レスピーギ 交響詩「ローマの祭」 シノーポリ指揮
川崎大師の参道の仲見世の様子。
左右いっぱいに立ち並ぶ商店。
飴屋、葛餅屋、だるま屋、せんべい屋、漬物屋、蕎麦屋・・・・。
それを冷やかしつつ練り歩く。
こりゃ、日本のカーニヴァルだね。
正月の神社仏閣は、景気はともかくお祭り状態なんだ。
そして音楽でカーニヴァル状態のものは、レスピーギの「ローマの祭」。
これ、ワタクシ大好きなんざます。
「ローマの松」もそうだがともかく、オーケストラがよく鳴る。
3部作のうち、一番最後(1928年)に書かれただけあって「祭」の方が多彩な表現に満ちており、R・シュトラウスばりの熟練のオーケストレーション技法がバリバリに楽しめる。
プッチーニの20年後輩だが、オペラに向かわずにオーケストラ作品や素敵な歌曲に桂曲を残したレスピーギ。
それでもオペラ作品もあるようなので、聴いてみたいと日頃思っている。
以前のヤンソンス盤の記事から再褐。
①いきなり金管の大咆哮で始まる「チルリェンセス」はローマ時代の暴君の元にあった異次元ワールドの表出。
②キリスト教社会が確立し、巡礼で人々はローマを目指し、ローマの街並を見出した巡礼者たちが喜びに沸く「五十年祭」。
③ルネサンス期、人々は自由を謳歌し、リュートをかき鳴らし、歌に芸術に酔いしれる「十月祭」。
④手回しオルガン、酒に酔った人々、けたたましい騒音とともに人々は熱狂する。キリストの降誕を祝う「主顕祭」はさながらレスピーギが現実として耳にした1928年頃の祭の様子。
①の不協和音が乱れ飛ぶかのようなカオスの世界、ジワジワと祈りが浸透しつつ美しい広がりを見せる②、まさに自由だ!的な③は、イタリアの歌心満載。
そして、だまっていてもすさまじい④で逝っちゃってクダサイ。
シノーポリは、かつてトスカニーニが指揮して初演した同じニューヨークフィルを時に抑制しつつも、巨大な音塊を引き出している。
オケのうまさはすさまじいものがあるが、抒情的な祈りや雰囲気豊かなリュートの歌の部分に緻密な歌心を感じさせてくれる。
最後の乱痴気騒ぎは、堂々たるテンポ設定で、わくわくしながら聴く私を大いに盛り上げてくれた。
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コメント
yokochanさん、こんにちは!
「シノーポリ特集」、やっと最後にて私の知る録音が登場しました(^-^)
レスピーギがR・シュトラウスから影響を受けたということを、最も窺える「ローマ三部作」の演奏がこの録音のような気がします。
そういえばシノーポリ&NYPにはシュトラウスの録音もありましたよね?!
投稿: Niklaus Vogel | 2009年1月 6日 (火) 08時50分
Niklaus Vogelさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
シノーポリ特集、やる気はなかったのですが、次々に思いついて特集となってしまいました。
こうしてみると、やはり後期ロマン派以降がお得意の人でしした。
このレスピーギはご指摘のとおり、R・シュトラウスの影を感じることができますね。
NYPOとは、ツァラトストラを入れてました。
ローマ三部作、続けますね。
投稿: yokochan | 2009年1月 7日 (水) 00時42分