑問を持つようになり、ショルティ、クーベリック、変わったところだとノリントンのマーラーも聴きましたが、最近買ったDGのレニーのマーラー全集に改めてうちのめされてしまいました。これだけの全集がアマゾン価格4500円程度で買えてしまうとは…
 レニーと並ぶ故人の我が神様指揮者はムラヴィンスキー閣下とセル様とカルロスです。韓国のソニーが凄い全集を出してくれましたね。セル様のソニーの(ほぼ)全レコーディング。伝説の70年日本公演ももちろん入っています。ベートーヴェンもマーラーもR・シュトラウスも。ダブリが若干出てしまいますが、セル様の業績を偲んで購入することになりそうです。

投稿: 越後のオックス | 2013年2月 8日 (金) 22時05分

越後のオックスさん、こんばんは。
映像盤レニー・マーラーを全部お持ちとはさすがですね。
CBSとDGのCDはコンプリートしましたが、映像はまだまだです。
バーンスタインのマーラーは、一貫して好きなのですが、やはりその過剰ぶりが鼻についたりもした時期がありました。でも、いまでも聴くたびに、彼の元に引き寄せられてしまう圧倒的な力を持っていることに異論はなく、全面的にその存在を肯定しております。
しかし、安すぎですよね。
初出でコツコツ買った合計は5万円を超えております。
とんでもない価値の概念の喪失です!
文化は流通と違う。こういうところでも、守らなくてならないものだと思うのです。

セルの集大成はHMVのサイトで先ほど確認しました。
なかなかの企画ですね。
欲を言えば、CBSの素敵なオリジナルジャケットでないこと、あとは隣国DG産というところです。
隣国DGは、ミュンフンとソウルpoで躍進中ですね。
音楽産業の流れも、日本離れは止められないというところでしょうか。

投稿: yokochan | 2013年2月 9日 (土) 01時22分

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» セル指揮のティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら [鎌倉スイス日記]
先日の神奈川フィルの奇跡のような名演を聞いて、その後の「反省会」でご一緒させていただいたyokochanさんの「さまよえる歌人」というブログに、セルのシュトラウスの交響詩のCDについてのエントリがあった。 ちょっと「ハッ」とした。セルの演奏をあれほど聞いていたのに、このところずっとご無沙汰だったためで、シュトラウス自身からもかわいがられたというセルの交響詩録音を久しぶりに取りだして聞いてみた。 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」などで達者なバイオリン・ソロを聞かせているのは当時のコ... [続きを読む]

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灯油の節約のためには、むしろ早寝・遅起きがよろしいのかと思いますが、そういうわけにはいきません。早朝、まだ暗いうちに目がさめると、そっと静かに起き出して台所の暖房を点火し、暖めておきます。そして部屋に戻り、パソコンの電源を入れ、コーヒーメーカーでコーヒーをいれている間に洗面。メールをチェックしつつ本日のスケジュールを確認、時間的余裕を見てブログの記事を投稿しているうちに日の出を迎えます。 この時間にNHK-FMのスイッチを入れると、ちょうどニュースの時間です。朝の音楽番組をじっくり聴くわけにはいき... [続きを読む]

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