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2008年10月 8日 (水)

パトリシア・プティボン 「恋人たち」オペラアリア集

3 コスモス畑。
去年の写真であります。
関東以西ではこれからが本番。

山口百恵の「秋桜」が、親心を刺激するような年代になってきた。
さだまさしの作った名曲。
詩を読むだけで胸が熱くなっちまう。

そんな繊細な情感を歌いこんだ日本の歌をこの人が歌ったら、さぞや素晴らしいのだろうなぁ~

Petibon_amoureuses_dg 私の大好きなキュートなソプラノ、「パトリシア・プティボン」である。
2年前にその歌声を聴いて以来、すっかりノックアウトされてしまい、今年4月には念願の来日リサイタルにも接することができた。
 その時の嬉しさと感銘は、後述の過去記事リンクをご覧いただきたいところです。
実物の彼女は、プロとしてのサービス精神も往行で、清々しいくらいの明るさで聴衆をいとも簡単に虜にしてしまう魅力に満ち溢れていた。
歌の実力も並外れていて、表現の幅の大きいことといったらない。
人の心にすぅ~っと入り込んできて、時にさりげなく、時に大胆に、感動を植え付けてくれる。

その彼女が、DGの専属となり、来日直前の今年1月に録音した音源が早くも登場した!
しかも、相方が、これもDGの若きスター「ダニエル・ハーディング」指揮する「コンチェルト・ケルン」だからたまらない。
師クリスティの元を羽ばたいてのメジャー本格デビューは、「恋人たち」と題された、グルック、ハイドン、モーツァルトらのウィーン古典派作曲家のアリア集。

 ハイドン   「月の世界」
 モーツァルト コンサート・アリアK.418
 モーツァルト 「魔笛」 ~夜の女王のアリア
 モーツァルト 「フィガロの結婚」 ~バルバリーナのアリア
 モーツァルト 「フィガロの結婚」 ~恋人よ、早くここへ
 モーツァルト 「ルチオ・シルラ」 ~ああ、いとしい人の
 モーツァルト 「ルチオ・シルラ」~死のこの上い不吉な思いのうちに
 ハイドン    「薬剤師」
 グルック   「アルミード」
 ハイドン    「アルミーダ」
 グルック     「オルフェオのエウリディーチェ」
 ハイドン    「無人島」
 グルック      「トーリードのイフィジェニー」
 グルック    「アルミード」
 モーツァルト  「ツァイーデ」 虎よ!爪をひたすら磨きすまして
 グルック    「アルミード」

古典派に弱いワタクシには、モーツァルト以外は初めて聴く曲ばかり。
でもこれら初聴の音楽がまったくそれと感じさせないところが、パトリシアの素晴らしいところ。音楽は今生まれたばかりの活きの良さで、音符のひとつひとつがツヤツヤと輝き、弾んで聴こえる。
外盤ゆえどのようなシテュエーションでのアリアかわからないが、パトリシアの多感な歌声に聴いているだけで、手に汗握り、胸弾ませ、夢中になる思い。
「ツァイーデ」なんてすごいですよ!
 有名どころでは、耽美的なくらいに物思いに沈んだK418のアリアや、来日公演でも照明を落として連続して歌った「フィガロ」の揺れる女心(あたしゃオジサンだけど)の機微の素晴らしさ。夜の女王の音楽的な完璧さ。全然鼻につかないスマートな歌唱。

パトリシアの機敏な歌に完璧なまでに唱和している、ハーディングの指揮するオケの鮮やかさといったらない。

グルックとハイドンで、同じ題材のオペラを並べて取上げていて、その音楽が対比できるのも面白い。それを完璧なまでに歌いわけている聡明なパトリシア。
最初は、グルックもハイドンもみな同じに聴こえてしまう自分だったが、この二人の優れた音楽家の手にかかるとその違いがよくわかる。
ハイドンの遊び心もあるユニークさと、きっちりした古典的なフォルム。
グルックのシリアスさと、以外や大胆なリズムと予想外の節回し。
こうした音楽にこそ、クリスティ門下にあったパトリシアの本領発揮。

バロックから古典に対するいきいきとした大胆な歌唱。
ベルカントオペラ、ロマン派フランス音楽、後期ロマン派、それぞれを明快に歌いこなすパトリシア・プティボン。
メジャーと契約し、無理なレパートリー拡張をせずに、その素適な声をゆっくりと聴かせて欲しい。

