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2008年7月 4日 (金)

シェーンベルク 交響詩「ペレアスとメリザンド」 ベーム指揮

Kiss いつかは貼ると思っていたけれど、ついにキタ。グスタフ・クリムト(1862~1918)である。

1980年代、マーラーと新ウィーン楽派に夢中だった私。新婚旅行で行ったウィーンで、クリムトを見た。その絵の絢爛ぶりと、でかさにまず驚き!
アバドのベートーヴェン・シリーズのジャケットの原作見たさに、分離派協会にも行った。
よく、カミサンがついてきてくれたもんだ。
今なら、かってに行けば・・・・状態である。

文学=音楽=絵画
世紀末ほど、これらのジャンルが有機的に絡みあった時期はないのではなかろうか。

「ペレアス」=ドビュッシー・シェーンベルク=クリムト、こんな図式が私の中では、一番すんなり来る。

Shoenberg_pelleas_bohemアーノルト・シェーンベルク(1874~1951)の交響詩「ペレアスとメリザンド」は、作品番号5。
1903年に完成されたから、メーテルリンクの劇作からわずか5年。
1889年から1905年の間に、フォーレ、ドビュッシー、シェーンベルク、シベリウスの4人により同名の曲の作曲がなされたことになる。
それほどに、この劇作は世紀末をはさんで活躍した作曲家の心を掴んだのだろう。
シベリウスは別として、トリスタンの世界に魅せられていた3人が、メーテルリンクの救いのない悲しい恋愛の物語に同質のものを見出したのであろうか。

無調や12音に行き着く前の、後期ロマン派どっぷりのシェーンベルクの作風。
「浄夜」や「グレの歌」の頃。
巨大な編成によるオーケストレーションは、対位法の極地ともいえるくらいに複雑。
でもそこに展開され、浮かびあがっては消えてゆく、さまざまな旋律を一本一本紐解くようにじっくり聴くと、怪しいまでに美しいシェーンベルクの音楽が見えてくる。
時に、破壊的であり、陶酔的でもあり、悲劇的でもある。それらが同時進行するようなイメージは、耳に馴染めば堪らない快感となる。

わたし的には、「ペレアス」は、ドビュッシーとシェーンベルク、どちらも甲乙つけ難く好きだ。
劇の展開にどこまで即しているかは不明なれど、R・シュトラウスほどにリアルな描写はないから、その音に身を任せて聴くだけでよいのではないかと思っている。
愛の情景は、それこそ、このクリムトチックなものだし、暴力的なゴローの旋律も聴いてとれる。メリザンドの死は、さながらマーラーのように死に行くように終わる。
他の3人の作曲家のようなレクイエム的な雰囲気はなく、ただ死による終わりを感じさせるのみの音楽・・・・・・。

このCDは、ウィーンフィル150周年を記念して出たものの1枚で、外盤のみでなかったか。今では手に入らないものと思う。91年頃、秋葉原の石丸電気で出てすぐに購入。
ベームのシェーンベルクは、これが唯一であろうし、しかもオケがウィーンフィルだもの。
シュトラウスが、この作品を聴いて関心して惜しみない援助を送ったというが、ベームの指揮は、ベームがシュトラウスを指揮するかのように、厳しく、集中力に満ちた演奏だ。
そこに、ウィーンフィルのまろやかな響きがいい色合いとなって添えられる。
1969年、これまた金ピカのムジークフェラインでのライブ録音は、ステレオでかなり生々しい音がする。当時のホルンとオーボエに聴かれる、いかにもウィーンの味わいが深い。
ベームの足をばたばた鳴らす音もリアルに収録されております。

この曲、カラヤンは未聴。バルビローリとエッシェンバッハのねっとり情念的演奏も大好き。ベームは、41分くらいなのに、エッシェンバッハは48分もかけて演奏している。
オケ(シカゴ)がすごいブーレーズや、美しく完璧なアバド(ベルリン)のFMライブ、シノーポリなども愛聴してます。
バレンボイム(パリ管)やメータ(イスラエル)を是非聴いてみたい。

これにて、「ペレアスとメリザンド」4本勝負終了。

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コメント

yokochan様始めまして。新潟県在住の35歳の男性で越後のオックスと申します。リヒャルト・シュトラウスのオペラを全部聴いておられる方はおられないかとネットで検索を続けていたら貴ブログにたどり着きました。何時も楽しく読ませていただいています。
 メータ指揮のシェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」を持っています。フォーレ、シベリウス、シェーンベルクの三人のペレアスが収録されております。90年代初めの録音です。肝心の演奏なのですが、メータにしてはイマイチな出来ばえです。70年代の彼のような覇気のある快演を期待すると落胆するかもしれません。シェーンベルクのペレアスなら私はブーレーズ&シカゴの演奏が好きです。速めのテンポで切れ味のいい演奏だからです。聴いていて胸がすくような思いがします。カラヤン&ベルリンフィルもいい演奏ですよ。ベルリンフィルの合奏力の凄さに圧倒されます。重戦車みたいなアンサンブルですね。

投稿: 越後のオックス | 2008年7月 5日 (土) 08時58分

こんにちは。
ただ今、シェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」の購入を検討中です。

投稿: よんちゃん | 2008年7月 6日 (日) 13時54分

越後のオックスさま、コメントありがとうございます。
毎度、稚拙なblogをご覧いただき感謝いたします。
越後のオックス、なかなか洒落たお名前ですね。
私の名前、芸がなさすぎますので、千葉のバッカス(チーバッカス)などと変えてみたいものです(笑)

