ブログ開設3年 ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」から ベーム指揮
2005年11月7日が初記事でありました。
今の世の中、変化が早く何が起きるかわからないから、3年前は大昔にも感じてしまう。
むしろ、30年前とか昔の方が最近のことのように思う私は歳を無駄に重ねてしまった証拠か・・・・、とほほ。
本記事で743本目。
別館の放置飲食ブログが、重複あるものの255本。
あわせて998本の記事。
今月節目の誕生日を迎えるまでに1000本記事は行けるかも。
我ながらよく続けられたもので、これも読んでいただける方々がいらっしゃるからであります。
感謝感謝、Danke schon!
写真は、仙台郊外の秋保大滝。
ブログを始めて、1枚のCDをよりじっくりと味わうようになった。
凡人ゆえ、おいそれと文章にならないのである。
それと、ますます好きな分野に特化していくようにもなった。
ブログ前なら、1日に何枚も聴くことが出来たけれど、今は1枚をじっくり聴く楽しみの方が勝るようになった。
これもブログのおかげかもしれないな。
一方で、雨あられのように発売される魅力的な音源・映像にも心が動き、ついつい購入してしまう。
未聴のCDや忘却買いのCDであふれかえった部屋は家族の苦情の元となりつつあり、そろそろ抜本策を打たねばならぬ状態。
悩ましい日々、されど楽しき音楽のある生活。
綱渡りの日々ではあるけれど、これからもこんな毎日が続行できることが幸せなのかもしれない。
またまた「トリスタンとイゾルデ」の登場であります。
記事にして、これで13度目。
「パルシファル」13本、「ばらの騎士」9本あたりが上位。
一番の最初の記事が、二期会の「さまよえるオランダ人」。
ブログタイトルの由来でもあり、ワーグナー信者としてのスタートに相応しかったから。
そして、今日はワーグナーの中でも1,2を争うほど好きなトリスタンを。
昨晩、美しいシェーンベルクを聴いたので、トリスタンの響きを確認してみたかった。
全部は聴けないから、抜粋して。
前奏曲~イゾルデのモノローグ~1幕幕切れ~2幕前奏曲~二重唱~マルケのモノローグ~2幕幕切れ~3幕前奏曲~トリスタンのモノローグ~愛の死
今年はトリスタンの当たり年だったかもしれない。
パリオペラ座公演、メットオペラビューイング、飯守シティフィル、そして今月、コウトN響の2幕ほかの演奏会。
いずれも観劇済み、または予定。ほんと、好きだねぇ。
私の初トリスタンは、カラヤンのレコードのFM放送録音で、初レコードはベームのDGバイロイトライブ。
中学生の頃、初オペラのレコードでもある。
5枚組9000円。
平塚のレコード屋さんの棚に鎮座しているのを始終目にして、「いつか買ったる!」との思いでいた。
小遣いを貯めて、ドキドキしながらこのレコードを棚から持ち上げた時の重量感といったらなかった。
そう、昔のレコードは重かったし、組物は装丁が超ゴージャスだったから。
そして、レジにもってゆくと、そのときの店員さんの驚きの表情といったらなかったな。
田舎の中坊が、こんなレコードを買おうとしてるんだもの。
その後に拝み倒して買ってもらった「ベームのリング」とともに、以来、擦り切れるほど聴いたこのトリスタンは、やはり私にとっての刷り込み演奏である。
レコードの5枚目のB面には、3幕のリハーサルが収録されていて、元気でおっかないベームの声が嬉しかった。
トリスタン:ウォルフガンク・ヴィントガッセン イゾルデ:ビルギット・ニルソン
マルケ王:マッティ・タルヴェラ ブランゲーネ:クリスタ・ルートヴィヒ
クルヴェナール:エーベルハルト・ヴェヒター メロート:クロード・ヒーター
牧童:エリヴィン・ヴォールハルト 舵取り:ゲルト・ニーンシュテット
水夫:ペーター・シュライアー
カール・ベーム指揮 バイロイト祝祭管弦楽団/合唱団
合唱指揮:ウィルヘルム・ピッツ
演出:ヴィーラント・ワーグナー
(1966.7@バイロイト)
ライブで燃焼しつくすベームの指揮、前奏曲からむせ返るような熱気に満ちている。
早いテンポは、のちのバーンスタインの超ねっとりテンポと双璧。
1幕最後のスリリングな高揚感は興奮を呼ぶ。
長大な愛の二重唱では、濃密ななかにも、ベームらしい透明感があって筆舌に尽くし難いほど美しい・・・。
ヴィーラントの演出、照明はこの音楽の時にどのようであったろうか!
