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2008年9月21日 (日)

プッチーニ 「トスカ」 シュタイン指揮

Zakuro石榴の実。

めったに見かけなくなったが、先日都心で発見。
子供の頃、隣の家にその木があり、よく実をもらって食べたものだ。
だが不思議と、その味に記憶がない。決して美味しいものではない。

でも昔では考えられないほどに、その効能ぶりが評価されているスグレもの。(抜け毛予防なんかもアリよ)

Kishibojin 実は、これ、「谷中の鬼子母神」の中庭に植えられた石榴なのであります。
「恐れ入谷の鬼子母神・・・・」江戸狂歌のこのフレーズは、一時酔っ払っては口にしていたもんだ。
江戸には3大鬼子母神があって、雑司ヶ谷の法明寺、入谷の真源寺、下総中山の法華経寺。

石榴と鬼子母神も関係深い。
種が多く子宝に恵まれるということと、本来のインドからの言い伝えの神で、お釈迦さまが戒めに石榴を与えたとされること。
ふむふむ、何気ない都会の一隅で見かけた光景でも、深い云われがあるものだなぁ。

Tosca_stein

本日は、朝5時半に起き、運動会の開門に並ぶ。
6時とともに門が開き、ダッシュして陣取り。
もう10年もやっていると、若いお父さん方には敵わない。
その苦労も空しく、お昼のお弁当を済ますと分厚い雲が広がりすごい雨となりずぶ濡れ。
後半を残し、運動会はお流れに。

空いた午後を利用して、オペラを1曲。
ひねりを効かせて、プッチーニ「トスカ」独語版を聴こう。
何故にドイツ語か。
70年代前半くらいまでは、オペラは原語上演ばかりでなく、その国の言葉で上演されるケースも多かった。
日本でもほとんどが、ワーグナー以外は日本語上演で、私も何度も体験している。
今思えば奇異なことだけれど、字幕もなかったし、そうした方がオペラへの親しみが増したものだ。
ドイツでも、イタリア・フランスものは、ドイツ語上演されていたようで、その録音もかなりの数がある。今回の「トスカ」も同様、DGからは日頃ワーグナーを歌っているような歌手による、イタリアオペラ・ハイライト集も相当数出ていた。

 トスカ:ステファニア・ヴォイツォヴィチ  カヴァラドッシ:シャンドール・コーンヤ
 スカルピア:キム・ボルグ         堂守 :ギュンラー・ライプ
 スポレッタ:ヴェルナー・エンデレス

   ホルスト・シュタイン指揮 ベルリン国立歌劇場管弦楽団
                    ベルリン国立歌劇場合唱団
                合唱指揮:ジークフリート・フォーゲル
                         (1961.ベルリン)

この演奏のポイントは、いうまでもなく、先ごろ亡くなったホルスト・シュタインの指揮。
しかもオケが、当時コンヴィチュニーがいたころのベルリンの歌劇場。
だから、さぞや重厚なワーグナーばりのドイツの響きを想像してしまうが、その予想に反して、冒頭の出だしから、明晰で透明感に富んだ響きが聴かれる。
その様子は全曲にわたって変わらず、威圧的な音は一切なく、プッチーニの大胆な和声を手馴れた様子で、かつオペラティックな歌いまわしでもって、見事に響かせている。
オペラの職人シュタインは、とても器用な指揮者だったからイタリアものや、ロシアものを指揮しても、透明感と軽やかさを失うことがなかった。
とても若い頃の録音ながら、ガチガチのドイツのオケからこんなプッチーニを引き出すなんて驚きだった。

「トスカ」ぐらいになると、原語がすっかり頭の中に刻み込まれているから、さぞやずっこけるかと思ったけど、全然普通。
1幕の壮麗な「テ・デウム」、スカルピアが「Geh,Tosca!」と歌うものだから、重厚なボルグの声と合わせて、思わずウォータンか。
こんな思わずニヤリの場面は随所にあるけれど、全然OK。
むしろ、2幕のトスカとスカルピアの緊張感ある場面や刺殺のシーン、終幕のトスカが身を踊らすまでのシーンなどは、ドイツ語の方がスリリングな雰囲気が巧まずして出ているようにも思えた。

歌手の中では、ワーグナーの諸役でも定評あったコーンヤが抜群にいい。
この人のプッチーニは、生真面目な歌声なだけに、そのシリアス感がお似合い。
ポーランドのヴォイツォヴィチは、最初はやや線が細いなと思っていたら、だんだんとその迫真の歌いまわしがツボにはまってきて、2幕以降は繊細かつユニークな歌唱に思えた。
ボルグの低音のドスの効いたスカルピアもいい。

口直しに、原語版も聴きたくなるのも隠せない事実だけれど、シュタインのプッチーニは大いなる聴きものでありました。

 参考過去記事

 「シャーンドル・コーンヤのプッチーニ・アリア集」

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コメント

こんばんは。

>オペラの職人シュタイン

そうだったんですか…。私はシュタインと聞いたらなぜか交響曲系ばかり連想していました。そういえばシュタインのオペラは聴いたことがないのです。

日本語のオペラ。TVで観たことがあります。たしか『ドン・ジョヴァンニ』だったのではないかと。
ウチの父が声楽家なもんですから、私は人生における初ドンジョは日本語で覚えちゃったんですよ。カタログの歌とか、シャンパンの歌とか。今思うと、ビミョーな訳だったような。。。

投稿: しま | 2008年9月23日 (火) 00時25分

しまさん、こんばんは。
シュタインは、N響でお馴染みになりましたから、コンサートのイメージがあるのでしょうね。
ヨーロッパの主要劇場でひっぱりだこだった人で、パリのオペラ座でもワーグナーを振ってましたし、ウィーンでの「ドン・カルロ」もCD化されました。

ドンジョ日本語版はおもしろそうですね。
ファルスタッフの日本語上演を観たことがありますが、これも愉快でした。「若いときゃ~、この俺だって、もてて困ったもんだ~」なんて歌うわけですよ・・・。はははっ。

投稿: yokochan | 2008年9月24日 (水) 00時47分

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