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2008年6月26日 (木)

R・シュトラウス 「ナクソス島のアリアドネ」① 二期会公演

Ariadne_nikikai 二期会公演R・シュトラウスの「ナクソス島のアリアドネ」を観劇。
関西二期会の東京公演に続き、今年2本目。
同じ二期会グループなのに、まったく異なるプロダクションによる同一演目は、いかなる巡り会わせか不詳なれど、ドイツものに強い本家として、関西とどのように住み分けるのか、おおいに楽しみだった。

初見のメンバーながら、なかなか実力派ぞろいだった関西版。対する東京は日頃見聞きしている方々ばかりで、安心感もある。
ダフルキャストの2本目を観る予定だったが、佐々木典子さんと、なんといっても、幸田浩子さんが日に日に聴きたくてしょうがなくなってきた。
その思いを後押しして、チケットゲットに走らせたのは、幸田さんがDJ出演するFM放送。
「きままにクラシック」という番組で、笑福亭笑瓶との関西弁による楽しくお茶目でかつ知的な会話を運転中などに聞くにつけ、彼女のファンになってしもうた。
番組で、素人代表の笑瓶が、「ツェルビネッタってどんな役ですねん?」と聞くと、「キャッキャ系で、今回はちょっとお色気が・・・」発言に、即携帯ぴあ直行であった。
たんなるオジサン

     アリアドネ:佐々木典子        バッカス:高橋 淳
    ツェルビネッタ:幸田浩子       作曲家:谷口睦美
    音楽教師:加賀清孝          舞踏教師:大野光彦
    ハルレキン:青戸 知         エコー  :羽山弘子
    執事長 :田辺とおる         ほか・・・

     ラルフ・ワイケルト 指揮 東京交響楽団
                 演出:鵜山 仁
                    (2008.6.26@東京文化会館)

Ariadnenaxos_c107_2  舞台の様子は、また明日。
オーソドックスだった関西版に比べ、東京版は特に衣装やメイクが凝ったものだった。
まさにこの世のものらしからぬ3人のニンフたち、ライオンキング、はたまた、ごくせんの生徒かとも思わせたバッカスの頭髪。
ベティちゃんのようなツェルビネッタ。関西では正統イタリア系道化だったが、今回は、お笑い芸人勢ぞろい。
チャップリンにカトちゃんに、かぶりものあり、靴フェチありで、結構笑える。
全体として、明るく楽しいムードに満ちたアリアドネの舞台ではなかったろうか。

さて、注目の幸田さん。繊細で細やかな歌いぶりと、しっかりしたテクニックに裏付けられた軽やかなコロラトゥーラぶり。クセがなく、とても素直な声は誰もが好ましく思うはず。
小柄な容姿と、にこやかな笑顔は、アリアドネの中の狂言回し以上の存在感があった。
長大なアリアは、少しあぶなっかしいところがあったけれど、極めて素晴らしかった。
残念だったのは、というか、けしからんのは、アリアの最後のシュトラウスらしい洒落たエンディングを待たずに、まだ数フレーズ残っているのに拍手が始まってしまったこと。
これには、頭に来たので、しーッと言ってしもうた。
歌の素晴らしさに興奮したのも頷けるが、日本の聴衆もレヴェルも高まっているのだからこうした曲は是非とも予習もして欲しいもの。

Ariadnenaxos_c110 シュトラウス歌唱に関しては、ダブルの横山さんとならんで、随一と思う佐々木さんアリアドネも群をぬいていた。
ドイツ語のディクションの素晴らしさと、しなやかな歌声。すらっと伸びたプリマ然とした容姿。これで、彼女のシュトラウスは、ダナエにマルシャリンに続き3役目。
次ぎは、アラベラかカプリッチョあたりを観たいもの。

バッカスの高橋さん、彼の主役級は初めて聴いたが、その声量にびっくり。
性格テノール系かと思ってたけれど、どうしてどうして、かなりの力強さを伴なった美声で、あまり重くないワーグナー系諸役などよさそう。近くのご婦人が、カーテンコールで、「じゅんちゃ~ん」と声をあげておりました。

他の方々、でこぼこ道化衆やニンフ3人組(羽山さんのエコーきれい)、いずれも皆さん芸達者で文句なし。
中では谷口さんの真剣なる作曲家も姿よし声よしで、楽しみな存在というかファンなりそうなワタクシ。

Ariadnenaxos_c112 W・メストの前のチューリヒ・オペラを率いたラルフ・ワイケルトは、実績充分のオペラ指揮者。N響にも客演してワーグナーやチャイコフスキーを指揮していた。
ドイツもの一辺倒でもなく、ロッシーニも軽やかに振れる人だから、透明感あふれるシュトラウスの音楽を、極めて自然に東響から引き出していたように思う。
小編成のオケが前提ながら、音量はかなり押さえぎみ。ホールの違いはあるが、飯守/関西フィルの方がでかい音が出ていたかもしれない。
大きなホールで、複雑で繊細なシュトラウスの音楽をきれいに鳴らし、その上に声量のあまり豊富でない日本人歌手たちの歌声を響かせようとの指揮だったのかもしれない。
このあたりは、明日、異なる席でまた確認しよう。
 ただ、会場から舞台に登場人物が行き来できるように、ピットに一部ステージを架けたものだから、一部楽員は指揮がよく見えたのだろうか?音も、その影響があったのではなかろうか?

今日は、このへんで。
明日の別キャストで、再度シュトラウスの素晴らしい音楽に浸ることとしよう。
画像は、「クラシック・ニュース」より拝借。

「ナクソスのアリアドネ」の過去記事

 関西二期会公演
 
 
サヴァリッシュとウィーンフィルによるCD

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コメント

こんばんは、すごくお久しぶりです。
私はこっちのほうのキャストを鑑賞いたしました。感想は自分とこで書きますが・・・さすが東京二期会、高いレベルの歌唱でした。心から楽しめて、にこにこして帰宅しました。1階席前から3番目だったので歌唱もよく聴こえましたよ。

投稿: naoping | 2008年7月 3日 (木) 20時49分

napingさん、どうもご無沙汰。
つーか、お帰りなさい。
どちらかの日にいらっしゃるんだろうな、と思ってましたよ。
にこにこの帰宅、わかりますよ。
芸人たちは、A組の方が見た目も含めてなりきってました。
ある意味、日本人にしか出せない味だったし、あのワルキューレもそうですが、日本人的な演出ではなかったかと。
記事楽しみにしております。

投稿: yokochan | 2008年7月 4日 (金) 00時03分

 今晩は。ナクソス島は、レバインのDVDでしか鑑賞したことがありません。でも面白い歌劇ですよね。
ショルティの全曲盤が市立図書館に在るので聴いてみたいです。

投稿: 越後のオックス | 2010年1月18日 (月) 03時03分

越後のオックスさん、こんばんは。
このオペラは、たいへんよく出来てますね。
ウィットにも富んでるし、味わいもいろいろです。
でも歌手泣かせなのでしょうね。

ショルティは、一度聴いたことがあります。
ロンドンのオケがこの作品に似合っておりますし、コロやグルベローヴァも素晴らしい。
でもなぜか、賞味期限の切れたレオンタイン・プライスなのですね・・・・。

投稿: yokochan | 2010年1月19日 (火) 00時36分

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