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2008年11月22日 (土)

「ラバー・ソウル」 ザ・ビートルズ

2横浜に遊びにいってきました。
雑踏の西口で買い物をして、中華街で食事をして、みなとみらいのイルミネーションを楽しみ、ランドマークタワーに登りました。

さまよえる神奈川県人としては、おもに文教及び買い物で横浜には始終縁があったけれど、横浜博を経てからのこの街は、さらなる一大観光地となったと思う。
若い頃は、西口か伊勢佐木町、元町くらいしかなかった気もする。
横浜というイメージもあるが、首都圏という大消費地の真っ只中にあることで、徳している面もある。
でも東京とは明らかに異なる文化と、進取の気性、以外なディープさとあっさり感。
横浜は楽しい!

Rubber_soul 今日は久しぶりにビートルズ
第6作目のレコードで、1965年12月アビーロードスタジオでの録音。
その頃、そのスタジオでは、クレンペラーやバルビローリが指揮をしていたことを思うと、なんともビートルズが革新的に思えてくる。
今から、43年も前のこととはとうてい思えないが、メンバーのうち二人、ジョン・レノンとジョージ・ハリソンはもう物故してしまっているし、存命の二人も70歳に手が届こうとしているから、歴史的な存在になりつつある訳だ。
 ビートルズに熱中した私は、高校1年の頃にこのレコードを買った。
その時は、もうとっくに解散していたし、10年前の録音を聴いたわけだけれど、スピーカーから出てくる音は、少しデッドだったものの、左右の分離が鮮やかで、やたらにステレオ効果を狙った、とても新鮮な音だった。
昔話ばかりで恐縮してしまうが、子供時代、ステレオで左右で音が別れて聞こえるって、とても嬉しいことだった!

このアルバムには、超名曲は入っていないけれど、どの曲もある意味革新的で、いろんなアーティストに影響を与えたし、その後の数々のブームを作ったトレンドLPなのである。
そのトレンドとは、まずインドの楽器シタールの使用。
ポピュラー音楽にシタールを使ったのは彼らが初めて。
ジョージ・ハリソンがインド音楽に傾倒し、ラヴィ・シャンカールと交遊を深めた背景があって、以降ビートルズのLPには、ジョージのシタールをともなった作品が続出する。
それを受けてあらゆるジャンルにシタールは溶け込んでいったはずである!
 それと、ミッシェルにおけるシャンソンのようでジャジーな音楽。ロックグループがこんなにムーディかつブルーな音楽を歌うことじたいがすごいことだった。
しかも、サビはフランス語だし!
(ちなみに、ワタクシこの曲、カラオケの愛唱歌であります。唯一歌えるおフランス語にて)
さらに、バッハを思わせるクラシカルなフレーズも取り入れられた曲(イン・マイ・ライフ)などもあったりする。

こんな風に、一曲一曲が、実に綿密かつ精度が高いのがビートルズであり、レノン=マッカートニーと、一歩引きながらも抒情性に溢れたジョージや、ほのぼのリンゴのコンビネーションの圧倒的な素晴らしさなのである。まさに、モーツァルト!

 1..ドラ
イヴ・マイ・カー
 2.ノーウェジアン・ウッド(ノルウェーの森)
 3.ユー・ウォント・シー

 4.ひとりぼっちのあいつ
 5.嘘つき女
 6.愛のことば
 7.ミッシェル

 8.消えた恋
 9.ガール
10.君はいずこへ
11..イン・マイ・ライフ
12.ウェイト
13.恋をするなら
14.浮気娘

アコーステックギターとシタールが鳴り響く清涼なノーウェジアン・ウッド。
なんだか寂しいけれど勇気づけられる「ひとりぼっちのあいつ(Nowhere Man)」
愛こそ強しの「愛のことば(The Word)」
そして「ミッシェル(Michelle)」は、ポールの甘い歌声が冴えわたる、シャンソンのような一幅のラブソング。
美少女に翻弄され、悩ましいロリータソング「ガール」は、ジョンのひたむきさと怪しげな歌がとてもいい按配。
我が人生を語る趣きあふれる「イン・マイ・ライフ」は、真面目なジョンの歌で。中間部のバッハの平均律風な挿入部がうれしい。

いつまでも色あせないビートルズの音楽は、もはやクラシックの領域。
そして、私には大好きなイギリス音楽のひとつと認識。
イギリスはおいしい!

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コメント

こんにちは。
「ラバーソウル」名盤ですね。
個人的には「Magical Mystery Tour」が一番好きで、
次点がこれか「Revolver」か迷います。
もちろん「Sgt.Pepper's」も「Abbey Road」も大好きですが。。。

ビートルズは確かにすでにクラシックになってますね。
キング・クリムゾン、ピンク・フロイドあたりも
半分クラシックに足つっこんでるかもしれません。

投稿: 木曽のあばら屋 | 2008年11月23日 (日) 22時32分

ビートルズの中でも、特にポール・マッカートニーはクラシックに近い位置にいましたね。交響詩「スタンディング・ストーン」やオラトリオ「リヴァプール・オラトリオ」などの長大なクラシック作品があるのは、実にポールの音楽のボーダーレスな幅広さを感じます。「スタンディング~」の演奏者がローレンス・フォスター指揮ロンドン交響楽団というのが、またニクい(笑)

