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2009年4月13日 (月)

ワーグナー 「パルシファル」 エド・デ・ワールト指揮

Shiba_1黄色い水仙が、下をうつむくようにして咲いている。
仕事の巡回コースのひとつ、増上寺そばの公園にて。

どっさりと咲くのでなく、こうして点々と思い思いに咲く花がよろしい。

Parsifal_de_waart オペラとコンサートで、今年は機会を失してしまった。
月の巡りで、今年は先週がイースター。
金曜が聖金曜日、日曜が復活祭。
西洋音楽を愛するものとしては、その背景に厳然とある宗教のことも知らなくては、その音楽理解が万全ではない。

毎年、この時期は、パルシファルやマタイやヨハネの受難曲を聴くわけだが、本年は先の理由に加えて、家の中での大移動で、部屋を失ってしまったわたくし。
かろうじて、片隅を確保して音楽をそぉ~っと聴けるようになった。でも周りには、段ボールCDが数箱。これをどうにかしろとの、我が家のトゥーランドット鬼姫の厳命があり、誰も寝てはならぬ、悩み状態で月曜がスタートした。眠いわ。

CDの省スペース化は永遠の課題だが、まずは買わないこと。
あとは、ケースを処分することだけど、これがまた金がかかる・・・・。
困ったもんだわ。。。。。

話は脱線しましたが、「パルシファル」ですよ。

ワーグナーの作品の中で、時間的に長大なものは、「マイスタージンガー」「神々の黄昏」「パルシファル」の3本。
その中でも、音楽がなだらかで起伏が少ないために演奏によっては、一番長く感じられるのが「パルシファル」かもしれない。
最初はとっつきが悪いけれど、聴くに従って、どんどんとこちらに入ってくる味わい深い作品。
私は中学生のときに、サヴァリッシュの演奏で「前奏曲と聖金曜日の音楽」を録音して、何度も何度も聴いて耳に馴染ませ、復活祭の日曜に必ず放送されていたNHKのバイロイト放送を録音して、完全に虜になってしまった。
その時の指揮は、ヨッフムで、ヴィーラント・ワーグナー演出の最後の年ではなかったろうか、キング、クラス、アダムらの黄金時代の有終を飾る名演奏だった・・・。
この演奏、オルフェオで早く復刻してくれないかなぁ。

また脱線したけれど、懐かしワーグナーならいくらでも語れちゃう。

そんで、今日は、4時間半も「パルシファル」を聴いてらんないという方にうってつけの、フリーガー編の「パルシファル」を。
先にN響や東フィルで聴いた「リング」と同じ手口による、歌のないオーケストラ版抜粋。

<前奏曲~パルシファルの登場~聖堂の場面Ⅰ~花の乙女~聖金曜日の音楽~聖堂の場面Ⅱ~役立つのはただひとつの武器、終幕>

こんな感じに約55分、途切れることなく、よどみないパルシファルの音楽のエッセンスが味わえる。
私なぞ、カラオケとして、時にパルシファル、時にグルネマンツを口ずさんだりしながら気楽に聴くことができる。
同じ版の「リング」と比べ、正直ものたりない思いは残るけれど1時間で味わう「パルシファル」に妄想を膨らませながら聴くのも悪くはない。

N響客演で、ドイツものへの重厚な解釈を、もたれない爽やかさで印象付けた名匠デ・ワールト
この指揮者は本当に素晴らしい。コンセルトヘボウを任せたいくらいのハイティンクの後継者だ!
オランダ放送フィルと録音した、「リング」と「トリスタン」とともに、コンパクトながら大いに楽しめる「パルシファル」なのだ。
オケの精度も高く、高貴な響きが心地よい。

聖金曜日にパルシファルがなした最初の務め。
悩めるクンドリーに洗礼を施すこと。

 「草原は今日はなんと美しく見えることだろう
  私はかつて不思議な花に出会い
 その花は情欲をもって、私の頭にまとわりついたが
 今このように優しい花や茎は見たことがないのです
 すべてが無邪気にやさしくにおい、
 親しげに私に語りかけるのです・・・・」

こうして、クンドリーは初めて涙を流し、激しく泣くことになるのであります・・・・。

私は舞台や映像で、この場面を観ると、涙腺大決壊となってしまうcrying
救いや癒しの本質を春の自然の花々に織り込んだ素晴らしい場面ではないかと・・・。

 

