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2008年6月24日 (火)

ドビュッシー 「ペレアスとメリザンド」組曲 アバド

A 霧に煙る東京タワー。
梅雨時の東京タワーは、夜間いつもこんなふうだ。
遅くなると、上部を消してしまうので、「3丁目の夕日」のような未完成東京タワーのように見える。

土曜には、完全消灯が実施された。
墨田の新タワー(名前は??)の兄貴分として、東京のシンボルとして、頑張って(何をどうやって?)欲しいもんだ。

Abbado_debussy_pelleas_suite

6月26日は、私の私淑するクラウディオ・アバドの誕生日。1933年生まれ、75歳を刻む今年。
何度も書いてきたことだけれど、72年、アバド30台の頃からずっと聴き続けてきて、もう36年あまり。
私が中高生、大学、社会人と歩み続けるとともに、アバドを常に聴いてきた。
そのアバドも、ウィーン、ロンドン、ミラノ、シカゴ、そしてベルリンと着実にステップアップしていった。
私のようなデコボコ人生に比べて、なんと順風万般な王道を行くエリートの歩み。
 でもアバドの人間性の素晴らしいところは、常に奢らず、謙虚で、ポストや名誉に拘らず、時にあっさりと投げ出してしまうところ。
そう、でしゃばらず、周りから推され自然に高みにいざなわれたとでも言おうか・・・。
そしてそれに、ちゃんと応える素晴らしい実績を残しているところが、天性の才能。

そのアバドが、ベルリン時代に癌に冒され再起も危ぶまれたとき、私らファンの心境たるやいかばかりのものだったろう!心無い人は、不謹慎なことを言うし。
病み上がりの体で、まるで執念のように集中力溢れた「トリスタンを、2000年には東京で演奏してくれた。
この時ほど、ひとりの人間の音楽にかける意気込みの凄まじさを感じ取ったことはない。
ピットを見ていて、もうお願いだから、そんなに頑張らないで・・・という気分にもなった。
 その後、ベルリンでのアバドは異常なまでの充実ぶりで、オケも必死になってアバドのために演奏しているのがヒシヒシと感じたものだ。
そして、ベルリンから、夢の実現のためにルツェルンへ。
そんな頑張るアバドに押されるように、会社をスピンアウトして飛び出してしまった私。
生きるか死ぬかの思いに、いつもアバドの音楽は私を励ましてくれるようだった。
2006年、アバドはアバドを慕う音楽家たちとともに来日した。
このルツェルンとのマーラーブルックナーは、生涯忘れ得ぬほどの感動をもたらしてくれ、我が人生にもなにかしらの転機をももたらしたかもしれない。
そして、さらにアバドは進化を続けているようだ。
私も負けていられないよ。

アバドの愛する作品のひとつに、ドビュッシー「ペレアスとメリザンド」がある。
Abbado_pelleas スカラ座やウィーンで何回も上演し、ウィーンフィルとも素晴らしい録音を残してくれた。
より精妙なベルリンフィルとも上演して欲しかったが、ラインスドルフが編曲した、オーケストラ版組曲を98年に録音している。
約30分ほどの4部からなるこの組曲は、原作と同じく、強い音・フォルテの部分がほとんどなく、静的で精緻な音楽となっている。
それぞれ、5幕ある原作から前奏や間奏をうまくつなぎ合わせ、オペラのエッセンスが込められた桂作。
 病魔に冒されていたかもしれないアバド。そんなことは思いもよらないくらいの集中力と、歌心をもって、ドビュッシーのニュアンス豊かな音楽を極めて感度豊かに表現してゆく。
全曲を聴く時間のないときなどに、このCDは、その褐を満たしてくれる。
ベルリンフィルの豊麗なサウンドは、いつになく押さえられ、かなり渋いが響きは明晰。
そしてその響きに、トリスタンやパルシファル、ウェーベルンを聴くことができる。
 欲をいえば、言葉(歌)が欲しい。この作品に、フランス語のディクションは不可欠だから。あと蛇足ながら、あたしには、ぶどう酒だよ。

少し早いけれど、26&27日は二期会「アリアドネ」、28日は新国「ペレアス」があるので、アバドの誕生日を記念する記事をUPしました。
28日の若杉さんの「ペレアスとメリザンド」、とても楽しみ。
来年は「ヴォッェック」を上演するというから、若杉さんもワーグナー以降の音楽シーンを、アバドと同じような思いで見ているのだろう。

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