チャイコフスキー 幻想序曲「ロメオとジュリエット」 アメリカ7大オケ
今日はバレンタインデー。
私のような、おじさんにはまったく関係のない日だけれど・・・・。
ファルスタッフのように、「おれだってっ若いときゃ・・・」と歌いたくなりますぜ。
ははっ。しっかし、昨日は、13日の金曜日。
ジェイソン君も微笑む日だったのであります。
まぁ、関係ないけど。
こちらの二つの写真は、山の斜面にある巨大な「恋文」、いや「ラブレター」。
遠いものだから、アップで撮ってみました。
神奈川県の藤野町の国道20号線(甲州街道)から見えます。
なんでも、造園会社が造ったらしいです。
ばかばかしいけど、いいでしょ
ばかばかしさついでに、本日は愛の名曲、チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」を、アメリカの7大メジャーオケで聴いてしまおう企画なのであります。
こんな、おバカな企てをどうかお許しください。
指揮者の重複はあるものの、たまたま、アメリカオケでそろっていたし、シカゴの超優秀・高性能ぶりを真近に見せつけられたばかりなので。
①シカゴ交響楽団 アバド指揮
②クリーヴランド管弦楽団 シャイー指揮
③フィラデルフィア管弦楽団 ムーティ指揮
④ボストン交響楽団 アバド指揮
⑤ニューヨークフィル バーンスタイン指揮
⑥ロサンゼルスフィル メータ指揮
⑦サンフランシスコ交響楽団 小沢指揮
なかなかの愛読家だったチャイコフスキーは、シェイクスピアを愛し、その作品にちなんだ音楽をかなり書いているが、この「ロメオとジュリエット」が一番有名で、20分足らずのなかに、原作のストーリーとは必ずしも忠実ではないものの、愛のシーンや、争いのシーンなどをしっかり盛り込み、起伏に富んだ素晴らしい作品にできあがっている
ロメ・ジュリを素材にした音楽作品は、ベルリオーズ、べルリーニ、グノー、プロコフィエフ、ディーリアス、バーンスタインなどなど、多々あるが、一番簡潔で演奏効果もあがる名曲ではないかしら。
7大オケを勝手に順位付けしてみたけど、①以外は順位不明で、もしかしたら、デトロイトやシンシナシティ、ミネソタ、セントルイスなどが来てもおかしくない。
ビッグ7に加えて、これらを入れて「エリート・イレブン」なんてサッカーみたいな呼び方もかつてはあったように記憶します。
①シカゴは、ショルティやバレンボイムとも録音があるが、手元にはアバドのCBS盤のみ。克明・緻密なアンサンブルには驚きを禁じえない。でもアバドの歌心溢れる指揮が、固さや冷たさから救っていて、オペラティックな雰囲気さえも漂う。ただ録音に潤いが・・・。
②クリーヴランドのスリムでしなやかなアンサンブルが、優秀なデッカ録音のもとでリアルに眼前に迫ってくる。シャイーの一直線な指揮ぶりも好ましく、佐々木小次郎みたい。
③フィラデルフィアはやはりうまい。役者が違う。でもオーマンディのような普遍性の美しさがムーティにはなく、力技の巧さが鼻につく。でも、歌に満ち満ちていて、歌とドラマの結びつき方が絶品。EMIでなくフィリップスだったらよかったのに。
④ボストン響は、やはりどう聴いてもヨーロッパ・トーンを持っている。
RCAから移籍して、DGに録音し始めた頃だから、よけいにそうした雰囲気があるし、若きアバドの情熱と歌に充ち溢れる指揮にまともに応えてしまった気迫に満ちたライブ感が、どうしようもなく素晴らしい。録音も含めていまでも色あせない、私にとってのアバドとの出会いを記念する超名演なんだ。
⑤ニューヨークフィルは、バーンスタインで。後年のDGの悠揚迫らざる演奏ではなく、若きCBS盤にて。こちらはちょっと勢いで押してしまったような演奏で、ニューヨークフィルも荒っぽい。でも聴いていて手に汗的な面白さがあるのも事実。
⑥ロスフィルは、落ち着いたプレヴィン盤もあるが、こちらも若きメータ盤。
ロスフィル時代の典型ともいえるスピード感とバリバリのかっこよさ。闘争の場のダイナミックな描き方は、これらの演奏のなかでも随一だし、反面、愛の場面のロマンテックなことといったらないっす。
⑦サンフランシスコ時代の小沢の代表盤は、これら個性派からすると大人しい。
思いのほかまっとうで真面目。フレーズもきっちり押さえていて、無用な色付けもなく、あっさりとさわやか。オケのアンサンブルにやや難ありと思われるが、日本人の感性としてはすんなりと受け入れられる愛の音楽で、結構好き。
以上でございます。
で、私の一番は、アバド&ボストンです。
後年のベルリンとの3度目の録音も含め、一番好きな演奏なのです。
というわけで、私には関係ないけど、ハッピー・バレンタイン
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コメント
こんばんは。
バレンタインデーに素敵な選曲でいらっしゃいます。
アバドがお好きなようなのでムーティの名前が出ていたのには驚きでした。
わたくしの知る方たちでアバド好きはムーティ嫌いが多いのですがわたくしはどちらも好きです。
ベームが連れて来た(?)ムーティに一目惚れし、彼のチャイコフスキーやベートーベンを聴きたいなと思っていた遠い昔を思い出しました。
投稿: moli | 2009年2月15日 (日) 21時59分
moloさま、こんばんは。コメントありがとうございます。
アバドの方がやはり好きではかなり上ですけど、ムーティも嫌いじゃありません。
最近は、ふたりとも心を通じ合わせているようでうれしいかぎりです。
ムーティの初来日。ベームの抽選に漏れてやむなく、ムーテーの新世界をNHKホールで聴きました。
アンコールの「運命の力」にノックアウトされました。
若獅子とか言われて、かっこいい指揮でしたねぇ。
投稿: yokochan | 2009年2月15日 (日) 23時24分