ショスタコーヴィチ 交響曲第6番 ムラヴィンスキー指揮
本当に久方ぶりに大阪へ行ってまいった。
仕事半分、旧交を暖め半分。
ズバリ飲み過ぎ。
大阪が本部の先進国首脳猥談に出席するという重大なミッションを従えて、雪の彦根から大阪入りをした私を待ち受けていたものは、巨大なソーセージであった。
そのとてつもないロングな攻撃と、食器が飛び散るイケメン攻撃とインド方式に一関東人は平伏すのみ。
(わかんねぇだろうな・・・)
お初天神通りに本店を構える「ニューミュンヘン」はいいかにもドイツっぽい雰囲気のビアホール。
でもその楽しいメニューやスタッフ~たちは、あまりにもその雰囲気から遠いざます。
そこで熱燗を飲む私たちも、全油種カヴァーの多国籍軍であった(後半に続く)
どっこい忘れちゃいないぜショスタコーヴィチ・交響曲シリーズ。
第5番の成功で、一連の批判を払拭し、さらにソ連音楽界の期待を一身に受けることとなったショスタコーヴィチ。
当然のことながら、次の6番に対する期待も大きく、レーニン交響曲を作るとも宣伝されたりもしたし、自らも表明していた。でもこのあたりは例によって不明なのだ。
そして出てきた交響曲第6番は、大作を待ち望んだ人々をあっけなく裏切るユニークな作品であった。このあたりが、ショスタコの愉快なところであり、何を考えていたか、とらえどころのないところ。
全3楽章は、「序・破・急」ともとれる構成で、テンポが曲の進行とともに増してゆく。
Ⅰ「ラルゴ」→Ⅱ「アレグロ」→Ⅲ「プレスト」と、こんな感じなんだ。
要は、第1楽章がない交響曲。
悲劇性と抒情のおりなす長大な1楽章がかなり深みのある音楽で、ここをいかに深淵たる演奏にするかによって、バランスの悪い残りふたつの楽章が生きてくる。
スケルツォのような明るさとシニカルさがミックスした2楽章。
聴いていて、ばかだね~、なんて思ってしまうくらいの乱痴気ぶりの3楽章。
30分ちょいの、短さもうれしい。
この6番が結構好きなのである。
春、喜悦、青春といった気分が伝わるように書いたとされる。
1939年のこの曲の初演者、ムラヴィンスキーとレニングラードフィルの演奏は72年のライブ。
このコンビのイメージ通りの緊張感と冷徹さ、そしてスピード感に満ちあふれた、おっそろしい演奏。
その完璧ぶりは、何事にも動ぜず、ムラヴィンスキーの微細な動きのタクトに全楽員がまんじりともせずに集中し、右向け右・・・的に、号令いっか、その指示に従っているかの感があり。
色はないけれど、これはこれで、ここまでやられちゃうと快感ではありますな。 あともうひとつ、ムラヴィンスキーには65年の同じモスクワ音楽院ライブがあって、そちらはレコードでずっと聴いてきた。
カップリングのオネゲルとともに、そちらの方が先鋭で録音もいいような気がする。
このコンビは、学生時代に一度聴いたことがある。
シベリウスのトォウネラと7番、チャイコフスキー5番というすげぇプログラムで、NHKホールの隅々にまで音が鳴り響き、かつ繊細なすんばらしい演奏であった。
そして指揮者は、ホントおっかなそうなムード満点で、懐から武器でも取り出すのではないかと思われた。
大阪で楽しんだ翌日、いつもお世話になっている、関東理事の方が来阪されるとの報に、私の中の悪魔が目覚め、もう一泊することに
ところが久方ぶりの大阪に、昼から食事をご馳走になりワインまで飲んでしまう。
さらに夕方、お会いした仕事仲間の方々に、せっかくだからということで、飲み行きましょうということになり、4時半から阪急のガード下に突撃。
この方々には、かつて十三のディープエリアに連れ込まれた経験があり、警戒していたが、今宵は、7時からの猥談理事会があって猛追を押しやることができた。
そこそこ飲んで、再びお初天神通りへ。
ナイスな居酒屋「ニュー松屋」で、また楽しく飲みマスター。
「どて焼き」と「鯛子」は、いかにも大阪の一品。うまい。
ホテル帰還前に、さらに関東理事とショットバーへ。
いやはやよう飲んだ。4時半から11時半まで、7時間にございます。
バーを出て一人になったら、なんと方向感覚を失い、ホテルと反対方向に延々と歩いている自分。でも朝、気がつくとホテルの部屋で寝ている自分。自分っていったい・・・・・?