ヴィントガッセンの長丁場をものともしない強靭な歌を支えるオーケストラ。
思い切り歓喜にむせび、悲嘆にくれる。
イゾルデの来訪への興奮と、見え隠れする船を見守り一喜一憂する場面。
飛ばし過ぎなくらいに凄まじい演奏。
最後は怜悧なニルソンの歌唱とともに浄化されつつ高みへ昇ってゆくベームの音楽。
やっぱり、私のトリスタンは、ベーム盤。
歌手も最高だし、録音も鮮烈。
昨今の演出優位のオペラではなく、大指揮者が要となっていた時代。
もちろん当時のバイロイトでは、兄ヴィーラントの理念が真っ先にあったわけだが、ベームこそヴィーラントの意向をもっとも体現した指揮者であった。
あとは、クリュイタンスとサヴァリッシュ。
さて、皆さん、これからも我が道を行きます。
どうそよろしくお願いします。
・今後のシリーズ特別予告
「ブルックナー&蕎麦」、「ショスタコーヴィチ交響曲全曲」、「V・ウィリアムズ交響曲全曲」、「ブリテン・オペラシリーズ」、「プッチーニ全集(あと少し)」
・トリスタン過去記事
大植バイロイト2005
アバドとベルリン・フィル
バーンスタインとバイエルン放送響
P・シュナイダー、バイロイト2006
カラヤン、バイロイト1952
カラヤンとベルリン・フィル
ラニクルズとBBC響
バレンボイムとベルリン国立歌劇場公演
レヴァインとメトロポリタン ライブビューイング
パッパーノとコヴェントガーデン
ビシュコフとパリ・オペラ座公演
飯守泰次郎と東京シティフィル
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コメント
yokochanさん、こんにちは!
ブログ開設3周年おめでとうございます!
それに相応しい演奏の選択ですね(^-^) ベームの「トリスタン」はクーベリックの「マイスタージンガー」とジュリーニの「リゴレット」と並ぶ、私にとってのオペラ3大録音です(≧∇≦)
私はブログをお休みして久しいですが、これからもyokochanさんのブログを楽しみにしています!!
投稿: Niklaus Vogel | 2008年11月 9日 (日) 15時05分
yokochan様今日は。開設3年おめでとうございます!
私も中学時代に乏しい小遣いを貯めてカルロスのトリスタンとショルティのヴァルキューレのCDを買ったものでした。あの時は戦艦を2隻持ったような気分でしたね(笑)演奏の好みが変わったのか最近はトリスタンも指環もベームがベストだと思うようになりました。指環はブーレーズのDVDも好きですが。
リヒャルト・シュトラウスのマイナーオペラを全部聴いておられる方はいないかと検索を続けて貴ブログにたどり着いたのが1年ほど前だったと記憶しております。yokochan様にシュトラウスオペラを愛する同胞と言っていただいたときは本当に嬉しかったです。これからも毎日拝読するつもりです。
投稿: 越後のオックス | 2008年11月 9日 (日) 15時24分
こんにちは。
開設3年おめでとうございます。僕はその半分にまだ届いていません。
オペラ等への語り口のうまさにいつも引き込まれながら読んでいます。これからも楽しみにしています。
投稿: よんちゃん | 2008年11月 9日 (日) 15時35分
3周年おめでとうございます。(あ、 Niklaus Vogelさんが来てる。お元気かしら~。たまにはウチにも寄って下さいよ~)
でも、何か3年って意外と・・・もっと長いような感じがしたので。それくらい記事が充実してらっしゃるってことですね。私は最近息切れ気味ですが、見習って頑張ります。
昔のオペラの全曲レコード、確かに重いですよね~。私の初めてのワーグナー全曲盤はクナのパルシファルでしたがさすがに重かったです。・・・って古いなあ。
投稿: naoping | 2008年11月 9日 (日) 16時03分
yokochanさま こんばんは
ブログ開設、3周年 おめでとうございます。
このブログからは色々な演奏などを教えてもらっていますし、観劇のレポも愉しく読ませていただいています。
私がオペラのLPを買ったのは、確か、バーンスタインの「薔薇の騎士」であったと思います。豪華なリブレットが入っていたのを今も覚えています。
ベームのヴァーグナーは、スッキリとしたテンポで、実にきびきびとしていて良いですよね〜。歌手も最高の布陣でしたよね〜。
ベームのヴァーグナーをLPで買ったのは「オランダ人」だったと思います〜。遠い昔ですが〜。
これからも、宜しくお願いいたします。
ミ(`w´彡)
投稿: rudolf2006 | 2008年11月 9日 (日) 17時58分
ブログ3周年おめでとうございます。
興味深い内容を引き込まれる文章で丁寧に書かれておられ、いつも楽しく拝読させて頂いております。
ところで、トリスタン大好きなオペラでベームが愛聴盤なのですが、所有しているのは話題に上らないフィリップス盤の方。グラモフォン盤は残念ながら持っておりませんorz
投稿: golf130 | 2008年11月 9日 (日) 19時21分
Niklaus Vogelさん!お久しゅうぶりでございます。
お休み中のこところコメント頂戴いたしましてありがとうございます。旧友にお会いしたような気分です!
