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2008年8月11日 (月)

R・シュトラウス アルプス交響曲 ケンペ指揮

Alpine_sym_kempe_rpo さぁ、世間はオリンピックに、甲子園に盆休みだ。

しかし、オグシオは残念だったな。相手が男だったもんな・・・?

さて、夏をクールダウンするのは、例年このリゾート音楽を取り出すことになる。

オーケストラ作品で、「海」なら、ドビュッシーやディーリアス、V=ウィリアムズ。「山」なら、ダンディとこのR・シュトラウスに指を折る。

そして数々ある「アルプス交響曲」の名盤のジャケットは、いずれもアルプスの山々をあしらったものがほとんどで、演奏内容とは別に、名ジャケットも数々ある。
「アルプス交響曲」ジャケットコレクションなどを企画してみたいものである。
その筆頭にあげるべき名ジャケットが、ケンペとロイヤル・フィルハーモニーのRCA盤である。1966年の録音で、私がクラシックを聞き始めたころには、このジャケットですでに出ていた。重量感あるレコード盤に、豪華見開きジャケットは、子供には高値の花だった。
後に、廉価盤で、ペラペラジャケットながら、RVWの「海」や「南極」とともに発売されたが購入せず。そんな幻のレコードをこともあろうに親類が持っていた。
早速、写真撮影だけさせていただいた次第である。
CDは、かなり前に購入した、新星堂の1000円シリーズのものを。
この音源、テスタメントで近々復活ともいう。私の廉価盤は、音質は明晰で素晴らしいが、音揺れがあるから、新しいマスタリングに期待。

ケンペの同曲は、EMIへのドレスデン録音が有名だし、実際にオケの美音もあって、名演の誉れも高い。
 このロイヤルフィル(RPO)盤、テンポ設定は両盤ともに約50分でよく似ていて、音楽の歌わせ方や表情付けも、ほぼ同じ。
異なるのは、ドレスデンの素晴らしく味のある奏者たちや、弦のマイルドな美しさ。

RPOの音色は正直、ドレスデンの比ではないが、ここのあるのは全体に張りつめる覇気のようなもの。不遇をかこっていたRPOが、名指揮者をむかえ、久々の録音に燃えて一生懸命になっているのがよくわかる。
登山の意気込みに燃え、途中の山道も元気一杯。牧場や降り注ぐ滝の飛沫も明晰で気持良さそうだ。そして、ついに山頂では喜びと達成感に大爆発する。
え、これってRPO?って思う。
そして、雲行きが怪しくなり、嵐も激しく吹き荒れ、ほうほうの態となるが、なかなかに落ち着きはらった下山である。最後は、感慨深げにクィーンズ・ノーブルサウンドを聴かせる。
 ケンペもドレスデンに比べると若々しく、ロンドンのオケとの相性の良さがうかがえる。
そして、ブラス群の素晴らしさは、ドレスデンとはまた違った喜びをもたらせてくれる。

R・シュトラウス(1864~1949)のシリーズの一環として、旧知ですが、曲について少し。
1911年から着手し1915年に完成。有名管弦楽曲をほとんど書き終え、15作あるオペラでは、5作目の「ばらの騎士」を書き終え、「アリアドネ」も併行して書き終え、さらに「影のない女」に着手していた。ガルミッシュ・パルテンキルヘンで日々アルプスを眺めて作曲したのは有名なはなし。

 これまで、取り上げたアルプスの峰々と名ジャケット

 プレヴィン指揮フィラデルフィア管弦楽団
 ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団
 メータ指揮ベルリンフィルハーモニー

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コメント

プッチーニの「三部作」、所用がいろいろあっていかれませんでした。でも正解だったような・・・。
ところで、シュトラウス作品の中にあっては意外と誤解されているアルプス交響曲ですが、本当はマーラーへの鎮魂曲、そしてオマージュの音楽だと最近思っています。東響りゅーとぴあ定期で聴いたとき、音響設計の見事さよりも宗教的な音楽だなあと思ったものでした。どことなくマーラーの第6に似ている感じがしませんか?
ケンペの演奏は持ってないです。シノーポリ、バレンボイム、ショルティ、シュタイン、ヴィルトナー。この中ではシュタイン=バンベルクのCDとシノーポリ=SKD(DVD)かなぁ。タワーで出たプレヴィン=フィラデルフィア、今度買おうかな。
そういうばyokochanさん、シュトラウスのオーケストラ全曲紹介、未だ途上ですね、今回のアルプスはその流れからきたのでしょうか?

