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2009年1月 8日 (木)

レスピーギ 交響詩「ローマの噴水」 デュトワ指揮

7 実家の庭になっていた夏ミカンと、手前がネーブル。

夏ミカンは、夏じゃなくて、秋に濃い緑の実がなって、冬に黄色くなってゆく。
2月頃がもぎ頃。
我が家のネーブルは、ちょうど今が食べごろで、大量に収穫されました。
こいつがまた、すごーく甘いのであります。フフッ

Respigi_dutoit

レスピーギの「ローマ三部作」、最初に書かれたのが「ローマの噴水」で1916年、次いで「松」が1924年、「祭り」は1928年という具合で、それぞれ年代に開きある。
それを反映して、「祭り」は大胆な和声と円熟の筆致が際立つ一方、「噴水」は、文字通り瑞々しく新鮮な感性が際立っているように感じる。

ほかの2作のように、華々しいフィナーレがあるわけでないから、コンサートでも最初か中間の、手馴らし的な存在として演奏されるようだ。
 でも、ここにある抒情的で、かつキラキラしたムードは捨てがたい魅力を放っていると思う。

ローマにある有名な4つの噴水をそれぞれが最も美しく映える時間をイメージして、描かれている。

①「夜明けのジュリアの谷の噴水」朝が来る前の曖昧な雰囲気のなか牧歌的なムードも漂う。
②「朝のトリトンの噴水」ナイアディスとトリトンが朝の眩しい日差しの中で踊る。ホルンは明るく響き、ピアノや打楽器が舞い踊るように活躍する。
③「昼のトレヴィの噴水」ついに日は高く昇った昼。ネプチューンの勝利の凱旋。この曲最高のフォルテが聴かれるまで大いに盛り上がってゆく。この場面、「アルプス交響曲」をいつも思ってしまうのは、私だけ?
④「黄昏のメディチ荘の噴水」夕暮れを迎え、夕焼けは徐々に夜へと変わってゆく。

全編に漂う幻想的なムードは、この曲の最大の魅力。
①と④を聴き、まだ見ぬひと気のないローマの朝靄や夜霧を思うのもいい。
キラキラ輝く②トリトンの泉に目を細めるのもよろしい。
そして、③活気ある観光地トレヴィで、コインを投げ入れ、そして噴水の水飛沫を思い切り浴びちゃってください

デュトワモントリオール交響楽団の面目躍如たる鮮やかさ。
爽快で聴かせどころもしっかり押さえた名演奏が、デッカの明晰な録音によってまた映える。往年のアンセルメ路線をしっかり受け継いだこのコンビ、最良の頃の録音は82年。
フィラデルフィアで、もうひと花咲かせるか、デュトワさん。

 

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