ベームのトリスタンは、私にとって絶対的な存在です。
クーベリックのマイスタージンガー、ジュリーニのリゴレット、いやぁ、最高です。思っただけでワクワクしてしまいます。
CDで楽しむオペラ、やめられませんねぇ。
ブログ再開も毎度ですが、お待ちしております。
どうもありがとうございました。
投稿: yokochan | 2008年11月 9日 (日) 22時01分
越後のオックスさま、毎度ありがとうございます。
若い頃は音源を買うのにもままならかったですから、ましてオペラとなると勇気が必要でしたね。
ベームのワーグナーは私も故郷のような存在で、最近のマイスタジンガーの復刻等、まだまだ登場の可能性があり楽しみです。
シュトラウスのオペラは一部のみがモテはやさえますが、そのすべてを愛する私です。同じ気持ちの方がいらっしゃって、本当に心強いものがあります。
これからも、この路線で行きますので応援よろしくお願いします(笑)
投稿: yokochan | 2008年11月 9日 (日) 22時13分
ブログ3周年おめでとうございます。yokochanさんと初めてお会いしてから、もう5年になりますね。色々お世話になりまして、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。ところで、この曲はやはりベーム盤がまず最初に浮かびますよね。1968年頃、宝塚がこの曲を取り上げていた記憶がありますが、どんな舞台だったのか気になります(笑)
投稿: EINSATZ | 2008年11月 9日 (日) 22時14分
よんちゃんさま、こんばんは。
そしてコメントありがとうございます。
だらだら3年、なんだか生活の一部になってしまいました。
止められない楽しみと化しました(笑)
稚拙な文章ですが、お読みいただき感謝感激です。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: yokochan | 2008年11月 9日 (日) 22時19分
naopingさん、こんばんは。
自分でももっとやってるかと思いましたが、まだ3年でした。
こんなことしてていいのか?と思うこともありますが、音楽の楽しみ方のひとつでもあり、日々の楽しみともなりました。
Nikulaus Vogelさんもやたらに懐かしく感じてしまいますが、そんな昔でもないのですね。
本文でも書きましたが、世界はいろいろありすぎなのですよ!
最近はCDの氾濫のしすぎです。
もっと手にしてずっしりとする存在であった方が、大事に聴くと思います。
私も楽しみながらいきます。
naopingさんも、マイペースで楽しんで下さいね!
投稿: yokochan | 2008年11月 9日 (日) 22時26分
rudolfさま、こんばんは。コメントありがとうございます。
rudolfさんとは、好きな分野が同じで心強く思っております。
そして、毎日欠かさず朝に更新されていて、ほんとうに頭が下がる思いです。
バーンスタインのばらの騎士も豪華なレコードでした。
CD時代は、サイズもありますが、ちょっとチャチに感じますね。
ベームのワーグナーは、私のとってひとつの指標のような存在です。ローエングリンあたりのCD化を熱望してます。
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。
投稿: yokochan | 2008年11月 9日 (日) 23時26分
golf130さま、こちらにもありがとうございます。
ご覧いただき感謝感激であります。
稚拙な文章で、いつも絞り出すようにして、悩みながら書いているんですよ。
自分の思いを言葉にすることの難しさを痛感しております。
もっと簡潔にすることが今後の命題なんです。
貴ブログも拝読しております。
ベームのトリスタンのフィリップス盤は、DGとまったく同じ音源なんです。
フィリップス社が、バイロイト・ライブだけで、ワーグナー全集を企画した時に、貸し出された音源なんです。
逆に、今では貴重なものかもしれませんよ!!
投稿: yokochan | 2008年11月 9日 (日) 23時55分
EINSATZさん、こんばんは。
もう5年ですか。新地が懐かしいですよ。
一杯やったあとに、さらに飲みながら音楽が聴けるなんて、大阪出張の最大の楽しみでしたから。
ベームのトリスタンの威光は絶大であります。
大阪はトリスタン日本初演の地だと思いますが、宝塚でやったのですか?!
大いに興味が(?)あります・・・。
またどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: yokochan | 2008年11月10日 (月) 00時05分
こんばんは。
3周年おめでとうございます。
ワーグナーのオペラを数多く持っているわけではありませんが、ベームの「トリスタン」はCDで出てすぐ購入しました。
フルトヴェングラーやクライバーもいいものですが、このベーム盤は、歌手、合唱、オケそれぞれ揺るぎない強さがあって、これからも長く聴き続けてゆく演奏だと思います。
投稿: 吉田 | 2008年11月12日 (水) 21時31分
吉田さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
3日3月3年、それぞれ持てば大丈夫だといいます(笑)
ベームのトリスタンは、最初から最後まで緊迫した密度の濃さがあります。私も、それこそ死ぬまで聴いてゆきたいCDに思います!
投稿: yokochan | 2008年11月12日 (水) 22時23分