そうですか、メータは冴えませんか・・・・。
CBS時代以降は演奏にムラがあるようですね。
ブーレーズは私も好きですが、カラヤンはすごいのが予想がつくだけに、聴くのがコワイ気もします。でもカラヤンの新ウィーン楽派集は必須のアイテムゆえ、いずれは手を伸ばさなくてはなりません。こうしてCDの山が次々と築かれてしまうわけであります・・・。
ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2008年7月 6日 (日) 23時18分

よんちゃんさま、こんばんは。
この曲かなり濃厚ですが、はまると堪らない媚薬のような音楽です。是非とも、はまって下さい(笑)

投稿: yokochan | 2008年7月 6日 (日) 23時21分

 連投失礼いたします。私が貴ブログに初書き込みをしてからもう2年弱になるのですね。速いものです。ブログ主様をはじめ多くのお仲間の方々と知り合うことが出来、私めもゴロツキネットユーザーではもうなくなったような気がいたします。今日はブーレーズ&シカゴのペレアスとメリザンドと先日購入したばかりのF・シュミットの第1交響曲他のCDを聴きました。シュミットの第1交響曲は、作曲者25歳の時の作品ですが、後期浪漫派的なむせ返るような豪華華麗な響きに満ちた45分の大作でした。シナイスキー指揮マルメ交響楽団のナクソス盤で聴きました。マルメ響は1925年に設立されたスウェーデンのオケです。初めてその演奏を聴きましたが、スウェーデンの優秀なオケはエーテボリ響だけではないのですね。ブロムシュテットやP・ヤルヴィがこのオケを指揮したこともあるそうです。第2番や3番もシナイスキーや父ヤルヴィやルイージの演奏でそろえる事になるかもしれません。余白に入っている歌劇ノートルダムからの序曲と間奏曲とカーニヴァルの音楽もなかなかの名曲でした。ブログ主様もメータとルイージの第4番をもっておられるそうですが、F・シュミットはお好きですか?彼はツェムリンスキーよりも二歳年下でシェーンベルクと同年生まれですが、ツェムリンスキーと同じぐらいには才能があったような気がします。ブルックナーの弟子で、ウィーンフィルのチェロ奏者で、マーラーの指揮下にいたこともある人だったのですね。

投稿: 越後のオックス | 2010年1月 9日 (土) 15時07分

越後のオックスさん、こんばんは。
毎度コメントを頂戴して感謝しております。
ずっと昔から登場されていたかの感を抱きますが、2年なのですね。
「ゴロツキネットユーザー」なるものがいかがなものか、わたしにはわかりませんが、誠意の通じなかった某コメンテーターとは、大違いのオックスさんですよ。
弊ブログでは、どうぞよろしくお寛ぎください(笑)

F・シュミットは4番以外もちょろちょろ手出しをしてます。あの7つの封印をものにしたら記事にします。
それと、いま私は、シュレーカーにハマっているのであります。彼のオペラはいいです!

投稿: yokochan | 2010年1月 9日 (土) 23時01分

 丁寧なレスを何時も有難うございます。そろそろ私が自分をゴロツキと読んでいるわけをお話したいと思います。遠い昔のことです。私は小説にもアニメにもなっている超有名作品のファンでした。ネットを始めたばかりのころはその作品のファンが集う巨大掲示板サイトの常連だったのです。そのサイトは大分前に閉鎖されてしまったのですが。私はAという女性キャラクターの熱烈なファンでした。Aちゃんには作中で宿敵がいました。Bという男性キャラクターです。二人とも準主役クラスの大物キャラクターでした。ところが作中で二人は次第に仲が悪くなっていくのです。B氏は、しつこくて陰湿なAちゃんいじめをするようになっていきました。「これ以上Aちゃんを苛めるな!許さんぞB!」と私はB氏を掲示板で罵倒してしまったのです。B氏のファンと思われる男性から「Bにだって熱烈なファンが大勢いるのだぞ。彼らの気持を君は思ったことがあるのか?」とたしなめられてしまったのです。私はこのような失点を二回もおかしているのです。恥ずかしいやら情けないやらでその掲示板には閉鎖されるまで行きませんでした。当時の私はまだ青かったのです。ネット上でさえ居場所が無くなった私を鷹揚に受け入れてくれたのが作家で軍事ジャーナリストのK氏とyokochan様のお二人でした。私は今でもAちゃんのファンです。B氏のことも嫌いではなくなりました。くだらない懺悔を書き込んでしまって申し訳ありません。

投稿: 越後のオックス | 2010年1月10日 (日) 01時32分

越後のオックスさん、こんにちは。
過去話の暴露、ありがとうございます(笑)
いいじゃないですか、誰しも起こりうる若い所作ですし、好きだからこその証しでしょう。

私も、中高年に足を踏み入れましたが、もし最愛の演奏家が罵倒されたら、ちょっと熱くなっちゃいますよ!
まぁ、これもバランス感覚さえあれば、それと、相手を思いやる気持ちが肝要でしょうか。
偉そうなこと言ってすいません。

投稿: yokochan | 2010年1月10日 (日) 13時08分

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