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2008年9月13日 (土)

現田茂夫指揮 神奈川フィルハーモニー演奏会

Studium 西日が眩しい電車に乗り込み、残暑もあとしばらくと思いつつ、夕刻を横浜へ向かう。

私の贔屓の球団、「へっぽこベイスターズ」の試合が行われているスタジアムを横目に見つつ、山下公園方面に急いだ。

私の秋のコンサートシーズン開始の演目、好物のラフマニノフの交響曲第2番を聴くために!

     ムソルグスキー   歌劇「ホヴァンシチナ」前奏曲
     チャイコフスキー   ヴァイオリン協奏曲
                  Vn:千住 真理子
     ラフマニノフ      交響曲第2番
     チャイコフスキー   アンダンテ・カンタービレ(アンコール)

     現田 茂夫 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
                       (9.12 @県民ホール) 

Kanaphl
クラシック名曲紀行と題されたコンサートは、オール・ロシアもの。
1、2階はほぼ満席で、なかなかの盛況ぶりは、こうしたコンサートによくある前半注目型。
それでも、ラフマニノフの第2は人気曲だし、コンサートでも始終取り上げられるようになった。
この夏はミューザで、尾高さんの名演に接したばかりで、今回は、現田&神奈フィルコンビの適性にぴったりと予測され、後半狙いのワタクシは本当に楽しみにしていた。

さて、広大な大河ドラマオペラの前奏にいかにも相応しい「ホヴァンシチナ」前奏曲。モスクワ河の夜明けサブタイトル通りに、さざ波と朝もやがかかった景色が思い浮かぶ桂曲。時おり、不安げな和音が響くのが、社会派ムソルグスキーの作たるところ。
とても丁寧な演奏で、本日のプロローグとしては、実によろしい出だし。

Mariko_senjyu_2 ついで、千住さんをソロに迎えたチャイコフスキー。メンデルスゾーンと並んで、日頃真面目に聴かなくなって久しい曲ではあるが、こうしてライブで聴いてみると、やはり名曲の名曲たる由縁。いい曲だ。
千住さんは、もっと歌ってよかったのではとも思えたけれど2楽章がよかった。
彼女の思うところと、出てくる音楽が、ほんとうにあれでよかったのかしら、とも思ってしまったけれど・・・。オケの合わせは完璧。
 自宅の古い雑誌で、75年にブーレーズが来日したおりの写真に、千住真理子ちゃんを発見。おやまあ!
1楽章の終りに、予想通り盛大な拍手。
曲終了後も、大きな拍手だったが、3回ほどのコールで、おれよあれよで、拍手は終息してしまい、妙に拍子ぬけ・・・・・。

う~む、今夜の聴衆は・・・・。

同席したblog仲間の方にも危惧を語ったが、それは見事に当たり!
ラフマニノフでは、楽章の合間にぱらぱら拍手が。
でも、これはこれで私は微笑ましかったのも事実。
繰り返しを実行した、20分あまりの長大でナイスな1楽章に思わず手を叩きたくなるのもわかる。甘味なる3楽章でも少し起こったが、音が完璧に鳴り止んでから起きただけに、じっくりとかの素晴らしい楽章を味わっていただいたに違いないから・・・。

そのラフマニノフ第2交響曲
神奈フィルの顔ともいえる、コンマス石田氏の姿が本日はなく、ゲストコンマスだったが、現田氏の指揮だけに、輝くばかりの綺麗な音色がいつにも増してホールに響き渡ったものだ。ヴァイオリンソロの登場場面が数回あるが、そのソロを受けた第1ヴァイオリンの音色があまりに違うものだから、実に面白い聴きものだった。
やはりオーケストラの音色というのは、明確にあるものだなぁ。
それと、体を大きく揺らしながら弾くスタイルもメンバーに浸透していて、私も曲が曲だから、体が動きそうになるのを止められなかった。

