プーランク 「グローリア」 ヤンソンス指揮
銀座のティファニーでございます。
お隣さんは、ブルガリだわよ。
ゴールドの模様が刻一刻と変化して怪しいんです。
このビルの前で、屋台を呼んで、おでんをつまみに、酒でも飲んでやりたい気分になります。
「おやじ、がんも・こんにゃく、ちくわぶ」と注文して、コップ酒を。
てやんでぃ
その銀座の地価も、いまは大幅下落しているという。
でも、くさっても○○。世界の銀座。華やかなものであります。
さてさて、そんな中年おやじの酔狂は置いといて、今日はプーランク行くざぁます。
プーランク(1899~1963)は、好きでも嫌いでもなく、でもどんな人か作風がよくわからない。
いずれの曲も短めでエコノミーだし、古典風だし、こ洒落ているし、シンプルだし。
でもでも、いったいこの人はなんだろう?
初プーランクは、中学生のころ、ハープシコード協奏曲、ルージッチコヴァのレコードだった。
小股の切れ上がったような、小気味いいクラシカルな音楽に、おフランスの香りを嗅いだもんだった。
そんなイメージのみをずっと引きずり大人になり、そのまんま。
オペラを観て聴いてみたいけれど、私のアイドル、プティボンがでている「カルメル派修道女たちの対話」のDVDは入手困難状態。
こんな断片的なフランス6人組のプーランクとの、本気になれない付き合いのなかでは、今回の「グローリア」や「スターバト・マーテル」はとても近い存在。
小沢やデュトワのCDを何故か持っていたりする。
今回、ヤンソンスとコンセルトヘボウの鮮やかな羽をあしらったライブシリーズをじっくり聴き、従前のイメージとは異にする、洒脱と敬虔な心持が織りなす鮮やかさに、大いに感じ入ってしまった次第。
この原稿を書き始めて2週間。その間、エルガーやブラームスの名演に心奪われてきたけれど、それらとは世界を異にする異次元空間に新鮮な気持ちを抑えきれない。
ラテン語の典礼文をそのまま使用しつつ、その音楽は羽毛のように軽やかで、クリスタルのように透明で、かつ真摯な祈りにも事欠かない。
と同時に時には明る過ぎて、こちらの気持ちをはぐらかしてしまう。
こんな何でもござれ的なプーランクの宗教曲。
これまで、小沢やデュトワで聴いてきた。
それぞれに躍動感と軽妙さに富むステキな演奏だと思う。
ここで聴くヤンソンス盤は、かなり真剣に音楽の持つ祈りを見据えて真面目に演奏したものに感じる。
弾むリズムと、穏やかなリリシズムはヤンソンスならではであるけれど、洒脱さにはやや欠けているかも。
でも、コンセルトヘボウのベルベットトーンは、こうした曲だとフランドル風の重厚さとあたたかさを伴って、一種快感にも似た感興を引き出してくれる。
オルゴナソヴァのソプラノがまたふるい付きたくなるほど魅力的。
カップリングのオネゲルは、このコンビにぴったりの曲で、シリアスぶりがかなり深い演奏となっている。
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コメント
カルメル会、すごい内容ですよね。
実話が元だとか・・・
DVDとはこちらのことですか?
http://www.hmv.co.jp/product/detail/140527
投稿: moli | 2009年3月13日 (金) 00時42分
yokochanさん、こんばんは!
プーランクは管楽器の室内楽(EMIのLP)を中学生のときに教師から聞かされ、すっかりお気に入りとなりました。かつてのフランスの木管楽器の音色を愉しめる貴重な録音と思います。
ところで、篠●ともえ、もといプティボンwはこれまで聞いたことがないと思っていたのですが、このエントリーを拝読して、ArtHausの「カルメル会修道女の対話」に出ていたことに気づきました(汗)。今週末に観てみます(^-^)
投稿: Niklaus Vogel | 2009年3月13日 (金) 22時11分
moliさま、コメントありがとうございます。
そうそう、そちらのDVDなんですが、注文したもののずっと取り寄せ中状態でいつのことになるやら・・・・。
ぜひとも見てみたいものです。
投稿: yokochan | 2009年3月14日 (土) 17時12分
Niklaus Vogelさん、どうもありがとうございます。
私も、プーランクのCDはオケに室内楽に、そこそこ持っているのですが、明確な印象がございません。
ですので、オペラ体験をいたしたく、HMVに注文をかけましたが、待てど暮らせど入荷しません(涙)
うらやましい・・・・。
私のアイドル、パトリアはかわゆいのであります。
投稿: yokochan | 2009年3月14日 (土) 17時17分