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コメント

 yokochan様今日は。
 デ・ワールト指揮のワーグナー・コンパクトオペラ3作は今はどれも廃盤になっております。中古屋さんでもみつけられませんでした。名編曲にして名演奏とうかがっておりますので残念でなりません。ジャケットは確かに凄まじくヘンですが(笑)。ブリリアントあたりが再プレスしてくれるのを根気強く待とうかと思っております。
 部屋を無くされたのは、息子さんのためとはいえ、クラヲタにとっては痛いことですね。辛い心中お察しいたします。私は、CDと古本だらけの六畳一間を、もっておりますが、結婚したりしたら明日は我が身かもしれません(笑)。壁は辻邦生先生やヘルダーリン師の写真やアニメのポスター(何というアンバランス!)だらけのヲタルームであります。六歳の姪っ子から「オックスの部屋はガンダムだらけ~♪」とからかわれております(笑)

投稿: 越後のオックス | 2009年4月17日 (金) 17時38分

越後のオックスさま、おはようございます。
デ・ワールトの音盤は、そのほとんどが廃盤でして、マーラー全集などは、録音も含めて最高のものだと思うのですが・・・・。
でも、このワーグナー集は、いずれもエグイジャケットでして、トリスタンなんぞ最悪であります。
 どちらもご家庭も、子供のためにはしょうがないことでしょうね。
>壁は辻邦生先生やヘルダーリン師の写真やアニメのポスター(何というアンバランス!)だらけのヲタルームであります<
目に浮かぶようなギャップ満載のヲタルームでございますね。私の独身時代もガンダムこそなかったものの、同じようなもんですよ(笑)

投稿: yokochan | 2009年4月18日 (土) 09時23分

ちょっと前にたまたま似たような(?)エントリーを書いていたのでTBさせていただきました。この怪しい感じのジャケットはCD店で見たのを覚えていますが、当時は歌なしなのか、と深く考えずにオミットしてしまったのでしょう。体力と時間があったのかなぁ。。。

投稿: ガーター亭亭主 | 2009年4月21日 (火) 00時03分

ガーター亭亭主さま、コメントありがとうございます。
例年、全曲を聴いたり、マタイなども聴く時期でしたが、公私ともに多忙でかなわず、本エントリーのような次第とないりました。
亭主さまと期せずして同じようなエントリーとなりましたね。

このまさに怪しいジャケットは、トリスタン・リングともに3枚セットになっていて、即購入しました。
かなり昔の話ですが、単身赴任の寂しさを紛らわすのにちょうどよいだろうと思い買った思いがあります。
体力と時間が徐々になくなってきて、ジャケットは度外視して、中身はまさにうれしい1枚でした。
ありがとうございます。

投稿: yokochan | 2009年4月21日 (火) 00時36分

そうそう、シリーズものでした。トリスタンとリングでしたか。
このCDを店頭で見たのは、ワタクシもパリに単身赴任していた時期でした。ああ、あの頃は、オペラとの距離が近かった!などと言っていても詮方ないので、頑張りたい(何を?)と思います。今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: ガーター亭亭主 | 2009年4月21日 (火) 09時28分

ガーター亭亭主さま、こんばんは。
パリでございますかぁ!
わたしは、名古屋でありきたりのコースでした。
でも、名古屋フィルが、飯守さんの常任の時でして、トリスタン演奏会形式や、ツェムリンスキー、ヴァイクルなどなど、今思うとなかなかの演奏会を聴いておりました。

こちらこそ、よろしくどうぞお願いいたします。

投稿: yokochan | 2009年4月21日 (火) 23時09分

ご無沙汰しております。
ずっとロム専状態でほぼ毎日拝読させていただいておりました。
どうして長い間カキコしなかったかといいますと、ブログ主様も常連の皆様も私ごとき若輩と比べるとレベルが高すぎて生き恥を晒しているような気になったからであります。

朗報が入りました。デ・ワールト指揮のリング・トリスタン・パルシファルの3作が国内盤で10月に再発売されるそうです。嬉しい~(笑)。近々近況報告のメールを送らせていただきます。よろしかったらお読みになって下さい。

投稿: 越後のオックス | 2010年7月 6日 (火) 23時17分

これはこれは、ご無沙汰ではございませんか、越後のオックスさん!
どうされたかと、ちょっと心配していたのですよ。
お元気そうでなによりでした。

レベル云々なんて、おっしゃらないで下さいよ。
ネット上ではみんな一緒だし、私も、おそらく皆さんも、楽しむことこそが目的なんですからね!
あまり気になさらずにどうぞ!

