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2009年1月28日 (水)

ハウェルズ 「ヴァイオリン・ソナタ」 バリット

15 タンポポ咲いてました。

「ダンデライオン」といえば、松任谷由美。
そのサブタイトルは、「遅咲きのたんぽぽ」
でも、こちらは早咲きのたんぽぽ。
この花の生命力はすごいもんだ。
気がつくと1年中、どっかで咲いている。
私は、花びらがライオンのたてがみに似ているから、こんな英名が付いているのかと思っていたら、そのギザギザ葉っぱが、牙にたとえられたそうな。
ふぅ~ん、って感じだけど、ユーミンの歌は懐かしいですな。
ここで聴いてみてくださいまし。
かつていた会社の後輩の女性がなぜか、ユーミンを知っていて、電話で話したりしていて、その声や話しぶりをちょいと聴いたことがる。
一本、筋の通った凛々しさをその声に感じた記憶があります。
OLさまの心を鷲づかみにしたユーミンは、男のあたしでも憧れですねぇ。

Howells_vln_sonata ハウェルズ(1892~1983)は、私のフェイヴァリット英国作曲家。
つい最近まで、存命だったとは思えない保守的な作曲家だが、V・ウィリアムズやフィンジの流れをくむ抒情派で、かつエルガーにも心酔し、教会音楽にも特化した英国紳士である。

ちなみに、Howells、私のようにハウェルズとするか、ハウエルズとするか、はたまたハゥエルズと読むか。難しいものである。

先にこの人は、抒情派と書いたが、その音楽はほんと、どこまでも旋律的で、歌心に溢れたものである。だが、そのメロディは常に哀愁をおびていて、はかなげで、かつ寂しげ。
そう、フィンジとまさに同じ香りがする。
 二人に共通するのは、肉親の死が重くのしかかっていること。
父と兄弟、音楽の師を失ったフィンジ。
ハウェルズは、最愛の息子を失ってしまった。
同時に、父親の破産で、故郷を去らなくてはならなかったゆえに周囲に過敏になってしまった。
このふたつの大きな出来事が、ハウェルズを深淵な宗教作品に向かわせた。
楽園讃歌、スターバトマテル、ミサ、レクイエム、オルガン曲など。
それまでは、器楽曲やオーケストラ作品をたくさん書いていたのに。

今回の3曲あるヴァイオリン・ソナタや小品は、先にあげた事件前の作品である。
いずれも、のびやかで田園的な桂曲で、とても親しみある旋律が溢れている。
でも、やはりハウェルズの音楽は、どこか寂しげで、メロディアスな場面でも急に立ち止まってしまい、思索に耽ってしまう。
常に儚さと懐かしさが支配する、わたしにとって「ふるさと」のような音楽なのだ。

後年の、事件後の作品は、その悲劇の度合がきわめて強く、聴いていて心が張り裂けそうな局面がある。でもその根底には、前期作品における特徴がしっかりと受け次がれているから、どこか田園情緒に満ちた懐かしさがあるのである。

こんなハウェルズを、疲れ切った晩にひとり静かに聴くとき、いつ知れず、優しい気分に満たされ、人にも優しくありたいと思うようになる。
いい音楽であります。

 ヴァイオリン・ソナタ第1番(1917~19)
    〃       第2番(1917)
    〃       第3番(1923)
 「揺りかごの歌」
 3つの小品

    ヴァイオリン:ポール・バリット
    ピアノ     :カスリーン・エドヮルズ

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コメント

楽園への讃歌以外の曲を聴いたことが無かったので、ぜひ聴いてみたいとおもいます。はまりそうな予感がします。

投稿: ナンナン | 2009年1月29日 (木) 02時41分

ナンナンさま、こんばんは。
コメントありがとうございまいした。
「楽園讃歌」をお聴きでしたら、そのテイストさながらに、プラス田園風のこのソナタ、お気に召していただけると存じます。
ハウェルズは、大好きですので、これからもご紹介していきたいと思います。

投稿: yokochan | 2009年1月29日 (木) 23時10分

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