マーラー 交響曲第2番「復活」 アバド指揮
今日のラーメンは、福島県の白河ラーメン。
白河市は、東北の玄関口で、城下町として栄え、今でも蔵がいくつもあって風情ある街。
手打ちの縮れ麺に、自家製焦がしチャーシュー、スープはあっさりした醤油が主体。
さっぱり、あっさり、かつ醤油のこくもある味わい深いラーメン。
「いまの家」のチャーシュー・ワンタン麺。見た目にも美しい。
マーラーの交響曲第2番「復活」
1番の完成後、すぐに書きはじめ1894年に完成。
敬愛したビューローの死とも因縁づけられるが、死の気分とクロプシュトックの讃歌「復活」、そして自作の「子供の不思議な角笛」、これらが渾然となって、長大な交響曲を生むこととなった。
どんな演奏でも、最後の壮大なクライマックスには感動の坩堝となってしまう。
例によって、この曲の初聴きは・・・、思い出せない。たぶん、フジテレビの援助カットによる日本フィルの解散白鳥の歌となった、小沢の演奏のテレビ放送か、同時期の朝比奈&大フィルのFMかどちらか?
レコードでは、アバドとシカゴによる新しいマーラー演奏の画期的な1枚が初買い。
演奏会では、ベルティーニと都響のものしか経験なし。
私のマーラー狂いは、80~90年代までで、ライブはワーグナーのオペラに注力していたため、今に至るまで意外なくらいにマーラー生体験が少ないのある。
アバドと「復活」は、切っても切れない関係にあり、65年のセンセーショナルなザルツブルクデビューに始まり、マーラー第1弾のシカゴとの録音、ウィーン国立歌劇場音楽監督時代、ベルリンフィル時代、そしてルツェルン音楽祭での新たなスタート時に、それぞれ取り上げている勝負曲なのだ。
いずれも歌と情熱、知性と感性、それぞれのバランス豊かなしなやかな演奏で、「復活」といえば、アバドの音源として残されている、シカゴ盤・ウィーン盤・ルツェルン盤、それぞれを聴くことが多い。
本日は、2003年のルツェルン音楽祭を飾った演奏の映像を楽しんだ。
病の淵から文字通り復活したアバドが、マーラー・チェンバーオケの若手を主体に、かつて育てたユースオケなどの卒業生や、アバドを慕う各オーケストラの名手達で結成された「ルツェルン祝祭管弦楽団」を指揮した第1弾。
2000年の来日での激痩せぶりからすると、肉付きもよくなり、相変わらず若々しい指揮ぶりが伺える。
そうした相も変わらないアバドの的確な指揮ぶりを眺めつつも、オーケストラメンバーの豪勢な顔ぶれにも目を奪われる。
ブラッヒャーのコンマス、カプソン、ハーゲン、B・クリスト、G・ファウスト、グートマン、ボッシュ、パユ、A・マイヤー、ザビーネ・マイヤー、ドール、フリードリヒ・・・・、枚挙にいとまがない。このメンバー、少しづつ変わりつつあるようだが、室内楽も得意にする名手たちのオーケストラ演奏は、まさに互いを聴きあい、音のブレンドを大事にする姿勢が貫かれている。
S:エイェリ・クヴァザヴァ A:アンナ:ラーション
合唱:オルフェオン・ドノスティアルラ合唱団 演奏は、テンポよく。明るく若々しい!
音の粒立ちの明確さと、その立ち上がりの見事さ。自主性に満ちた完璧なアンサンブル。
楽員は、アバドの弧を描くような指揮に応じて、リアクションも大きく体も大きく揺れる。
時に指揮者ともどもにこやかに、楽しそう。
音楽する喜びが、マーラーの復活という、普通演奏するだけでも大変な曲で、普通ににじみ出ているところが、このコンビのスゴイところ。
終楽章のクライマックスでは、インテンポで意外なくらいに爽快なエンディングを築きあげている。バーンスタインやシノーポリのような、胸かきむしるような壮絶さはなく、復活の讃歌は明るく前向きだった。
アバド&ルツェルンのマーラーは、このあと第5、第6、第7、第3と続き、今年はひとまずお休み。テンポも早まり、密度は逆に濃くなって、アバドの前向きなマーラーは進化するばかり。歳とともに若くなり、推進力の増す稀有の音楽家。
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コメント
おじゃまいたします。
関連性の薄い書き込みかとも思いますがご容赦下さいませ。
大阪府は大阪フィルハーモニー交響楽団への補助金全廃・大阪センチュリー交響楽団への補助削減など大阪の持つ文化に対する大幅は削減等を予定しています。
大阪の財政状況が悪いことは承知していますが,しかしながら,直ちに全廃等を行って,今まで育まれてきた文化を断つということがあって良いとも思えません。特に,今まで出されてきた補助金が全廃ともなればオーケストラは成り行かないのではないかと思います。
今まさに目前の危機ではないかと。
危機的状況にある大阪のクラシック音楽状況を憂う等のご意見等があれば,大阪府に対して積極的にお願いできればと思いましての書き込みです。
現状についてご参考までに
http://goodwishes.cocolog-nifty.com/happy/2008/07/20714_8116.html
このコメント不適切であれば遠慮無く削除下さいませ。
投稿: ojiyan | 2008年7月13日 (日) 08時43分
ojiyanさま、はじめまして。
センチュリー響の苦境については知っておりまして、心痛む思いでしたが、大フィルまでもが補助金カットの対象とされていたのですか!
琵琶湖ホールもそうでしたが、行政は安直に芸術文化への支出や削減を考えすぎております。
勝手に箱を各地に作ってほったらかしにしておきながら、中身は無視、あげくに首を閉めるような難題を突きつける。
クラシック音楽を愛するものとして、東京も全国もありません。
各地の団体が連携してこの難所を切り抜けなくてはなりません。
府への意見、明日までとのことですね。
稚拙ながら、一筆書きたいものと存じます。
こんなことで、音楽芸術の芽を摘んでしまってはいけません。
了解いたしました。
投稿: yokochan | 2008年7月13日 (日) 17時21分