シェーンベルク 交響詩「ペレアスとメリザンド」 ベーム指揮
いつかは貼ると思っていたけれど、ついにキタ。グスタフ・クリムト(1862~1918)である。
1980年代、マーラーと新ウィーン楽派に夢中だった私。新婚旅行で行ったウィーンで、クリムトを見た。その絵の絢爛ぶりと、でかさにまず驚き!
アバドのベートーヴェン・シリーズのジャケットの原作見たさに、分離派協会にも行った。
よく、カミサンがついてきてくれたもんだ。
今なら、かってに行けば・・・・状態である。
文学=音楽=絵画
世紀末ほど、これらのジャンルが有機的に絡みあった時期はないのではなかろうか。
「ペレアス」=ドビュッシー・シェーンベルク=クリムト、こんな図式が私の中では、一番すんなり来る。
アーノルト・シェーンベルク(1874~1951)の交響詩「ペレアスとメリザンド」は、作品番号5。
1903年に完成されたから、メーテルリンクの劇作からわずか5年。
1889年から1905年の間に、フォーレ、ドビュッシー、シェーンベルク、シベリウスの4人により同名の曲の作曲がなされたことになる。
それほどに、この劇作は世紀末をはさんで活躍した作曲家の心を掴んだのだろう。
シベリウスは別として、トリスタンの世界に魅せられていた3人が、メーテルリンクの救いのない悲しい恋愛の物語に同質のものを見出したのであろうか。
無調や12音に行き着く前の、後期ロマン派どっぷりのシェーンベルクの作風。
「浄夜」や「グレの歌」の頃。
巨大な編成によるオーケストレーションは、対位法の極地ともいえるくらいに複雑。
でもそこに展開され、浮かびあがっては消えてゆく、さまざまな旋律を一本一本紐解くようにじっくり聴くと、怪しいまでに美しいシェーンベルクの音楽が見えてくる。
時に、破壊的であり、陶酔的でもあり、悲劇的でもある。それらが同時進行するようなイメージは、耳に馴染めば堪らない快感となる。
わたし的には、「ペレアス」は、ドビュッシーとシェーンベルク、どちらも甲乙つけ難く好きだ。
劇の展開にどこまで即しているかは不明なれど、R・シュトラウスほどにリアルな描写はないから、その音に身を任せて聴くだけでよいのではないかと思っている。
愛の情景は、それこそ、このクリムトチックなものだし、暴力的なゴローの旋律も聴いてとれる。メリザンドの死は、さながらマーラーのように死に行くように終わる。
他の3人の作曲家のようなレクイエム的な雰囲気はなく、ただ死による終わりを感じさせるのみの音楽・・・・・・。
このCDは、ウィーンフィル150周年を記念して出たものの1枚で、外盤のみでなかったか。今では手に入らないものと思う。91年頃、秋葉原の石丸電気で出てすぐに購入。
ベームのシェーンベルクは、これが唯一であろうし、しかもオケがウィーンフィルだもの。
シュトラウスが、この作品を聴いて関心して惜しみない援助を送ったというが、ベームの指揮は、ベームがシュトラウスを指揮するかのように、厳しく、集中力に満ちた演奏だ。
そこに、ウィーンフィルのまろやかな響きがいい色合いとなって添えられる。
1969年、これまた金ピカのムジークフェラインでのライブ録音は、ステレオでかなり生々しい音がする。当時のホルンとオーボエに聴かれる、いかにもウィーンの味わいが深い。
ベームの足をばたばた鳴らす音もリアルに収録されております。
この曲、カラヤンは未聴。バルビローリとエッシェンバッハのねっとり情念的演奏も大好き。ベームは、41分くらいなのに、エッシェンバッハは48分もかけて演奏している。
オケ(シカゴ)がすごいブーレーズや、美しく完璧なアバド(ベルリン)のFMライブ、シノーポリなども愛聴してます。
バレンボイム(パリ管)やメータ(イスラエル)を是非聴いてみたい。
これにて、「ペレアスとメリザンド」4本勝負終了。
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コメント
yokochan様始めまして。新潟県在住の35歳の男性で越後のオックスと申します。リヒャルト・シュトラウスのオペラを全部聴いておられる方はおられないかとネットで検索を続けていたら貴ブログにたどり着きました。何時も楽しく読ませていただいています。
メータ指揮のシェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」を持っています。フォーレ、シベリウス、シェーンベルクの三人のペレアスが収録されております。90年代初めの録音です。肝心の演奏なのですが、メータにしてはイマイチな出来ばえです。70年代の彼のような覇気のある快演を期待すると落胆するかもしれません。シェーンベルクのペレアスなら私はブーレーズ&シカゴの演奏が好きです。速めのテンポで切れ味のいい演奏だからです。聴いていて胸がすくような思いがします。カラヤン&ベルリンフィルもいい演奏ですよ。ベルリンフィルの合奏力の凄さに圧倒されます。重戦車みたいなアンサンブルですね。
投稿: 越後のオックス | 2008年7月 5日 (土) 08時58分
こんにちは。
ただ今、シェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」の購入を検討中です。
投稿: よんちゃん | 2008年7月 6日 (日) 13時54分
越後のオックスさま、コメントありがとうございます。
毎度、稚拙なblogをご覧いただき感謝いたします。
越後のオックス、なかなか洒落たお名前ですね。
私の名前、芸がなさすぎますので、千葉のバッカス(チーバッカス)などと変えてみたいものです(笑)
そうですか、メータは冴えませんか・・・・。
CBS時代以降は演奏にムラがあるようですね。
ブーレーズは私も好きですが、カラヤンはすごいのが予想がつくだけに、聴くのがコワイ気もします。でもカラヤンの新ウィーン楽派集は必須のアイテムゆえ、いずれは手を伸ばさなくてはなりません。こうしてCDの山が次々と築かれてしまうわけであります・・・。
ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2008年7月 6日 (日) 23時18分
よんちゃんさま、こんばんは。
この曲かなり濃厚ですが、はまると堪らない媚薬のような音楽です。是非とも、はまって下さい(笑)
投稿: yokochan | 2008年7月 6日 (日) 23時21分