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2008年5月 4日 (日)

プッチーニ 歌劇「ラ・ヴィルリ」 マゼール指揮

1 名古屋東海グルメ、今日は「あんかけパスタ」。

私の名古屋時代、あるにはあったが、当地でもこんなにメジャーではなかったはず。
最初、「あんかけ」というから、ほんとに「あんこ」がかかっているのかと思っていた。
(でも、実際に、そういうパスタもあるところが名古屋しとるね。)

トマトソースがベースの、胡椒の効いたトロトロあんかけソース。
パスタは極太。2.2mmあるらしい。
このソースに太麺を絡めて食べる。アツアツでスパイスが効いているから、汗も出ちまう。
食べ応え充分、インパクトも充分、そしてかなりうまいで。「きのこ」をチョイス。
愛知発のカレーで全国制覇をした、「CoCo壱番屋」がチェーン展開するあんかけスパ専門店「パスタ・デ・ココ」で食す。なんと、新橋にも出店してるらしい。
是非食べてみなぁあかんで!

Le_villi_maazel

プッチーニ(1858~1924)生誕150年、全作品を聴くシリーズ。
オペラは12作(三部作をひとつとすると10作)、アリアにミサ曲に、オーケストラ曲に室内楽曲、そんなに多作ではないけれど、いずれも美しい旋律と世紀末的な甘味な歌に満ちているし、ワーグナーを経てマーラー、シュトラウス、新ウィーン楽派をたしなむものにとっては、堪らないご馳走に思える。

音楽家の家に生まれ、肝心の父に先立たれ、母や姉妹に囲まれて育ったプッチーニ。
全作品に登場するヒロインは、献身的で薄幸で健気な女性ばかり。
この処女作である「ラ・ヴィルリ」でもそんな女性が主役なのだ。

このオペラ第一作は、師のポンキエッリやボイートの尽力で初演は大成功し、プッチーニはヴェルディを継ぐ寵児となったが、この作品も初演とその再演数十回のみで、今ではまったく上演機会のないオペラとなってしまった。
自作の「エドガー」も同じで、真の成功は「ボエーム」まで待たねばならない。

何故見捨てられたかのようになったかというと、2幕形式をとりながら、ドラマの進行を間に置いたナレーションに任せたことで、あまりにドラマが散漫・適当になってしまった。
音楽は、どう聴いてもプッチーニで、素晴らしいのだが、ドラマ仕立てが稚拙すぎること。

ドラマの背景・・・・・北欧に伝わる、乱舞する妖精(ニンフ)伝説。純情乙女を裏切ると、その男は妖精によって踊り狂わされ、やがて死んでしまう。

第1幕
 グリエルモとその娘アンナは、許婚ロベルトが相続のため亡くなった伯母の遺産を受け取りに行くために、別れの宴を村人とともに催している。
アンナは、忘れな草をロベルトの鞄にそっと入れて、花は一緒に行けて羨ましい・・と別れを惜しみ、ロベルトは、ほんのちょっとだし、心から愛していることを歌う。

ナレーション部分
 ロベルトは、妖婦に夢中になり、故郷を忘れてしまったが、やがてその女からも捨てられてしまった。悲嘆に暮れたアンナは悲しみ亡くなってしまった。
伝説によれば、乙女が恋のため死ぬことがあれば、夜毎魔女(妖精)が出て、その男を待ちうける。故郷を目指すロベルトは、妖精たちに怯えながら帰ってきた。

第2幕
 父グリエルモが、娘を亡くした憎しみをぶつけている。
ロベルトが帰ってきて、グリエルモの家の前に立つが不思議な力に押され一歩踏み出せない。妖精たちが、あいつが帰ってきたと歌いはやす。
幻影のアンナが現れ、かつてロベルトが歌った愛の歌を歌い、おいでおいでをする。
生きていたんだ、と駆け寄るロベルトを妖精たちが取り囲み、激しく乱舞する。
「哀れみを」と叫ぶロベルト、「あんたは私のもの」と歌うアンナ。ロベルトはくず折れる。

   アンナ:レナータ・スコット     ロベルト :プラシド・ドミンゴ
   グリエルモ:レオ・ヌッチ      ナレーター:ティト・ゴッピ

    ロリン・マゼール指揮 ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
                  アンブロジアンシンガーズ
                          (1979年6月録音)