投稿: EINSATZ | 2008年11月23日 (日) 23時31分

木曽のあばら屋さま、こんばんは。コメントありがとうございいます。
「Magical Mystery Tour」、あのユニークなジャケットのLPもいいですね!
私も、「Revolver」がかなり好きですし、「White Album」も奥が深いと思ってます。
なんて言ってると、きりがないですね。

クリムゾン、ピンクフロイド、そしてイエスにツェッペリンなどなど、歴史にどんどん刻まれてゆく思いです。
またジャンルを超えて取り上げてみたいと思ってます。


投稿: yokochan | 2008年11月24日 (月) 01時22分

EINSATZさん、コメントありがとうございます。
ポールは、まさに作曲家マッカートニーですね。
オラトリオの一部を聴いたことがありますが、思いのほか本格的なのに驚きました。
交響詩は聞いたことがありませんが、フォスターとLSOですか。一度聴いてみたいものです。

投稿: yokochan | 2008年11月24日 (月) 01時35分

  yokochan様今晩は。
 ビートルズのオリジナルはあまり聴いたことがないのですが、キングズ・シンガーズが歌った「ビートルズ・コレクション」というアルバムを高校時代から愛聴しております。「Got to get you into my life」や「ペニー・レイン」それに「I wanna hold your hand」などが特に好きです。ビートルズの曲も素晴らしいのですがキングズ・シンガーズの歌唱力にも仰天させられるアルバムです。
yokochan様のブログを全部拝読しようと思っております。2006年の1月ごろまで読みました。やっぱり私みたいな若輩とは音楽を聴き取る力も、聴いておられる音楽の質量も全然段違いだなと思いながら拝読しています。

投稿: 越後のオックス | 2008年11月25日 (火) 19時03分

越後のオックスさま、毎度ありがとうございます。
なにをおっしゃいますか、私など偏った音楽のだらだら聴きで、反省すること日々しきりです。
こんな拙文をお読みいただき感謝しております。

キングズシンガーズは、英国歌曲のCDのみ持ってますが、確かにビートルズ・ソングズがありましたね。
レコ芸の宣伝を明確に覚えてます。
これもまた、私の好む英国音楽のジャンルなのです。
キングズシンガーズ盤、聴きましょう!

投稿: yokochan | 2008年11月25日 (火) 22時49分

こんばんは。過去の記事にすみません。このアルバム、味がありますよね。何故かセットで、ペルゴレージの『奥様女中』を聴いてしまいます、全然関係ないのに(笑)

“愛らしさ”と“親しみやすさ”が似ている気がいたします。ホッとしてグー!みたいな感じでしょうか。

投稿: Booty☆KETSU oh! ダンス | 2013年2月10日 (日) 23時42分

Booty☆KETSU oh! ダンスさん、こんにちは。
あらまぁ、不思議な取り合わせですね。

しばらく「ラバー・ソウル」を聴いてないのですが、久しぶりに聴きたくなります。
たしかに、独特の温かみを持ったユニークなビートルズの1枚ですね。

投稿: yokochan | 2013年2月13日 (水) 09時23分

度々申し訳ございません。“ラバーソウル”の、個人的“魂の兄弟盤”として、ビル・エヴァンスの“エクスプロレイションズ”も、入れたい処ではあります。ハイテンションの一発目でかまし、ラストで再びイタズラっぽく、ちょいと破綻してみせながらも、全体のトーンは静謐。

どちらも不思議といつまでも飽きのこない、非常に良く似た感触を持っている気が致します。ジャケットも不思議と似通っているような…

投稿: Booty☆KETSU oh! ダンス | 2013年4月19日 (金) 17時47分

Booty☆KETSU oh! ダンスさん、こんにちは。
ビル・エヴァンスのエクスプロレイションズは、持っておりませんで、聴いたことがないです。
静謐な世界となるとエヴァンスの独特の持ち味ですね。
歳kん遠ざかってましたので、今度手にいれたいと思います。
またひとつ、教えていただきました。

いまさらながらラバー・ソウルもいい1枚ですね。

投稿: yokochan | 2013年4月20日 (土) 15時04分

連投申し訳ございません。それは是非!

作品としての立ち位置も、次作の、余りのポピュラリティゆえに、表向きは(あくまで表向きですが)地味な存在をかこっている点で共通していると思います。

因みに、前述致しましたラストナンバーは、ボーナストラックではなく“sweet and lovely”を指しております

オリジナルも聴いてみたのですが、既にして、相当変わった楽曲ではありました。“これはいじりがいがある”と、エヴァンスも相当に好奇心を掻き立てられたんではないでしょうか。同作の中では、私の一押しでもあります。長々と、いらぬお節介を、どうかお許しくださいませ(笑)

投稿: Booty☆KETSU oh! ダンス | 2013年4月20日 (土) 20時16分

Booty☆KETSU oh! ダンスさん、こんばんは。
またまた遅延コメントすいません。
そうなんですよね、地味系ですが、滋味があるんですよね。(ダジャレじゃなくって)

そんな意味でも、ビルの方は是非にと思ってます。
なるほどの御教示、ありがとうございます。
いずれの日に、記事にしたいと思っております。

投稿: yokochan | 2013年4月24日 (水) 22時44分

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