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2008年11月21日 (金)

マーラー 交響曲第2番「復活」 メータ指揮

1_2実は本日ワタクシ節目の誕生日であります。
若い頃から誕生日には仕事でろくなことがない。
今年も例外でなく、それに加えて周りを取り巻く環境の閉塞感たるやない!
子供の頃は、楽しいことばっかりだったもんだよ。
今の子供たちは、あんまり楽しそうじゃないし、彼らもそれを意識していないし。

でもですよ、私の楽しみは「音楽」にあります。
いくつになっても好きな音楽が聴ける喜び。きっと自分にどんなことが起こっても、この先音楽だけは聴いていると思う。
苦しいときも、悲しいときも、そして楽しいときも、音楽がそこにあった。
これからも音楽の神様、ミューズさま、どうぞよろしくお願いします。

こちらの画像は、名古屋駅のイルミネーション。かなり豪華です。写真撮りまくりです。
夜大好き、イルミネーション大好きのワタクシですから。
そして、酒の神、バッカスさま、これからもよろしくお願いします。
でもそろそろガタのきつつある体も気をつけなくては。皆さんもね。

Mahaler2_mehta

心残りの「歌入り交響曲シリーズ」。
シリーズ当初は、マーラー全曲を終えたばかりだったものだから、あえて省いたけれど、やはりマーラーさまを無視するわけにはいかない。
このシリーズを味わってみて痛感したのが、ベートーヴェンと、そしてマーラーの偉大さ。
マーラーはベルリオーズとはまた異なる次元で、ベートーヴェン後の交響曲の可能性を極めてしまった人に思う。
 それが職業作曲家オンリーではなく、有能な指揮者であり、卓越した劇場のオペレーターでもあったところがまたすごい。
 マーラーは、交響曲と歌曲、そしてオペラを一緒くたにして融合してしまった超人とも思っている。

そのマーラーの歌入り交響曲はここの記すまでもなく、2、3、4、8、大地の5曲。
そして本日はちょっと神妙な気分だから、交響曲第2番「復活」を聴いてみた。

この曲は、マーラーはおろか、あらゆる交響曲の中でも人気のトップクラスにあるであろう。演奏会で取り上げれば、必ず痺れるような感動を味わえるし、それは自宅でCDを聴いても同じこと。
今でこそCDでは、途方もないダイナミックレンジが収録されその再生も容易だけれど、レコード時代は、あまりの大音響に音割れ、へたすりゃ安物スピーカーがハウリングを起こし、音飛びまで危惧しなくてはならなかった思い出がある。
安物の装置でしか再生できなかったから、音響雑誌でみるシステムなどは夢のまた夢。
そんな安物装置の大敵でありながら、一方でうれしいくらいに良く鳴ってくれたのがロンドンレーベルのレコード。
メータの一連のマーラーもそのひとつであろうか。
私はこの演奏を手に入れたのはCD時代になってから。時を同じくして出たアバド&シカゴ響のレコードを先に買ってしまったからである。
このふたつの「復活」はまさに、マーラーの新時代の幕開けを飾った演奏なのだ!
バーンスタインやクレンペラーらの先達がマーラーとともに生きた演奏だったのにくらべ、アバドやメータ、そしてレヴァインは、マーラーを音楽史上の一人の作曲家として素直にとらえた純音楽的な演奏をおこなった。
そのアプローチは今でもマーラー演奏の根底となっていると思うし、様々な解釈を生む源流ともなったのだと思う。
ついでに書くと、ハイティンクは、バーンスタインと同時期にマーラーやブルックナーに熱中していったが、それはコンセルトヘボウとともに楽譜の忠実な再現という基本事項から、その独特の響きを熟成させていったといった、新時代的なマーラー演奏とも異なる次元の存在であったように思う。

