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2008年6月19日 (木)

「KIRI SIDETRACKS」 キリ・テ・カナワ&プレヴィン

Manbow1 ずらりと並んだアイリッシュ・ウィスキー。
ウィスキーを飲むときは、必ずアイリッシュにこだわる。
甘味と、くせのあるヨード臭がたまらなく好きだ。

これまた大好きな英国音楽の分野でいうと、バックスやハゥエルズ、アイアランド、モーラン、バントックなどと通じる世界。

こちらの店は、もうだいぶ前だけれど、大阪キタの「MANBOU」。
マスターが、カードのマジシャンで、目の前でカード・マジックを展開してくれる。
酔ってるからわからないのか?酔ってるからやたら目が冴えるのか?
何度もチャレンジしてもわからない。困ったもんだ・・・・。
 (曽根崎新地1-2-6 新松リンデンビル)

Kiri_sidetracks さて、こちらはマジックでもなんでもない、本物。
ニュージーランド系マオリの血を引くエキゾテックな風貌のチャーミングな大ソプラノ「キリ・テ・カナワ」。
彼女が、ジャズのスタンダートナンバー歌ったアルバム。
ピアノは、その道(ジャズ、映画)の大家にして、大指揮者の「アンドレ・プレイン」。
マンデル・ロウレイ・ブラウンのギターとベースは、ジャズが好きな方なら、泣く子も黙る超ベテランらしい。

非ヨーロッパ系のディーヴァたちは、その広範なバックグランウンドもあって、本格クラシックにこだわらないジャンルにも手を染め、ジャズやミュージカル、映画音楽、ポップスにと、素適な歌唱を残している。
時代を考慮せず順不動に思い起せば、フォン・シュターデ、ヘンドリックス、ボニー、マクネアー、アップショーなどなど・・・・。
逆パターンで素晴らしいのが、バーバラ・ストライザンド!

キリのこのアルバム、真面目な彼女、音程をしっかりと押さえ、言葉も明晰、語尾まできれいに歌うオペラ的な歌唱。
われわれクラシック畑の聴き手からすれば、普通に思える歌いぶり。
本格ジャズ愛好家からすると、即興性が少なく、四角四面に聴こえるかもしれない。
でも、彼女のいわゆる「クリーミーボイス」は、オペラでは甘すぎて抵抗を感じてしまうケースがあるが、このアルバムではそこが、まさにちょうどいい落としどころとなっていて、極めて心地がいい。
その素適な彼女をサポートするクリアでまさにツボを押さえた、プレヴィンのピアノとそのバック。こんな素晴らしいピアノを聴いてしまうと、クラシックだジャズだ映画音楽だ、と言うことがバカらしくなってしまう。
それほどに、感興あふれた音楽的なピアノなんだ。
モーツァルトを弾くように、ラフマニノフを指揮するように。
そこには何の隔てもなく、純粋に音楽を楽しむプレヴィンの姿を見ることができる。

全15曲、有名な曲や聴いたこともない曲などがたっぷりとおさめられた1枚。
とりわけ気にいった曲は、「Like Someone in Love」、「枯葉」、「It never was You」(K・ワイルの曲)、「いそしぎ」(ああ、アンディ・ウィリアムスが懐かしい・・・)、「Its easy to remember」(映画ミシシッピー)

あぁ、歌の世界ってなんて素晴らしいんだろうか!
でも、この手のアルバムは、飲み過ぎ注意だ・・・・・・・。

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コメント

>ああ、アンディ・ウィリアムスが懐かしい・・・
懐かしい名前が・・ 高校のころだったか、もうちょっと後だったか、LP愛聴してました。

>キリ・テ・カナワ
その歌曲のCDを買った理由を忘れてしまいました(歌手で選んだのではないことだけは確か・・)が、とても好きで繰り返し聴きました。

オペラを視聴するようになってからは、キリ・テ・カナワだという理由で何枚かCDを買いました。このCDは残念ながら聞いてことがありません。ガーシュインが印象的でした。キリ・テ・カナワの記事、TBします。