ワーグナーが1曲とマーラーが2曲聴けちゃう時間を尽くして飲み。
みなさま、二日間にわたり、どうもありがとうございました。
また突撃いたしますのでよろしくお願いします
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コメント
楽しい痛飲、愉快な暴食、お疲れ様でした。新潟でカツ丼+青島ラーメン、おまけに東響 in 新潟エルガーがお待ちしてまっせー!
追記;新潟はビックカメラ出店で盛り上がってます。またまた古町界隈がさびしくなっていきます。
投稿: IANIS | 2009年2月20日 (金) 00時30分
IANISさん、こんばんは。
いやはや、やっちまいましたよ。
そして、来週もやってしまうんでしょうねぇ・・・。
夢にまで見た新潟のカツ丼、そして青島ラーメンですかぁ!
ネタ的にも大いに楽しみであります。
史上空前のエルガー連ちゃんに挑みます。
よろしくお願いいたします。
投稿: yokochan | 2009年2月21日 (土) 00時19分
おはようございます。
先日は、本当に無理を言って申し訳ありませんでした。
でも、久しぶりにお目にかかれて楽しい時間を過ごさせていただきました。
>なんと方向感覚を失い、ホテルと反対方向に延々と歩いている自分・・・
なんと、そうでしたか。
実は私も同じなんです。
最終の地下鉄に乗って、「寝過してはいけないので立っていよう」と考えたまでは上出来だったのですが、立ったままうつらうつらしていたようです。
気がつくと、下車駅の扉がしまっているではありませんか。
しかたなく、次の駅からホテルまで歩いて帰りました。(笑)
それにしても、お互いよく飲みましたね。
また、お目にかかれるのを楽しみにしております。
投稿: romani | 2009年2月21日 (土) 09時59分
romaniさま、こんばんは。
無理をだなんてとんでもない。
すっかり大阪の夜を楽しませていただき感謝感激でした!
地下鉄で数駅ですよね。あらま、立ってうつらうつらですかぁ(笑)。私も自分に自信が持てました(爆)
いやはや、ほんと、楽しいひとときで、つい飲み過ぎてしまいました。
また是非とも、よろしくお願いいたします。
東京と大阪の中間でもOKですよ(笑)
投稿: yokochan | 2009年2月21日 (土) 21時21分
先日はお久しぶりでご一緒させて頂いて楽しかったです。ありがとうございました。次回はぜひ地元守口でディープな夜を過ごしましょう。この前お話しました守口の焼き鳥屋には実は昨日行っておりましたが、やはり激ウマでした。
投稿: リベラ33 | 2009年2月22日 (日) 08時08分
リベラさん、先般はこちらこそ、連チャンでお付き合いいただき、恐縮してます。
おぉっ、守口ディープナイトですな!
是非是非、お願いします。
その時には、十三のオジサンたちには内緒で大阪入りしますね(笑)
投稿: yokochan | 2009年2月22日 (日) 18時46分
今晩は。過去記事に書き込み失礼します。今日は抑うつ症がひどかったので仕事をやすみました。今日は受診日でした。
うつの症状は本当に辛くて苦しいものです。
私にとってうつに効く音楽はフーガの技法です。
タコ6はムラビンスキーは聴いたことがありません。
レニー&ウィーンフィルとバルシャイしか聴いたことがありません。実演も聴いたことが無いです。
私は早いテンポの演奏が好きなのでバルシャイのほうが好きです。
今日は読書欲も落ちています。
トロワイヤのバルザック伝は全く読めませんでした。
次はフローベール伝が読みたいと思っています。
フローベールのボバリー夫人は本当に素晴らしい
小説です。私は岩波文庫で読みました。
同じフローベールの感情教育も岩波文庫で読みたいと思っています。
投稿: 越後のオックス | 2010年2月 2日 (火) 20時10分
長岡には何時来てくださっても結構ですが、事前にメールで連絡をお願いいたします。
それと好きな女性がいることは両親には絶対に話さないで下さい。どうかよろしく願いいたします。
以前に書いたかもしれませんが両親と私の三人暮らしです。妹は結婚して亭主と二人の娘の四人で近所に住んでおります。A亭の強烈なワーグナーラーメンを一緒に食べましょう!
投稿: 越後のオックス | 2010年2月 2日 (火) 23時20分
越後のオックスさん、こんばんは。
お加減はいかがですか?
フーガの技法ですか!
わたしは、同曲はあまり慣れていないので、頭がこんがらがりそうです(笑)
わたしなら、気分が辛い時こそ、ワーグナーです(笑)
慣れ親しんだ世界ですから、我が家のお風呂に入るように、落ち着くわけです。
間違ってもショスタコはいかんです(笑)
ご訪問のおりは、そのようにいたしましょう。
ラーメンが楽しみであります。そしてお酒も!
ただ、当面、新潟方面での仕事が途切れておりまして、その機会をしばらくお預けとなりますこと、お許しください。
投稿: yokochan | 2010年2月 4日 (木) 00時27分