今日のCDは、1枚に全曲がすっぽりと納まった徳用ぶり。
千人もそうだが、マーラーほどCDの恩恵を受けている作曲家はいないだろう。
81分あまりの収録で、音割れなどを気にせずに、メータウィーンフィルが作り出す、豊穣の響きに浸ることができる。
ここでのメータは、ともかく自然児のように、大らかにふるまっている。
メータ特有のグラマラスで肉太に響きは、ウィーンフィルの柔らかな音色で随分と緩和されている。鋭角的な指揮をするメータだが、出てくる音楽は角が取れていて、マイルドである。2楽章や3楽章ではそうした響きがとりわけ気持ちよい。
1楽章では、以外にテンポに緩急をつけていて、うごめき立ち上がる低弦は恐ろしく克明で不気味である。アバドの演奏では、この場面、ものすごいデリケートで逆な意味での無気味さがあった・・・・。
鋭さと繊細さのアバド、生々しさと柔和さのメータ、そんな「復活」の対比であろうか・・・。
 ルードヴィヒコトルバスの歌の素晴らしさは特筆もの。
そしてバラッチュ率いる国立歌劇場の言葉の意味をかみしめるかのような見事な合唱。
5楽章の「Bereite dich!」から俄然、音楽は熱を帯びてきて圧倒的なクライマックスに向けてひた走る。そのさまが実に気持ちがよろしい。そこに作為や思い入れがなく、音楽の発露であるところがメータやアバドのいいところだ。

それにしても、このころのデッカ録音は素晴らしく音がいい。1975年の録音で、ロケーションはゾフィエンザール、プロデューサー名にレイ・ミンシャル、エンジニアにジェイムス・ロック、コリン・ムアフット、ジャック・ロウといった、お馴染みの名前が書かれている。
聴き慣れたショルテイの「タンホイザー」や「パルシファル」と同じ響きをこの録音に聴くことも可能だ。

やっぱり、マーラーを取り上げてよかった。気分が少しは晴れ晴れとした。
あとふたつ、歌入り交響曲を補完します。

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コメント

yokochanさま お早うございます

一日遅れましたが〜。

お誕生日、おめでとうございます。
これからの一年も、幸多きことをお祈りしております。

マーラーの交響曲は仰るように、ベトベン、ベルリオーズの画期的な仕事を更に推し進めたものですよね〜。
メータ盤も、アバド盤もまだ聴いたことがありません。

私の世代だと、やはり、バーンスタイン、クーベリック、ショルティの演奏が忘れられませんね〜。

確かにマーラーはCD時代になってから、割と気軽に聴けるようになりましたよね〜。安くなりましたし〜。でも、意外に新譜が出ませんよね。それが少し寂しい気もしますね〜。

ミ(`w´彡)

投稿: rudolf2006 | 2008年11月22日 (土) 06時21分

お誕生日おめでとうございます。
実は来週が私も誕生日だったりするんですよね。
いつまでも音楽に触れていたい。私も同感であります。
メータのこの演奏。私も中学生時代に安物のラジカセで何度も聴きました。いい演奏ですね。第2楽章が特に大好きでした。

投稿: ピースうさぎ | 2008年11月22日 (土) 07時24分

rudolfさま、おはようございます。
コメントありがとうございます。
いやはや歳はもうこれ以上取りたくないものでございます(笑)

私も、マーラーはバーンスタイン、クーベリック、ショルティそしてワルターで始めて、アバド、メータに至り、テンシュテット、インバル、ハイティンク、ベルティーニ・・・、たくさんいますね、マーラー指揮者。
なんだかんだそれぞれの個性を楽しみました。
最近の録音って、おっしゃるようにあまりありませんね。

投稿: yokochan | 2008年11月22日 (土) 09時25分

ピースうさぎさんは来週ですか。
私の身の回りには、11月生まれがたくさんいて、私のことなど忘れられてしまうことが多いです(笑)

死ぬまで音楽を聴く覚悟であります!(笑)

