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2008年10月22日 (水)

ワーグナー 「使徒の愛餐」 プラッソン指揮

1 高いところがダメな方は、ご遠慮ください。
東京タワーの上から下を望むの図であります。
東京タワーに行くと、昔風の土産物屋があって、みょうちくりんな外人向けのスーベニアが売っている一方で、今風のタワーのぬいぐるみや、お菓子など、なかなかに進化した部分も散見される。
フードコート風の飲食店もあるし、ガイドのおね~ちゃんもかわいいし・・・、で久しぶりに行くと結構楽しめちゃうのであります。
私の職場から毎日手に取るように見えてるけれど、いざ歩いて接近してゆくとなかなか近づかない。
やはり、でけぇーもんだ。
東京タワーも、今年半世紀目を迎える。おぉ、他人事じゃないねぇ~、あたしぁ三丁目の夕日おやじなんだわ。

Liebesmahl_der_apostel 怖いもの見たさじゃなくて、聴きたさで、この1曲。
ワーグナー好きとしては、こうした曲も外せない。

「使徒の愛餐」は、ドレスデンの歌劇場で活躍していた頃、1943年の作品で、オペラでは「タンホイザー」を書き始めたころのもの。

「男性合唱と大オーケストラのための聖書の情景」という副題がついた、その名のとおりの大合唱曲である。
誇大狂のワーグナーは、ドレスデンの合唱協会の仕事を受けたことをいいことに、ドイツでも前代未聞の合唱コンサートを企画することにした。
そこで考えられたのが、この作品で、キリストの12使徒への聖霊降臨の場面を描いている。CDの解説には1200人の合唱に100人のオーケストラと書いてあるが、本当だろうか?マーラー先取りの呆れたリヒャルトおじさんである。

26分あまりの曲だが、その3分の2は、合唱の力強いアカペラで、最後にオーケストラがジャジャ~んと登場して華々しいこととなる。
ワーグナー自身の詩によるその歌詞は、まわりくどいくらいに延々と続く弟子衆や使徒らのやりとりで、その言葉を噛みしめながら聴くのは、正直辛い作業である。
諸君、とか兄弟たちよ、とか出てくるものだから、後世の暗い歴史に利用されかねなかった雰囲気も漂う。
しかし、このチョイ苦痛状態も、天上からのイエスの声「安心するがよい、私は汝らの近くにおり、その魂は汝らとともにある・・・・」という天啓ともいえる合唱で解放される気分となり、ついで待ってましたとばかりに、オーケストラが低音からジワジワと湧き上がり(このあたりはローエングリンの登場を思わせる!)、歓喜に沸く合唱となる。
ここまでくれば、あとは前期ワーグナーの見事な手法に聴き手は手玉に取られたように乗せられてしまうわけだ!
最後は賑々しく、そして晴れ晴れしく、勝利の讃歌となる。

  ミシェル・プラッソン指揮 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
                  ドレスデン・フィルハーモニー合唱団
                  ウィーン学友協会合唱団
                  ウィーン室内合唱団
                      (96年 ドレスデン録音)

トゥールーズとイコールの関係にもイメージされる、プラッソンは一時ドレスデンフィルの音楽監督もつとめ、日本にも来たようだが、あまり長続きはしなかった。
私はこのCDと、リストの交響詩集を持っているが、明るくシンフォニックな音造りは、かつての東の渋いオケとはかけ離れたものに感じる。
このコンビで、ブラームスやブルックナーなどを残してくれればよかった。

当CDは、「ワーグナー秘曲集」とあって、「祝祭歌」、「ウェーバーの墓前で」、「葬送交響曲」などの珍しい曲も収録されているほか、「ファウスト」序曲、「ジークフリート牧歌」なども演奏されている。
こうした曲にまじって、ジークフリート牧歌を聴くと、我が家に帰ってきたように安心する。
まして、プラッソンの演奏が暖かくも艶やかなものだからなおさら。

2 おまけ画像

上から画像ばかりでなく、下からも覗きこみましょう。

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コメント

曲の説明文中、「使徒の愛餐」は1943年の作品とありますが、1843年の間違いではないでしょうか。
R.ワーグナーは1813年生まれで、1883年没しています。

投稿: yumotot | 2013年10月 4日 (金) 15時43分

yumototさん、ご指摘ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2013年10月 5日 (土) 23時40分

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