投稿: IANIS | 2008年8月12日 (火) 02時21分

このケンペ=RPO盤のジャケット、私もよく憶えていますよ。この曲は大好きで、今春ナガノ=モントリオールSOの素晴らしい演奏を聴くことができました。ちなみに朝比奈隆も結構頻繁に演奏していましたね。私の記憶違いでなければ、たしか若かりし頃ベルリン・フィルとも演奏しているはずです。ところでこの曲にはベルリン・フィル試用期間中(?)のザビーネ・マイヤーが映っているカラヤンの映像がありましたね。

投稿: EINSATZ | 2008年8月13日 (水) 01時15分

IANISさん、こんばんは。
三部作は、出来栄えはともかく、私としてはとても楽しみました。何よりも、この3作がようやく手の内に入ってきたからです。
アルペンにアーラーですか!う~む、確かに宗教観はありますね。じっくり考えてみます。なにぶん、しばらくマラ6を聴いてないものですから。
そして、当然に全曲シリーズの一環であります。
また登場することでありましょう。

投稿: yokochan | 2008年8月13日 (水) 02時12分

EINSATZさま、こんばんは。
このレコードを覚えてらっしゃるとは嬉しいです。さすが。
 モントリオール行かれたのですね。
この曲のライブはいまだ未経験です。
ヤンソンスあたりが持ってきて欲しいのですが、名曲ばかりでどうにもです。
カラヤンの映像は、ジルヴェスターでしたか。私も見た記憶がありますが、マイヤーまでは覚えてませんでした。
最近のマイヤーは、ちょっとおっかない顔になりましたね・・・

投稿: yokochan | 2008年8月13日 (水) 02時18分

このマッターホルンの写真はブライトホルンに登る途中からのようで東壁が正面を向いていて、ちょっと珍しいものですね。
シュトラウスがガルミッシュの山荘で見ていたのはツーク・シュピッツェというバイエルン・アルプスの最も高い山なのですが、その写真をジャケットに使ったものはむしろ珍しいようで、圧倒的にこのマッターホルンのジャケットですね。
ケンペのアルブス・シンフォニーは良いですねぇ。アンドレ・プレヴィン、ベルナルト・ハイティンクのものは私も持っていますが、感動的ですよね。カラヤンのものも私は好きでした…。冒頭のウルトラマンの動機…やっぱりホルンが上手くないと…。

投稿: Schweizer_Musik | 2008年8月13日 (水) 08時03分

Schweizer Music先生、おはようございます。
さすが先生、マッターホルンの向きまでおわかりになるんですね!そういえば、ご指摘を受けて初めて見慣れない向きです。

そして、バイエルン・アルプスの写真は、もしかしたらショルティ盤がそうだったのかもしれません。
美女もいいですが、この曲もジャケ買いしてしまう音楽かもです(笑)
ロイヤルフィルのホルンは、ドレスデンには及びませんが、なかなかに聞かせてくれます。

投稿: yokochan | 2008年8月13日 (水) 09時42分

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» 夏…涼しくして音楽を聞こう -28. シュトラウスのアルプス交響曲 [鎌倉スイス日記]
作曲者 : STRAUSS, Richard 1864-1949 独 曲名  : アルプス交響曲 Op.64 演奏者 : ベルナルト・ハイティンク指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 CD番号 : PHILIPS/PHCP-1178(416 156-2) 次第に辺りが明るくなり、小鳥が鳴き、さざ波のように動物たちが活動を開始し、やがて日が昇り一気に雰囲気が変化する…。そして登山が始まる。 実際に我々のような素人が低い山をハイキングするならこれで良い。シュトラウスが登ったツーク・シュピ... [続きを読む]

受信: 2008年8月14日 (木) 19時50分

» シュトラウス/アルプス交響曲 / ハイティンク指揮ACO *****(特薦) [鎌倉スイス日記]
この作品について、ヤノフスキの演奏やカラヤン、ケンペの名演を愛聴している。しかしこのベルナルト・ハイティンクが指揮するロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の1985年の録音の素晴らしさを何と表現したらいいのだろう。 ハイティンクは最も日本で誤解されてきた指揮者ではないだろうか。表面的な音の開放を徹底してコントロールし、音楽が恐るべき内面的な充実を持つに至る彼の頑固一徹演奏態度は、表面的な取っつきやすさがないだけに、誤解されてしまったのだ。そして一度レッテルが貼られると、それはなかなかはがれない。 ... [続きを読む]

受信: 2008年8月15日 (金) 06時25分

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