CD1枚のコンパクトオペラ。
主役3人にちゃんと素晴らしいアリアがもうけられているし、村人兼妖精の合唱も活躍。
シャイーの名盤をお聴きの方なら、聴き馴染んだ音楽で、すんなりと入れます。

3人の主役では、スコットの真にせまるかのような歌唱が素晴らしく、心を打つ。
そして、ゴッピの語りがアリアを歌うかのような味わいに満ちたもので聴きもの。
ピンカートンのような、軽瓢な男を「だってしょうがないんだもん」とばかりに、立派に歌ってしまうドミンゴ
若々しくも敬虔な父のヌッチ
こんな具合に、バブルの色香ただよう豪勢なキャストに、当時プッチーニ全集を目論んでいたマゼールの指揮は、普通にドラマティックでよろしい。
立派すぎるのが、たまに傷だけど。
そして、ロンドンの腕っこきを集めた録音専門のオケ「ナショナル・フィル」が懐かしい。

いまの世の中では、とうてい採算のあわないオペラだけれど、三部作と合わせて二夜で上演するとかして、なんとか舞台に載せてほしいな。

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コメント

 yokochan様今晩は。話題の廉価プッチーニオペラ全集を購入し、まずこの最初のオペラを聴いてみました。マゼール指揮の演奏です。敢えてストーリーを知らずに声楽つきの交響曲か交響詩でも聴くようなつもりで聴いてみました。前奏曲などいくつかのナンバーはシャイー指揮の管弦楽曲集で既に聴いていますし。いいですねこのオペラ!最初の歌劇なのに旋律も管弦楽法もプッチーニの個性全開ですね。既に全曲を2回聴きました。全曲を聴いてから貴サイトであらすじを知ったのですが、確かに脚本は説得力を欠くものかもしれませんね。でも音楽の素晴らしさはさすがですね。何度でも聴きたくなるオペラです。台本が弱いのが弱点だと聞いたので敢えて純音楽的(?)に聴いてみたのですが、この作品の場合、かえってそれが良かったようです。やはり台本が弱いと評される「つばめ」や「エドガール」もこのやり方で聴いてみたいと思います。ワーグナー、シュトラウスの次はやはりプッチーニでしょうか。ヤナーチェクやブリテンもいますね…

投稿: 越後のオックス | 2008年12月 8日 (月) 18時01分

越後のオックスさま、毎度ありがとうございます。
「ヴィルリ」、音楽はいいでしょう!
同じく、ただいま準備中の「エドガール」も陳腐な台本に笑いを抑えられませんが、素晴らしい旋律の宝庫に、その旋律が毎日頭をよぎるようになりました。
プッチーニの魅力は、その旋律美と、オーケストレーションの巧みさですね。
 ヤナーチェク、ブリテン。そうであります。
まさにただいま熱中してます。
それとチャイコフスキーにラフマニノフ。
ヴェルディにも回帰しなくてはなりませぬ。
あとベルカントにも立ち寄らねば・・・・。
どーにも止まらない、オペラワールドです(笑)

投稿: yokochan | 2008年12月 8日 (月) 22時55分

はじめまして。実はこのディスク私も所持しております。今は無き大阪堂島の『ワルツ堂』で、購入したと、思います。国内初出LPの30AC1213は買いそびれて、輸入盤CDではありますが。豪勢な配役を揃えたCBSのマゼール指揮の、プッチーニーオペラーツィクルスの一環で、演奏に文句の在ろう筈もございません。脱線ですが作曲者の生没年が『1813-1901』と、ヴェルディのそれにレーベル面には誤植されていて、笑ってしまいましたけれども‥。
ただこのプッチーニの処女作オペラ、マゼール盤が国内初登場ではないのですよね。1975年頃にビクター音産から、初のLPが出ておりました。グァダーニョ指揮のウィーンフォルクスオーパー管弦楽団、バリーーモレルと言うテノール、バーンスタインの『カルメン』でのミカエラ役のマリポンテ、ミルンズの御夫人のストークスと言う、配役でした。RCA原盤ですのでBMGーSONYから再発されないかな‥と淡い期待を寄せております。それでは失礼致します。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年5月10日 (金) 07時26分