最後のこのCDへ苦言。
最近はやりの一部紙製のケースで、環境的にもボリューム的にも支障なく受け入れるものだが、ぎちぎちのサイズのため、解説書を入れるところが裂けそう。
それに輸入盤には、無慈悲にも表紙にシールがしっかりと貼られていて無粋このうえない。実にけしからん。

そりゃそうと、パトリシア・プティボンの歌声が充分楽しめた1枚でした。
次はフランス歌曲やR・シュトラウスを録音してね。
そうそう、もう1枚とっておきのプティボンCDがあるのでした。近日公開。

 プティボンの過去記事

 デビューCD「フレンチタッチ」
 「バロックオペラアリア集」
 「来日公演2008年4月」①
 「来日公演2008年4月」②

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コメント

ご案内のCDはまだ購入しておりません。コンチェルト・ケルンも大好きなオケで、早く聴きたくなってきてしまいました。
プティボンは来年の10月にも来日がありますね。今度はどんなプログラムを聴かせてくれるのか本当に待ち遠しいです。

投稿: 白夜 | 2008年10月 9日 (木) 00時20分

白夜さま、コメントありがとうございます。
え、え!! 来年10月でございますね!
チケット争奪戦となりそうですが、そのすべてを聞き尽くそうと思います。それまで元気でいなくては(笑)

このCD、一昨日に店頭に並んだものホヤホヤです。
そしてその内容も実に新鮮なものでした。
是非お楽しみください。
情報もありがとうございました。

投稿: yokochan | 2008年10月 9日 (木) 00時32分

いつも、勉強させていただいています。申し訳ありませんが、共感するところが多大で、うれしいです。プチボン大ファンです。プチボンは今、絶頂期でしょうか。20年前のグルヴェローヴァのレベルにあるように思います。王子ホールよりオペラシティの方が声が滑らかに聞こえました。両方ともまん前のかぶりつきで聞きましたので、ホールの差かもしれません。王子ホールでは当方もサインいただきました。CDのブックレット5冊もっていきました。主催者のかたの目は厳しかったのですが、ニコニコサインしていただけました。オペラシティでは東京駅まで45分かかりますので、新幹線最終ギリギリでいつもサインもらえません。怪しいライブCD販売してましたので、当方も速攻で買いました。すぐ、廃盤になったようです。来年の争奪戦、全開でがんばります、また、申し訳ありません。

投稿: Mie | 2008年10月 9日 (木) 21時46分

Mieさま、コメントありがとうございます。
ご返事遅くなってしまいました。
勉強だなんて恐れ多いです。好き勝手、気ままになレパートリーばかりで恐縮してしまいます。

プティボンは本当に心惹かれますね。
グルベローヴァやデセイとも異なるユニークなソプラノとしての立場を確立していると思います。
あのサイン会でも主催者側の思いと裏腹に、写真はOK、サインもニコニコ、素適な彼女でしたね。
来年のチケットもお互い手を尽くしてGETしましょう!
ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2008年10月11日 (土) 22時51分

yokochanさん、
遅ればせながらプティボンの新アルバムを聴きました。いいですねっ。yokochanさんのベタ誉め記事に同じファンとして大いに共感を覚えます♪
願わくば、昨年の出産による中断でちょっと途切れてしまった映像や録音での露出をもっともっと増やしてもらいたいですね。

投稿: YASU47 | 2008年10月19日 (日) 00時38分

YASUさま、おはようございます。
プティボンですから、思わずベタ誉めです(笑)
美しくも正統派のアルバムに仕上がりましたね。
ヴァージンやデッカから超メジャーのDGに移籍したことで、今後がますます楽しみです。
先輩、デセイがママになってさらなる高みに達したことでもあり、プティボンのさらなる飛躍を映像や録音で楽しみたいものですね。
ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2008年10月19日 (日) 09時49分

昨日クラシカジャパンで見ました。R.シュトラウス「ばらの騎士」のゾフィー役。オクタヴィアンは、エリーナ・ガランチャが演じていて、圧巻。あのDVDがあれば、是非欲しい。

投稿: | 2011年10月 4日 (火) 10時11分

コメントありがとうございます。
プティボンはゾフィーをレパートリーにしておりますが、このところは歌ってなかったと思ってました。
ガランチャとの共演ということでしたら、最近のものなのでしょうね。
きっと映像化されるものと思います。
わたしも熱望します。

投稿: yokochan | 2011年10月 5日 (水) 08時00分

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