投稿: edc | 2008年6月21日 (土) 22時36分

euridiceさん、コメントありがとうございます。
アンディ・ウィリアムズ、ほんと懐かしいですね。
日本がイメージする、アメリカンドリームの一翼を担ってたと思います。CBSレコードでしたし。

キリは、なんでも歌える器用な歌手でしたね。
膨大なCDが出てますが、意外とこれは、という決定盤もないような気もします。
でも、最近になって今更ながら、見直しております。いい声です。

投稿: yokochan | 2008年6月22日 (日) 00時11分

はじめまして。僕はジャズを聴きます。クラシックは少しだけですが、このキリ・テ・カナワのCDは大好きです。自分の歌いたいように歌っている。ジャズだから崩さなければならない、アドリブとフェイクを入れなければならないというのは偏狭なジャズファンがいう戯言です。

日本人のクラシック声楽家でもポピュラーを録音している人がいますが、自分の歌になっていません。ガーシュインを吹き込んだ前田祐希というクラシック畑(宗教曲)の人もいますが、聴いていて全然楽しめない。キリ・テ・カナワのの懐の深さには驚かされます。

投稿: asianimprov | 2009年11月22日 (日) 08時59分

asianimprovさま、はじめまして。
コメントありがとうございます。
ジャズをメインにお聴きとのことで、私はクラシックメインで、ジャズはほんの少し。
逆ですが、音楽に変わりはございませんね。

キリのこのCDを聴いたとき、記事にも書きましたが、すんなりと入れました。
このCDの素晴らしさは、ひとつには、プレヴィンのバックもありますね。彼とキリとの協調作業が生み出したものも大きいと思います。
そして、よく言われる、彼女のクリーミーボイスが堪らない魅力です。
ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2009年11月22日 (日) 13時51分

ジャズを聴くのは確かですが、このところ、面白く聴けるジャズがありません。ですから、昔から好きなフォーク・ミュージック、ロック、アイリッシュ・ミュージック、中南米音楽、ポップスもよく聴いています。

プレヴィンは十代から(15歳でレコーディングに参加したという記録もあります)ジャズ/ポピュラー音楽の世界で活動しており、同時にクラシックの勉強も初め、両方の世界で一流になった珍しいひとですね。

ドイツ生まれのユダヤ人で、プレヴィン一家はユダヤ人迫害を逃れて米国に移ったのですが、ディアスポラを経験したひとは強い。プレヴィンのピアノは端正で破綻もなく綺麗です。職人芸ですね。マンデル・ロウもレイ・ブイラウンも伴奏の達人です。

投稿: asianimprov | 2009年11月23日 (月) 13時39分

asianimprovさん、こんばんは。
そうですか、私もたまにですが、若き日々に聴いたロックやポップス、いわゆるニューミュージックなどを聴きます。
柔軟な耳でいたいものですから。

プレヴィンのキャリアは本当に長いですね。
その偉大なミュージシャンが、今は老いて、日本のオーケストラのポストを持っているなんて、すごいことだと思います。
そして、そのピアノは、おっしゃるとおり、端正できれいですね。素晴らしい音楽家です。

投稿: yokochan | 2009年11月23日 (月) 22時04分

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» キリ・テ・カナワ [雑記帳]
キリ・テ・カナワ(1944.03.06-  ニュージーランド)とは、オペラ映像を見始めたころ、早々に出会いました。 それより前から、中でも、フォーレ作曲「夢のあと」とデュパルク作曲「旅へのいざない」が、好きでよく聞いていた歌曲のCD(ソニー1980年)があります。 ペーター・ホフマンとは、1978年アラン・ロンバール指揮「魔笛」の録音で、ペーター・ホフマン@タミーノ、キリ・テ・カナワ@パミーナです。... [続きを読む]

受信: 2008年6月22日 (日) 07時47分

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