マーラー 「リュッケルトの詩による5つの歌曲」 ハンプソン
屋台の昔風のラーメンが食べたくなるときってありますな。
シンプルな具に、醤油味の茶色いスープ。
飾り気ない味が懐かしく、鶏ガラと昆布出汁のみ。
そんなラーメンは、専門店では凝り過ぎていて気がぬけない。
意外と、中華料理屋のものがいい。
赤い色のカウンターで、餃子とビールでも飲みながら、ラーメンをすする。幸せの瞬間。
港区芝(慶応中通り)にある「亀喜」は、元々中華料理屋だったから、こんなラーメンが食べれちゃう。
この店、大盛りで有名で、なかでも「オムライス」はすごい!
私は食べている人を見ているだけだが、女性はまず半分くらいしか食べられない。
お店の人も「頑張って下さい」と言って出してくる。お持ち帰りパックもあります。
画像は検索するとたくさん出てきまっせ!
マーラー・シリーズ、交響曲はひとまず置いて、その交響曲と同時期に書かれ、旋律などにも関連性が高い歌曲集を。
交響曲第2~4番は「子供の不思議な角笛」と、そして交響曲第5・6番は「リュッケルトの詩による5つの歌」と「亡き子をしのぶ歌」と連動している。
リュッケルト(1788~1866)の詩には、シューベルトやシューマンも曲をつけているが、マーラーのこの二つの歌曲集の方が近年は有名かもしれない。
デリケートで愛情あふれ、また厭世的で絶望的ですらある詩の内容に、マーラーはまさに矛盾に満ちた自己の心情を見出し、その詩にピッタリの音楽を残した。
①美しさのために愛するなら
②私の歌をのぞかないで下さい
③ほのかなかおりを私はかいだ
④真夜中に
⑤私はこの世に忘れられた
アルマとの結婚でほのぼのとした幸せに満ちた①や②、ロマン溢れる③はまさに音楽の芳香が漂ってくる。
④と⑤がこの曲集の核心。
④弦楽器を休ませ、管だけによる真夜中の静寂と恐怖を恐ろしいくらいに描いていて、心がえぐりとられるような深みがある。
⑤第5のアダージェット楽章である。何もそんなに世を儚むことはないじゃないか!
あまりに辛く切ない。涙も出ない苦難の世界。
私は世とともに多くの時を浪費したが、今や世は私の消息を聞かなくなって久しい。
・・・・世の騒音から私は死んでしまい、しずかなところにやすらいでいる。
私はひとり私の天のなかに、そしてまた、私の愛と私の歌の中に生きている。
アメリカのナイスなバリトン、トマス・ハンプソンは驚くほどの感情移入を見せておきながら、それが決してもたれず、嫌味にもならない。
FDとも異なった、現代的・頭脳的な歌唱に思う。各曲のさまざまな様相を歌い分けも見事。
バーンスタインとウィーンフィルがまた、絶美ともいえるオーケストラによるパレットを描いている。特に④と⑤には唸ってしまう。
この曲、女声ではルートヴィヒが最高。
あと、エアチェックながら、クヴァストフとアバドによる超越的な高みに達した演奏は、すごすぎてそう何度も聴けない・・・・・。
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コメント
こんばんは。
「オムライス」ですか〜!
奇遇です、私のブログで書いたばかりです。
ハンプトンのリッケルトですか〜!
奇遇です、愛聴盤です。
投稿: golf130 | 2008年7月18日 (金) 00時39分
golf130さま、こんばんは。
オムライス画像拝見しました。おいしそうですね!
私の方は、食いしん坊大食いのオムライスなので、ちょっとチャレンジできそうにありません。
ハンプソンは実にいい声であります。
そして、いい音楽です。
投稿: yokochan | 2008年7月18日 (金) 23時08分