メータの復活、私も2楽章のマイルドな雰囲気が好きですね。あと3楽章もいいです。
コメントどうもありがとうございました。

投稿: yokochan | 2008年11月22日 (土) 09時29分

遅ればせながらお誕生日おめでとうございます。これからもミューズとバッカスのご加護がyokochan様を支えてくださいますように!
 メータは復活を3回録音しており、2度目と3度目はイスラエルを指揮しています。ですが演奏も音質もウィーンフィルを指揮した1回目のが最高のようです。まさに復活演奏史上屈指の名盤。私が持っているメータ盤は2枚組でオマケに66年録音のリストの交響詩前奏曲が入っておりますが、それもパワフルで浪漫的な名演です。表紙の若き日のメータが私服姿で棒を振っている写真も最高にカッコイイです。豪快なショルティ&シカゴや淡白ですが説得力のある小澤&ボストンも好きですが、私にとって最高の復活は今でもこのメータ盤のようです。
 私も30代半ばで公私共に難しいことが多く戸惑ってばかりの毎日ですが、yokochan様のブログに来て軽妙で含蓄のある文章を拝読していると何時も気持が安らぎます。

投稿: 越後のオックス | 2008年11月22日 (土) 09時48分

birthdaywineimpactwine
(遅くてすいません)お誕生日おめでとうございます。

私は「復活」はメータ/VPO盤から入門しました。この演奏が今も一番しっくりきます。オケ、独唱ともベストですが、バラッチュ先生の合唱指揮がなんといっても素晴らしいです。

投稿: naoping | 2008年11月22日 (土) 14時45分

お誕生日おめでとうございます。
メータの少しあとにアバドが出たのでしたっけ。あの頃の新譜は魅力的でした。若いときに聴いたこともあり、どちらも記憶に残る演奏です。

投稿: 吉田 | 2008年11月22日 (土) 17時57分

越後のオックスさま、毎度ありがとうございます。
メータのイスラエルフィル盤はふたつもあるのですね。
メータは不思議と6番までしか演奏しませんね。
そして5番までを何度か録音してますが、それぞれ初回のデッカ盤の方が評判がよろしいようで、なんともです。

なんだか、お誉めいただき、くすぐったく存じます。
恐縮であります。そしていつも見ていただけるだけで、感謝感激です。
人生にはほんと、いろいろありますね~。
お父さん犬のように、屋台で「おやじ!がんも!」といってみたい気分ですねぇ(笑)
コメントありがとうございました。

投稿: yokochan | 2008年11月22日 (土) 23時59分

naopingさん、こんばんは、そしてありがとうございます!
時間よ止まれって感じです。
でも耳と胃腸だけは元気なもんで、親に感謝しなくちゃなんないです。健康じゃなくちゃ音楽聴いても楽しめないですもんね。

メータの復活のファンは多いです。オケがロスフィルだったらこんなに人気にならなかったかもしれません。
ピッツのあとのバイロイトの立役者、バラッチュの合唱の素晴らしさは、ほんと特質大ですね!!


投稿: yokochan | 2008年11月23日 (日) 00時06分

吉田さん、こんばんは。そしてありがとうございます。
思い出話のようになりますが、メータの方が早く発売されましたね。その後アバドが出て、それと前後してジュリーニの第9だったような記憶があります。
べームもカラヤンもバーンスタイン、ショルティもいて、小沢も溌剌としていた頃。いい時代でしたね~!

投稿: yokochan | 2008年11月23日 (日) 00時11分

これは懐かしい演奏ですね。長らくLPで聴いてきましたが、1枚もののCDが目に入ったので購入しました。LPでもイイ音でした。DECCAのLPは音が良かったです。
それにしても「復活」が1枚のCDに収まるんですから、スゴイ時代ですね。
演奏は、メータの全盛期、DECCAの優秀録音もあって、ホンマに素晴らしいものでした。コトルバスの歌唱もいいですし、ルートヴィッヒの歌は最高でした。この人のマーラーには、ハズレがありませんね。

