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2009年5月29日 (金)

ラヴェル 「ラ・ヴァルス」 プレヴィン指揮

Okayama_st 岡山・広島に出張してきました。
お家の布団が恋しくなるこの頃。

仕事で各地をさまようこと数十年。
県民ショーじゃないけれど、県境を超えると味も言葉も風習も違ってしまうことをつくづくと思う。

Momotaro 岡山駅前に立つ桃太郎さん。

岡山は、関西と中国、山陰そして四国、それぞれの味わいがあるように思う県ね。

Katsudon2
お昼は、カツ丼を。
岡山のカツ丼といえば、「ドミグラソースかつ丼」。
ご飯の上に、ゆでたキャベツが敷かれ、やわらかく揚げたカツ、そしてドミグラスソースがこれでもかとばかりにかかっているんだ。
おいしい、けれど、関東人の私には少し甘く感じる。
でもカツにドミグラは実によく合うし、しんなりしたキャベツがグッドでございましたね。

Pictures_previn 今日もワルツ。
ウィンナワルツをオマージュしたラヴェルの名作「ラ・ヴァルス」でございます。
1814年のウィーン会議での社交の場から、ヨーロッパ全土を虜にしていった、ウィンナワルツ。
その舞踏会の様子を雲間から見渡すようにして描いた素晴らしい舞踏曲。
 ラヴェルの数ある作品のなかで、もっとも好きな曲であります。
優雅でありながらノスタルジーも溢れ、最後は狂乱の渦に巻き込まれていく魅力的な音楽。

演奏会で聴くと、さらに楽しい。
去年のヤンソンスとコンセルトヘボウがコンサートのトリにした素晴らしい演奏。
かなり以前、小沢征爾が新日フィルで演奏したオールラヴェルプログラム。
そこでは、まず「優雅で感傷的な円舞曲」が演奏され、そのまま静かに終えたと思ったら、続けて「ラ・ヴァルス」を始めた。連続した二つのワルツが切れ目なく鮮やかに繰り広げられたもんだ。イキの良かった小沢さんの才気あふれる名演だった。

今宵は、アンドレ・プレヴィンが本場ウィーン・フィルを指揮した85年のライブ録音で。
この演奏はなかなかユニーク。
プレヴィンの指揮は、以外と腰が重たく少し粘着ぎみ。
でもテンポはゆったりで、ポルタメントもウィーン風で味わいがあって柔らかい。
この当時、ウィーンフィルはラヴェルやドビュッシーなどをあまり演奏していなかったはず。
気の合うプレヴィンの指揮に任せながらも、思う存分自分たちのワルツのように楽しんでいる風情が感じられる。

ドミグラかつ丼のような、取り合わせの妙で味わえる甘味な演奏にございました。
ごちそうさま。

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コメント

おおっと。ブログタイトルが変更になっていますね。
ウチのリンク先の名称も変えておきます。
岡山にはかつて長期出張で一年くらいいたことがありますが、広島へのライバル心、阪神ファンの多さ、車の赤信号の無視が多かったことが印象に残っております。

投稿: リベラ33 | 2009年5月30日 (土) 06時19分

名称変更、ウチもBM変更しときます。
小澤さんがあの2つをくっつけてやるのは、80年代後半にフランス国立を振ったザルツブルクでも同様でした。どっちが先か分りませんがあれはよかったです。

投稿: 親父りゅう | 2009年5月30日 (土) 11時45分

今晩は。
 このCDは、レコード・アカデミー賞管弦楽曲部門を受賞しそこねているんですよね。展覧会の絵は名演だけど、ラ・ヴァルスは、フランス的でない重々しい演奏だから賞にふさわしくないとか言う理由でですが。当時はレコード・アカデミー賞はそれなりに権威がありましたね。私も受賞作はチェックしていたものです。今ではレコード・馬鹿デミー賞などと揶揄されていますが。私はラ・ヴァルスは、マゼール&フランス国立管とデュトワ&モントリオールとアバド&ロンドン響が好きです。

投稿: | 2009年5月31日 (日) 01時02分

すみません。名前を入力し忘れていました。

投稿: 越後のオックス | 2009年5月31日 (日) 01時05分

こんにちは。
おお、岡山には以前住んでいたことがあり、
今でもちょくちょく遊びに行くのですが、
「ドミグラスソースカツ丼」知りませんでした。
こんど行ったら食べてみます。

投稿: 木曽のあばら屋 | 2009年5月31日 (日) 17時49分

リベラさん、毎度です。
ふっふっふ、さりげなく変えてみました。
ますます、ワグネリアンっぽくなったかと思います。

岡山はいつのまにか、政令指定都市になったのですねぇ!

投稿: yokochan | 2009年5月31日 (日) 17時54分

親父りゅうさま、こんにちは。
小沢さんは、このふたつ、常套手段だったのですね。
しなやかで、かつダイナミックな小沢さんのラヴェルはよかったです。
タイトル変更はお手数おかけします。

投稿: yokochan | 2009年5月31日 (日) 17時57分

こんばんは。「ラ・ヴァルス」はフェチ曲の1つです。小澤さんにはボストン響(スタジオ録音)があります。後、手持ちからフランス系はデュトワ、モントリオール響。マルティノン、パリ管。クリュイタンス、パリ音楽院管といった今昔のフランス系。ブーレーズ、ベルリン・フィルのは「ダフニスとクロエ」のカップリング。元々、ディアギレフに依頼されて作ったがバレエとして認められなかった。そんな因縁がありますね。フランス系以外ではアバド、ロンドン響。メータ、ニューヨーク・フィルハーモニック。アシュケナージ、クリーヴランド管。この辺りがマイ・ベストに入りますね。
気温の変動が大きく、体調を崩しやすい時期は大曲よりも短めの曲。さまよえる「ラ・ヴァルス」となってしまいます。

投稿: eyes_1975 | 2009年5月31日 (日) 20時36分

越後のオックスさん、こんばんは。
バカデミー大将の秘話は知りませなんだ。
プレヴィンとウィーンフィルのその後の蜜月の名演の数々を知ればそんな評価は出なかったでしょうねぇ。
私は、アバドにアンセルメ、ブーレーズ旧盤、マルティノン、クリュイタンスです。普通すぎますが・・・。

投稿: yokochan | 2009年5月31日 (日) 20時37分

木曽のあばら屋さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
岡山へ行ったら絶対食べると決めていましたので、12時前に店に入りました。
そのあと、お客さんが来るわ来るわで、待っている方もいました。
駅から5分の「味司 野村」という店でした。

とてもおいしかったですよ。他の店もチャレンジしてみたいです。
かつ丼にもいろいろあるものですね。

投稿: yokochan | 2009年5月31日 (日) 20時57分

eyes_1975さん、こんばんは。
いやはや、たくさんお持ちなのですね。
この曲は、短いし、盛り上がるし、優美だしで、時間のない時などにほんとにいい気分にさせてくれます。
小沢さんのボストン時代の一番いい頃の録音ですね。
同じころに聴いたのが記事に書いたライブでして、その指揮姿のかっこよさは、今の小沢さんにないものでした・・・。
メータもレコードで持ってました。それにブーレーズの旧ニューヨーク盤もメタリックで面白い演奏ですよ。
さまよえるラヴァルス!
いいですね。私もこのところ大曲が聴けず、小ぶりのワルツシリーズなんぞ目論んでいます(笑)

投稿: yokochan | 2009年5月31日 (日) 21時06分

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