東京交響楽団新潟定期公演 大友直人指揮
久々にパソコンに向かい合う。
というか日曜の朝以来のお家。
表札替わってなくてよかった。
でもご飯はありません。
こうして、夜ご飯を用意してもらえないお父さんは、自分の居場所がパソコンの前だけになっていくんだろーな・・・・・・、とほほ
そんな悲哀はともかく、音楽と出張をすっかり楽しんでしまってる訳だから、文句はいえません。
お家では、小さくなってます。
いつもお世話になりっぱなしのIさんのご案内で、東京交響楽団の新潟定期公演を核とする旅に出かけた。
おりから、クライアントさまから、東北・北関東のお仕事を頂戴し、大胆な活動を企画した次第にございます。
新潟の市民芸術文化会館「りゅうとぴあ」は、音楽専門ホールと劇場、能楽堂などがタマゴ型の建物にぎっしり詰まった、芸術の香り高い施設。
念願の「りゅうとぴあ」は1900席の中規模ながら、ご覧の通り、ベルリンのフィルハーモニザールに似ているし、札幌のキタラを一回り小さくしたような雰囲気でもあります。
ホールの屋上は周囲を一周することができ、信濃川もご覧のとおり。 日曜の晩、音楽を愛する市民の方々が、続々と集まってくる。
その皆さんの集中力の高さとマナーの良さ。我らがオーケストラ的な親しみと誇りを会場から感じ取ることができる。
Iさん御用達のクラシック専門CDショップにもお連れいただき、東響の日ということで割引の恩恵を頂戴し、フィンジとコルンゴルドのレアCDをお買い上げ。店主はフィンジ・マニアだそうだ。素晴らしすぎ!
ここで、今宵のコンミス大谷さんと遭遇。
「今夜行きます」、「お待ちしてま~す」とみょうな挨拶を交わしました。
音楽がしっかりと街に人に息づいている新潟。 さて、コンサートは前日にも増して、素晴らしいものであった。
何よりも、ホールの響きが堪らなくいい。
明るく開放的で、かつ繊細。
曲目は前夜に同じく「オール・エルガー・プログラム」
威風堂々第2番から、その音の粒立ちの良さが際立つとともに、余韻をきれいに残しながらの残響の素晴らしさに、このホールが一挙に気にいってしまった。
その印象は、前夜に鮮やかな感動を味わったウィスペルウェイのチェロの第一声を聴いて、さらに強まった。この人の音色ゆえかもしれないが、芯があるとともに、まろやかで、第3楽章の気品に満ちた美しさには、前夜にもまして陶酔してしまった!
終楽章の合わせにくいエンディングは、オケとソロ、見事に噛み合い最高の瞬間だった。
大満足の雰囲気ありありのウィスペルウェイ氏、「素晴らしいホール!」と前置きして、バッハをアンコールに。
ああ、なんて美しくも深遠なチェロなんだろう。
満場の客席にオケもフル出場のホールに、一本のチェロが楚々としたバッハを奏で、その音色が隅々に満たされてゆくのをご想像下さい・・・・・・。
後半の二つのオーケストラ曲は、前日よりも音が練れてきていて、しなやかでありながら、パワーも全開。大友さん、シュトラウスばりの大序曲を思いきり鳴らすとともに、中間部の夢見るようなヴィオラソロの場面では、徹底的に磨きあげられた美音を引き出して、わたくしを陶然たる境地に誘ってくれた。
威風堂々第1番、オルガンの加わる最後では、ホールが揺れるような地響きが感じるくらいにひとつの楽器と化していた。
アンコールの「朝の挨拶」は、大谷さんもオケも心から楽しそうに、そして慈しむようなステキな演奏で、すっかり気分のよろしくなったIさんとわたくしは、夜の新潟「古町」に繰り出したのでございます。 本日記事第2部は、新潟の名物ご飯。
まずはこれ。お昼に食べました。
これ、新潟では「かつ丼」といいます。先頃、テレビの「県民ショー」で紹介され一躍気になる存在に。
福井、長野、会津のソースかつ丼とはまったく違う様相に驚き。
叩いて薄くした肉を、きめ細かいパン粉でカラリと揚げたのに、甘辛いソースを軽く絡めた「かつ」を熱々ご飯におもむろに重ね合わせた一品。
テレビでも出演者達は、何これウマイ!とばくばく食べていた。
わたくしも、それこそ目を丸くして一気に頬張ったのでございます。
あっさりさっぱり、でもしっかり肉なんです
飲んだあとのラーメンは、常道だけど、こりゃシメにもいけちゃう「かつ丼」なんだ。同じイメージを北海道の豚丼に感じますた。 さてさて、コンサート後はそこそこ腹も減ったでありますから、ラーメンいくであります。
8時閉店だから、飲む前ラーメンなのであります。
青島ラーメンは、新潟の皆さんにおなじみのラーメン。