投稿: mozart1889 | 2008年11月23日 (日) 09時10分

mozart1889さん、コメントありがとうございます。
私も1枚のCDに収まったものを聴きましたが、全曲を連続聴けるってのも価格的にもスゴイものがありますね。
レコード4面をとっかえひっかえしていたのが信じられません。二人の歌唱を含めて、復活の名録音ですね。
TBもありがとうございました。

投稿: yokochan | 2008年11月23日 (日) 21時13分

yokochanさん、遅ればせながらお誕生日おめでとうございます。実は私も同じく11月21日が誕生日なのです。びっくりです。ちなみに、ヴォルテールも11月21日生まれです。

私のマーラー開眼はやはりこの「復活」でした。小澤征爾氏が振っておられるのをテレビで観て感激、バーンスタイン盤をエアチェックして感激、ショルティ盤のカセットテープでまた感激。思い出深い曲です。一時期はショルティ盤のカセットを繰り返し繰り返し聴いていましたので、それ以外の演奏が分からなくなることもありました。メータのマーラーは残念ながら「巨人」を聴いたのみでした。記事を拝読して、これはメータ盤「復活」も聴いてみなければならぬ、と思いました。

投稿: Shushi | 2008年11月23日 (日) 22時05分

shushiさま、こちらの方こそ遅ればせながらおめでとうございます。いやはや、まったく奇遇ですね。
これで同じ誕生日の方に出会うのは3人目です。

私のマーラーも復活からでした。(たぶん)
今でこそ演奏会もCDも山のようにあふれてますが、私の聴きはじめの頃はバーンスタインにワルター、クーベリック、ショルティ、ハイティンクぐらいでした。
今や昔の話であります。
メータ盤、実に気持ちのよい演奏です。是非お聴き下さい。

投稿: yokochan | 2008年11月24日 (月) 01時06分

管理人さんこんばんは。
メ―タ―氏の復活は学生時代にfm東京のコマ―シャルに引き寄せられ、愛聴盤になりました。
歌・オケの首席の出来からして相変わらずトップクラスですね。


先にN響チャリティーコンサートでベト9をメ―タ―氏が振ってましたが、思わせぶりがなくシンプルで明快な棒でしたが音楽の流れも句読点がしっかりして、ある意味教科書的の演奏でした。
おそらく短いプロ―べで仕込んだ処やアンサンブルの急所には棒の拍のしばらく前に団員に気を送ってましたね。オケの出来も合唱も素晴らしい演奏でベテランプロの仕事でしたね。。

投稿: マイスターフォーク | 2011年5月 4日 (水) 18時35分

マイスターフォークさん、こんばんは。
メータの復活は、いまもってナンバーワンだと思います。
しかし、アバド好きのわたしは、同時期のアバド・シカゴ盤が最高の復活なのです。

でお、メータの眼光するどい切り口は、この時期、デッカに数々の名盤を築き上げてきましたね。

実演も何度かありますが、その指揮ぶりは、振りが鋭い一方、優しさも抜群でした。
N響のメンバーは、むかしからメータに心酔してました。
これを機に、定期的に登場して欲しいですね。
プレヴィンもそうでしたが、メータも雲の上の人ではないと思います。

投稿: yokochan | 2011年5月 4日 (水) 22時42分

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今日は懐かしい演奏であります。 マーラーの交響曲第2番ハ短調「復活」。 ズービン・メータ指揮ウィーン・フィルの演奏。 ソプラノはイレアナ・コトルバス、アルトはクリスタ・ルートヴィヒ。合唱はウィーン国立歌劇場合唱団。 1975年2月、ウィーンのソフィエンザールでの録音。DECCA原盤。 長い間、キング・レコード発売の2枚組のLPで聴いてきたが、先日、中古盤屋で1枚もののCDを見つけたので購入。 「DECCA Legends シリーズ」のもので、96kHz 24-bit リマスタリン... [続きを読む]

受信: 2008年11月23日 (日) 09時03分

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