ドヴォルザーク チェロ協奏曲 シフ&プレヴィン
過ごしすくなったというよりは、めっきり涼しくなりました。
蕎麦屋へいくと、暖かい蕎麦が食べたくなる。
心にしみるほのぼのとした出汁の効いた汁をすすれば、誰しも「あぁ!」と一言もれる。
音楽も食も、本当にいい季節であります。
銀座「いけたに」の月見とろろそば。
ほどよく飲んで、蕎麦をたぐる。
最高であります。
今週は出張と飲みが重なり、連日、音楽を聴けない日々が続きちょいと音楽に飢えております。
そんな金曜、疲れた体と胃に優しい、和やかなドヴォルザークを聴こう。
ドヴォルザーク(1841~1904)のアメリカ時代の名作のひとつ、チェロ協奏曲は古今のチェロ協奏曲のなかでも最高の作品であろう。
チェロだけが突出するわけでもなく、オーケストラにも聴かせどころが多く、ソロとオケが拮抗している。
望郷の思いに浸ることも出来る懐かしい雰囲気もあるし、ボヘミアの土の香りもプンプンとする民族臭もたっぷり。
長い曲だけれど、誰もが愛着を感じる協奏曲であろう。
これから深まる秋の日にぴったり。
私も含めて愛好家のほとんどは、ロストロポーヴィチとカラヤンの雄弁かつ美しい演奏をお持ちであろう。それとノーブルなフルニエとセル。
今日はハインリヒ・シフとプレヴィン&ウィーンフィルの演奏を。
オーケストラも重要なこの曲。ウィーンフィルの録音って他にあったであろうか?
出だしからウィーンの魅力的な木管、ホルンの音色が威力を発揮する。
ベルリンフィルだと威圧的になってしまう部分も、マイルドで柔らかく感じる。
相性抜群のプレヴィンの指揮だけにそのチャーミングぶりには惚れ惚れとしてしまう。
最近は指揮者として活躍も目立つシフの2度目の録音は、ロストロさんのようなスケール感はないけれど、瑞々しくも流麗なチェロは、プレヴィンとウィーンフィルと音が見事に溶けあっていて、2楽章の掛け合いなどは極めて美しい。
オーストリアのチェリストとオーケストラによるこのドヴォルザークは、土臭さにはやや欠けるものの、適度な洗練されたムードがとてもよろしい。
ああ、いい気分。
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