長岡生まれ、鶏ガラのあっさり醤油で生姜がたっぷり仕込まれていて、すんばらしくウマイ。
中太麺も実によろしい。
こうして、体がポッカポカになり、さあ居酒屋に出陣。
日曜ゆえ寂しかったけど、八海山、緑川、〆張鶴、影虎・・・・、Iさんと音楽談議に興じつつ、盃を重ねた新潟の晩にございました。 水島新司の出身地らしく、アーケードには漫画の主人公たちが佇む。
なんか、元気出るじゃありませんか
なんか別館食べ物ブログになってしまったけれど、無謀なる東北行脚の模様を次回は、ダイジェストでお伝えします。
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コメント
yokochanさま こんにちは
ご無沙汰しております。記事を拝見しながら、この地に住む私には嬉しいお話ばかりでいた。もう1ヶ月後なら、りゅうとぴあ周辺は満開の桜に囲まれ、演奏会後は夜桜も楽しめたと思います。素敵な写真も・・・毎回写真も楽しませて頂いてます。
ところでこちらに登場するIさま、おそらく以前ホームページをお持ちのお方だったと思うのですが、・・・再開してもらえないかなぁ~。。。失礼しました。
投稿: デジタルキャット | 2009年3月 7日 (土) 12時25分
ヴォータンの如くさすらう旅人生活、お疲れ様でした。
トイレの件はさすがに「大人」の配慮でお書きにならなかったのでしょうか?
ライヴ体験が増えてくると、その演奏家が好きになってくるもので、TSOのメンバーひとりひとりのファンになってくるのです。大谷姉様も某Cショップでお見かけするようになってきました。気さくで、あっけらかんとした人ですよね。俄然リサイタルを聴きに大賀ホールに行こうという無謀な考えが頭をもたげてきました(インサイトがきたら行こうかなぁ)。あと、チェロのウィスペルウェイ。いっぺんでノックアウト状態でした。
ほんと、東京の演奏会の20分の1でもいいから、うち(りゅーとぴあ)でやってくれないかと思いますよ。東京に(神奈川も含めて)たくさんホールはあるけれど、演奏家のひとたちが本当に楽しみ、集中して演奏できるホールってそんなに多くないと思うんですね(白山周辺は静かだっ!)。うちのホール、演奏してくれたかたがた皆さんが「素晴らしい!」といってくれるのですけどねぇ(あ、関係者みたいな発言でしてしまいました。失礼しました)。
新国のホリデーBが来週から始まります。リング前半と「マクベス夫人」楽しみです。これから毎月日曜日、初台に参上します。それと、その間、4/29は一足お先にルイージ=SKDを体験させていただきますが、また東京でスケジュールが上手く合ったら、一杯とはいわず5杯くらいお付き合いください(もちろん“冷”で)。
追記:デジダルキャット様、ホームページ再会に向けてコツコツがんばっています。あと原稿用紙で500枚分、細々手帳に原稿を書いているのですが、まだ4冊も打ち込みが完了していません。簡単にはいきませんが(4月から勤めが新潟から長岡になるので、通勤途中で打ち込み出来るようポータブルPC、買おうかしら)。
投稿: IANIS | 2009年3月 7日 (土) 18時21分
デジタルキャットさま、コメントありがとうございます。
地元にお邪魔させていただきました。
ご挨拶もできず申し訳ありませんでした。
新潟で音楽と食をすっかり堪能しました。
神社を通り、小山を登りうつ桜並木に気が付きました。
そうですね、さぞや美しいことでしょう。こちらは、デキタルキャットさんのブログでの写真に期待しちゃいます(笑)
IANISさんにお答いただきましたとおり、こちらも期待ですね。
そうそう、ハイティンクの誕生日を貴ブログで知り、あわててロザムンデを聴きました。
投稿: yokochan | 2009年3月 8日 (日) 10時59分
IANISさん、その節はまったくもってお世話になりました。私は、新潟のおいしいものと、素晴らしいホールにノックアウト状態でしたよ(笑)
あ、しょぼいトイレは書き忘れました!
それと、おいしいコーヒー。こちらは、学生時代の香りがする素適な喫茶店でございました。
昨晩は、ミューザで神奈フィルでブラームス三昧でした。
オケやホールの個性って、こんなにも違うものなんですね。
これから、大物オペラが待ち受けてますので、お互い体調とスケジュール管理に万全を期したいものです。
お待ちしてますよ。
投稿: yokochan | 2009年3月 8日 (日) 11時07分