ブライアン 交響曲第1番「ゴシック」 レナルト指揮
実はこれ、もう季節はずれとなったけれど「冷やし中華」にございます。
でも冷やし中華発祥の地とされる仙台では年中食べれちゃう。
こちらは、国分町で酔ってふらふらと入った四川料理「成龍萬壽山」という店。甘酸っぱくユニークなお味。
この翌日、地元の方に連れていっていただいた店は、もっともっと美味かった!
次の機会にその驚きのおいしさをレポートします。(最近、飲食系の別館がほったらかしでネタがあり過ぎなもんで)
歌入り交響曲シリーズ。
思い出したように、とうか、超巨編だもので曲を知るのに時間が掛かりすぎた。
そしてその思いは、いまだ変わらず、もう何十回と持ち運び通勤・出張のお供に聴いたものの、その構成や造りがさっぱり見えてこない交響曲。
ハヴァーガル・ブライアン(1876~1972) は、英国の怪作曲家。
その交響曲第1番「ゴシック」は、演奏時間141分の最長交響曲のギネスを保持するとんでもない作品。
その楽器編成も超巨大。
8管編成(32の木管・24の金管)に打楽器奏者きわめて多数、オルガン・チェレスタの大オーケストラに別働隊のブラスバンド、600人の合唱、4人のソリスト!!
まさに、ばかやろう規模の途方もない交響曲は、よっぽどバブリシャスな投資家がスポンサーにならない限り実演には及ばないであろう。
(トヨタさま、全国アマチュアオケ・フェスティバルとか称してやってもらえませんか。)
怪人ブライン、これで驚いたらまだ甘い。
このオッサン、交響曲を32曲も書いているのだ!
しかも、この1番が51歳完成の作品で、80歳以降に12番~24番、90歳以降に25番~32番という巨魁ぶり。その他オペラや声楽作品もあるというから・・・。
でも、ばかげた巨大作品は1番のみで、あとは普通、もしくはシンフォニエッタ風の小振り作品だったりして、それらが以外と英国風の落ち着きある音楽で悪くない。
といっても、1番以外は、ほかに手に入る2枚のCDを聴いての印象のみでありますが。
労働者階級の出身で、音楽はほとんど独学。小学校卒業後、大工や石炭工、塗装工などを転々とした変わりだねだが、ある意味天才だったのかも!
ともかく長く、複雑で、音楽の特徴を一言でいうことは不可能。
なんでもかんでもありの、寄せ鍋的な音楽とも聴こえる。
冒頭は、大河ドラマかよ、スピルバーグかよ、と思わせるようなJ・ウィリアムズのようなカッコイイ出だしに、おぉっ、と思わせたかと思うと、すぐに歌謡性ある旋律が現れる。
それはまさに英国音楽風のほのぼのムードで、私的には「待ってました」の一言。
これが第1楽章で、あとはもう、いろんな断片がモザイクのようにからみあう不思議な音楽で言葉にできませ~ん。
wikipediaの力を借りて、その構成を記すと・・・・。
オーケストラによる1~3楽章(40分)、合唱が加わる4楽章が「テ・デウム」(20分)、同じく合唱が中心の巨大な「クレド」が5楽章(15分)。そして独唱も参加する壮大な終楽章(36分)。
1~3楽章が第1部、ゲーテの「ファウスト」をモティーフとし、残りが信仰告白の第2部。
12世紀以降のゴシック様式にも感化されたブライアンは、以降もそれをイメージした音楽を書いている、ゴス・ロリおじさんなのだ。
テ・デウムなんて言って宗教的な固い雰囲気かと思うと全然違う。
オケはぐゎんぐゎん鳴りまくるし、合唱もこれでもかといわんばかりに咆哮する。
かと思うと、妖しげな異教徒の生贄の儀式を見つからないように影からこっそり見ちゃう風な音楽になったりする。
そして突然「スターウォーズ」の宇宙人が集う酒場の音楽みたいに軽薄な音楽がひゃらひゃら鳴ったりしちまうし・・・・。
そして最後は結構神妙な雰囲気で静か~に音楽を閉じる。
えぇっ?ほんとに終わりなの?まだなんかあんじゃないの?ってな気分。
日本でもお馴染みオンドレイ・レナルトさんは、すげぇ頑張った。
オケはスロヴァキアフィルだけど、それ風なところでは、英国ムードをよく出していて立派。合唱も独唱もごくろーさん。
あとにも先にも、これが唯一の音源となるでありましょうか?
初演者ボールト(!)の非正規音源があるという。
wikipediaによれば、この作品はR・シュトラウスに献呈されているとされるが、CD解説では、朋友の作曲家バントックと書いてあるように思える。
いやはや、疲れました。印象が一本化できませぬ。
今回は歌入り交響曲シリーズの一環でチャレンジしましたが、これにてご勘弁を。
もっともっと聴き込みが必要な作品ではあります。
それより、手持ちのほかの交響曲をあらためて聴いてみましょう。
旺盛な好奇心とおヒマをお持ちの方、是非お聴きください。
そしてご感想をお聞かせくださいませ。
そしてそして、トヨタさま、この曲に投資しませんか!
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コメント
こんばんは。これは存在はどこかで聞いたことありますね。でも曲は聴いたことないです。それにしてもなげーよ。でも聴いてみたいです。でもどうしようかな。ナクソスだったら安いからいいかな。(←迷)
投稿: naoping | 2008年10月 8日 (水) 19時48分
nopingさん、こんばんは。
ともかくなげーっす。
いやになるくらいで、途中で違う曲を聴いてる錯覚に陥るくらいの不思議ぶりですぞ。
居眠りしようが、トイレ行こうが、風呂入ろうがまだやってます的な交響曲。
一応、英国ものだし、迷わず買いましょうよ。(←勧誘)
投稿: yokochan | 2008年10月 8日 (水) 23時49分
はじめまして
じつは現代日本人作曲家の水野さんの作品で「交響的変容4部作」がありましてこれもいろいろな意味で凄いです
CDは作曲家さんのHPで交渉すると手にはいるらしいですよ
投稿: しゅうこう | 2019年8月16日 (金) 10時06分
しゅうこうさん、コメントどうもありがとうございます。
ブライアンの巨大なこの交響曲は、めったやたらと聴くことはできません。
数年前のpromsで取り上げられてましたが、日本では不可能でしょうね。
そして、水野さんの、「交響的変容4部作」ですか!
まったく存じあげませんでした。
ネット検索したら、もう、読んでておなかがいっぱいになるような、そんな途方もない作品ですね。
興味ありありですが、少し涼しくなったら挑戦してみたいと思います。
情報、ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2019年8月18日 (日) 16時18分