覆面吾郎さん、こんにちは、コメントありがとうございます。
「ワルツ堂」、懐かしいです。大阪出張の折は、必ず寄ってました。
マゼールのプッチーニは、完全録音に至らず残念でしたが、ボエームをついに振らなかったのは不思議であります。

そして、ご指摘の「ヴィッリ」の初レコード、私も覚えてます。エドガーの一部とカップリングされていたはずで、貴重な録音と評しながら、レコ芸では歌手がイマイチとされていたと記憶しますが、いまこそ聴いてみたい音源ですね。

投稿: yokochan | 2019年5月14日 (火) 08時43分

御丁寧な返信嬉しく拝見致しました。職場にも身内にもクラシック音楽ネタを振れる面々がおりませんので、ネット-ワールドはオアシスでありますね。
マゼールのように飛びきり切れる頭脳を持ち、シャープで個性的、どちらかと言うと尖った音楽作りをなさっていた御仁が、プッチーニのような甘美で叙情的な音楽に入れ込み、精力的に取り組んでいらっしゃったのが、何とも面白く興味深いと思います。文筆業のお方でこの事を題材にして、『レコ芸』に、『マゼールに於ける蝶々夫人とルルの共存』と言ったエッセイを書いて貰えないかなぁ‥などと思っています(笑)。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年5月14日 (火) 09時38分

早速ご丁寧かつ暖かいコメント下さり、嬉しく存じます。身内にも職場にもクラシック音楽ネタを振れる御仁が不在ですので、ネット-ワールドはまさに現代のオアシスですよね(笑)。それにしても、マゼールのような飛びきり高い知性と切れる頭脳をお持ちで、どちらかと言えば尖った音楽作りをされるお方が、プッチーニのような甘美で情緒的な音楽に精力的に取り組んでいらっしゃったのが、何とも面白く興味深い所です。どなたか文筆業のお方で、『レコ芸』辺りに、『マゼールに於ける蝶々夫人とルルの共存』と言ったエッセイを書き、分析や解明をして下さらないかなぁ‥等とも感じております。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年5月14日 (火) 12時07分

『お詫び』
当初閲覧した際愚生のコメントが掲載されておりませんでしたので、送信ミスで届いていないと勘違いし、同一コメントをダブり送信してしまいました。深くお詫び申し上げます。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年5月14日 (火) 12時10分

覆面吾郎さん、マゼールは、ルルは振ってもヴォツェックはやらない、蝶々さんはやっても、ボエームは振らない。
そしてシェーンベルクも振らなかった。
広大多彩なレパートリーを誇った才人ですが、ナゾも多い指揮者でした。
いま一度振り返りたい存在ですね。

投稿: yokochan | 2019年5月16日 (木) 08時33分

確かに仰有る通りでございます。演奏家の作品に対する評価、取り上げるか否かの決断。私のような凡俗な手合いに判る筈も御座いませんが‥。
カラヤンは『第10』以外のショスタコーヴィチの交響曲は、避けておられましたし、クレンペラーも恩師のマーラーの『第5』は、『あのアダージェットはまるでサロンで奏でられる、ムード音楽。』と酷評し、手掛けられませんでした。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年5月16日 (木) 13時44分

ふと思い出したのですが、この妖精ヴィルリNHK-Eテレが教育テレビと言っていた頃、日曜21時頃から『芸術劇場』なる番組がありました。1987~88年頃に日本の歌劇団‥二期会か藤原歌劇団だったか覚えていないのですが‥が、マスカーニの『カヴァレリア‥』との二本立てで公演したのを、放送してくれた事が、あったのですね。その時はマスカーニ目当てで、『妖精ヴィルリ』はあまり身を入れて観なかったのですが、のちにイタリアオペラがこんなに好きなジャンルになるなら、もっと気合いを入れてしっかりと拝見しておけば良かったな‥と些か後悔の念に苛まれましたね(笑)。『カヴァレリア‥』の方はサントゥッツァが四家何とかさん、トゥリッドゥがオッタヴィオ-ガラヴェンタ、アルフィオは栗林義信と言った顔触れでした。指揮者は失礼ながら、記憶しておりません。あやふやな話ばかりで、失礼致しました。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年5月22日 (水) 06時07分

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