ワールトのワーグナー復刻とポップのセットは、私もチェック済みです。
いずれも初期購入してますが、価格を見ると隔世の感ありで、ちょっと複雑な心境です・・・。
なにはともはれ、名盤復活は素直に喜ばしいことです。
メールの件、了解しました。
記事は予約投稿をしまして、しばし留守にしますので、お含みおきください。

コメントありがとうございました。

投稿: yokochan | 2010年7月 7日 (水) 00時43分

 今晩は。過去記事に書き込み失礼いたします。
デ・ワールトとフリーガーのコンビはマイスタージンガーの管弦楽抜粋版も出すそうですね。どんな編曲・演奏になるのか楽しみです。この調子だとこのコンビはワーグナーの主要オペラ全部の管弦楽抜粋版を作るのではないでしょうか?タンホイザーやローエングリンの抜粋版も・・・タンホイザー抜粋はマゼール編曲&指揮ピッツバーグ響の演奏との比較が楽しみだったりします。
 しかし三部作のジャケットは国内盤も例のエグイジャケットのままですね。こんなパルシファルが舞台に出てきたら嫌だなぁ(笑)。
 話題が変わりますが、シュトラウスのバラキシの無声映画版のCDをブログ主様はお持ちですか?カプリッチョから出ているヤノフスキが指揮したやつです。私のべスト・バラキシはクライバー79年とカラヤン新盤ですが、バラキシは大好きなオペラだけにワルツ集だの組曲版だの色々な編曲版を集めるのも好きで・・・無声映画版の初演は大失敗だったそうですが、編曲と演奏は素晴らしいという噂を耳にしたもので・・・

投稿: 越後のオックス | 2010年10月17日 (日) 01時08分

越後のオックスさん、こんにちは。
ワールトのマイスタージンガー、私もHMVサイトで知り、楽しみにしてます。
オランダ人あたりは難しそうですが、初期3作も入れて全ワーグナーに挑戦して欲しいものです。
ほんと、このジャケットは困ったもんです。
おデブのおばさんもありましたね(笑)

ヤノフスキのばら騎士は、まだ聴いたことがないです。
こちらは美しいジャケットで、ショップでよく手にして見てるんですが、ちとお高いもので逡巡してます。

投稿: yokochan | 2010年10月17日 (日) 13時20分

今晩は。フーリガー編曲デ・ワールト指揮のワーグナーコンパクトオペラ4作をやっと購入しました。マイスタージンガー以外はあのエグイジャケットの国内盤です。編曲は4作とも最高ですね!パルシファルやグルネマンツやザックスやワルターになりきってカラオケしたくなってしまいました。演奏はこういう淡白なワーグナーもあるのかと最初は少し戸惑ったのですが、何度も聴いているうちにすっかり耳に馴染みました。もたれない爽やかさ、言いえて妙だと思います。確かにハイティンクやマリスに何かあったときに(考えたくありませんが)名門コンセルトヘボウをすぐにでも任せられそうな指揮者ですね。余談ですが輸入盤のコンパクト・マイスタージンガーのジャケットのデ・ワールトの写真はなかなかの男前ですね。このCD、2つの悲劇的間奏曲フリーガー編曲管弦楽版というオマケが付いていますが(タウスク指揮)、ウェーバーの影響が強そうな初期作品でこれはこれで面白く聴けました。

投稿: 越後のオックス | 2010年12月15日 (水) 23時27分

越後のオックスさん、こんばんは。
おお、ついに入手されましたか。
おまけに、マイスタージンガーまで!
わたしは、そちらはまだですが、そちらのジャケットは気になってます。

ですです?カラオケに最適でしょう?
車で聴くのに最適です。
そして、ワールト。最近その名を見ませんが、メジャーを嫌う潔癖さがそうしているんだと思います。
コンセルトヘボウは、本当は、ヤンソンスよりは・・、と思ってるんですよ。
悲劇的間奏曲は気になりますねぇ。

投稿: yokochan | 2010年12月17日 (金) 23時34分

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