現田氏の後姿を見て聴いていると、その豊かな歌心が音になって湧き出てくるのがとてもわかる。1楽章の長い導入部からして、その思いが実によく伝わってきた。
そして主部の哀愁に満ちた旋律にもううるうるしてくる自分。
2楽章のリズム感と中間部の緩やかな部分との対比が鮮やかで、打楽器もよく決まって鮮やか。
そして、注目の3楽章。実演では、長いクラリネットソロが大丈夫かな、とドキドキしながら聴くのが常だが、本日の森川さんのソロは実になめらかで、安心してその甘味なる旋律に身をゆだねることができた。
寄せては返す連綿たる音の流れが、徐々に高まってゆき、それが奔流となって響き渡るとき、私はいつにも増して涙ちょちょぎれ状態に陥ってしもうた。
先日の尾高さんが、あくまでジェントルにこの高まりを表出したのにくらべ、現田氏は、思いきり歌いまくり、オケもきらやかな美音でもって思いきりこれに応えている。
 この曲の総括のような終楽章、思いのほかじっくりとしたテンポで着実に盛り上がりを築きあげ、壮麗なエンディングとなった。
素敵なラフマニノフが聴けた喜びで胸が一杯になり、ブラボー一声献上。

予想外のアンコールは、アンダンテカンタービレ
エエ曲にございました。ここでも歌へのこだわりが、心に染み入るように感じられた。
ただ、ラフマニノフの余韻に浸ったまま、ホールをあとにしたかったのも事実かな。

Nihonodori Yajirobei

アフターコンサートは、日本大通りを抜けて、ベイスターズ勝利に沸くおいしい居酒屋さんにお連れいただき、楽しい時間を過ごしました。
お魚に、好物の馬刺し。
とろけるように美味しい。
ラフマニノフを聴いたあとに相応しい一品!
皆様、どうもお世話になりました。

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コメント

こんばんわ。
金曜の神奈フィルは本当に素敵なラフマニノフでしたよね。
特にあの3楽章!
あれはもう、現田&神奈フィルでなきゃ奏でられないでしょう!
あの演奏を聴けただけで、コンサートに足を運んだかいがあったと言うものです。

しかし、雑誌の写真!千住嬢もまた愛らしいというか(笑)

投稿: スリーパー | 2008年9月13日 (土) 22時35分

スリーパーさん、おはようございます。
いやはや、あのコンビならではのきれいなラフマニノフでした!
欲をいうと「みなとみらい」でも聴いてみたいものです。

千住真理子ちゃんの写真は、「音楽の友」からのものですが、彼女の名前は一切書かれておりませんでしたので、よく見てみると彼女と、いった発見でした。

投稿: yokochan | 2008年9月14日 (日) 10時30分

どうも先日は遅くまでお引き留めしてしまいすいませんでした。
でも現田さんの魅力をお聴かせできたことが本当に嬉しく思います。
彼ならではのあの響きは神奈川フィルの今日を作った大きな力だと思っております。
今大きな花を咲かせているこのコンビ、末永く続いて頂きたいです。
それからお近くにお越しの際はまたぜひ”やじろべえ”で一杯やりましょう。
来月、お時間の取れることを祈っております。

投稿: yurikamome122 | 2008年9月14日 (日) 12時15分

yurikamomeさん、こんばんは。
今回お誘いいただき本当にありがとうございました。
シュナイトさんだけではわからない神奈フィルの魅力の一端は、現田さんにあったのですね。
それが痛感できた素晴らしいラフマニノフでした。
もったいない名コンビですね。NHKあたりでも是非広めてほしいです。
素敵な居酒屋をご案内いただきありがとうございました。
来月は、途中参加でも横浜へ走ります!

投稿: yokochan | 2008年9月14日 (日) 21時40分

良かったみたいですね。当然でしょうが…。あんまり悔しいので、プレヴィンのCDを聞いていました(笑)。
美味しいアフター・コンサートも羨ましいばかりで…。来月の定期は行けるかどうかギリギリの状態ですので、ホント、やれやれです。

投稿: Schweizer_Musik | 2008年9月15日 (月) 13時43分

Schweizer Music先生、こんばんは。
ご多用中、当方だけ楽しんでしまい申し訳ありません(笑)
プレヴィンも新旧いいですね。
現田&神奈フィルのあの系列の音楽は正直はまります。
あれほどいいとは思いませんでした。
次回のシュナイト師のブラームス、私もかなり厳しいのですが、後半だけでも駆けつけようかと思っております。

投稿: yokochan | 2008年9月15日 (月) 21時55分

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受信: 2008年9月15日 (月) 13時41分

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