サン=サーンス 「サムソンとデリラ」~バッカナール オーマンディ指揮
新年、新橋の居酒屋で食べた刺身の盛り合わせ。
いわゆる、「刺し盛り」でございます。
中トロ、鯛、生タコ、ぶり、ほたて、とり貝。
やたらにおいしい、海の宝石箱やぁ~
冬場のお刺身は、脂のり~の、たんぱく・さっぱり~ので、ともかくおいしい。
こんな厳しい時代、高いお金を出さずに、おいしいものはいくらでもあります。
一方、スーパーの刺身も目が肥えればいいものがしっかりあります。
中食・内食の時代、お父さんも、お母さんも、安くて、いいものをしっかり手配しましょう。
自分で、釣れるようになれば一番。
私の亡親父は、海に川に結構、調達してきました。
今日は、おいしい刺し盛りのような1枚を。
オーマンディとフィラデルフィアのコンビによる、オーケストラ名曲集をば。
CDタイトルは「ファンタステック フィラデルフィア」。
70年代前半にRCAに録音されたオーケストラ・ピースをしっかりと集めたもので、全部で11曲。
学校の音楽で習う通俗曲ばかりでなく、クラシックファンをもうならせる、なかなかの選曲になっていて、私は曲名をブラインドで聴いたが、おぉ、そう来たかとか、なるほどねぇ~とか、ぶつくさ言いながら、おおいに楽しんだ1枚であります。
①サン=サーンス 「死の舞踏」
②デュカス 「魔法使いの弟子」
③シャブリエ 「スペイン」
④ムソルグスキー 「はげ山の一夜」
⑤スメタナ 「売られた花嫁」~道化の踊り
⑥サン=サーンス 「サムソンとデリラ」~バッカナール
⑦ポンキエッリ 「ジョコンダ」~時の踊り
⑧ブラームス ハンガリー舞曲第5番
⑨グリエール 「赤いケシ」~ロシアの水兵の踊り
⑩ファリャ 「三角帽子」~火祭りの踊り
⑪カバレフスキー 「道化師」~ギャロップ
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
こんな構成のCDを、いまどきあらたに発売しても、きっと売れやしないだろう。
そもそも、有名なオーケストラ・ピースを真剣に演奏する指揮者もカラヤンとマリナー以来、絶えてしまったし、そんなCDを作ろうとするレーベルもなくなってしまった。
これも時代なのだろうか?
ここにあげた名曲たちは、「いにしえ」の名曲なのであろうか?
今の若い方々は、何を聴いてクラシック音楽に入ってくるのかしら。
新世界や運命、田園、第九は一部変わらないとは思うけれど、私のような世代では考えようもない、マーラーやブルックナーを普通に聴いてスタートしておられる方もいるのではないでしょうか?
音楽を享受するメディアの進化によって、そしてオーケストラの技量の進化によって、名曲の尺度が変わってきたように思われてならない。
だからこそ、カラヤンやオーマンディ、マリナーらが振ったオーケストラ名曲集を、時にはゆったりと聴いていただきたい。
自分こそ、日頃、しんねりむっつりと、大曲やオペラを一人楽しんでいるけれど、子供たちと、こうした名曲をああでもない、こうでもないと聴いてみるべきかもしれない。
殺伐とした時代に、明るい家庭を音楽から・・・・。
それにしても、オーマンディとフィラデルフィアの屈託なくも名技性に富んだ演奏は、何も考えることなく、普通によろしい。
どうしても、オペラ好きなものだから、この中では「サムソンとデリラ」と「ジョコンダ」がバレエ音楽ながら劇中のものとして、とてもうれしく、そして一人盛りあがった
あと、これまた、古風なる運動会ミュージックの⑪も
やっぱり、こんな味のあるCDを制作できるレーベルや、演奏家は、今やどこにもないなぁ~
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コメント
yokochanさま お早うございます
美味しそうな刺身の盛り合わせですね〜
何とはなしに懐かしい感じがします〜。
オーマンディ・フィラデルフィアのこのCD
もうこういった企画ものは出てこないでしょうね〜
アメリカでも有名オケストラのCDが発売されていませんよね〜。カラヤン、オーマンディは良い時代に生まれていたのかもしれませんね〜。
この演奏を聴くと、フィラデルフィアは管も弦も上手いですよね〜。
ミ(`w´彡)
投稿: rudolf2006 | 2009年1月22日 (木) 06時16分
yokochah様お早うございます。
カラヤン、オーマンディ、マリナー、それにニューヨーク時代のバーンスタインでしょうか。こういう企画に熱心に取り組んでいたのは。レニーは欧州に活動の拠点を移してからはこういうアルバムは作らなくなったように思います。私よりも若いクラシックファンはブルックナー・マーラーの大曲や古楽器のバロック古典派を聴いて自己形成していますから、カバレフスキーやグリエールなんて下手すると知らないかもしれません。私もナクソスが存在しなかったら彼らの曲を聴かなかったかもしれません。サムソンとデリラのバッカナールは私はデュトワ&モントリールの演奏が好きです。フランス音楽の楽しい小品ばかりを収めたアルバムに入っているやつです。
投稿: 越後のオックス | 2009年1月23日 (金) 09時28分
rudolfさま、こんばんは。
おいしいお刺身に、名曲集。うれしい取り合わせでした。
オーマンディとカラヤン、たしかに、いい時代だったのでしょうね。
レコードでの印象は少しキラキラしていたのに、CDではかなり落ち着いた雰囲気で、極めて音楽的に感じましたし、オケの抜群のうまさも実感できました。
古いレコ芸で、このコンビの来日公演の曲目を見たことがりますが、今では考えられないほどの大盛り演奏会のようですね~。すごいです。
投稿: yokochan | 2009年1月23日 (金) 22時22分
越後のオックスさま、こんばんは。
そう、レニーもですよね。
ともかくこうしたアルバムはかつてはよく売れたのです。
カバレフスキーやグリエール、ハチャトリアンなども今やマーラーやブルックナー、ショスタコの名前に隠れてしまった存在となってしまいました。
このバッカナールは、バーンスタインも録音してますね。
英国BBCのクラシックFMでは、リスナーリクエストで、四六時中かかってます。
投稿: yokochan | 2009年1月23日 (金) 22時27分