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2009年6月14日 (日)

ワーグナー 「妖精」 サヴァリッシュ指揮

Ochazuke_charhan 自家製昼飯アルヨ。

「冷飯+永谷園茶漬海苔+明太振掛+胡麻油」

こんな感じで炒めてみました。
玉子があればもっといいかも。

せんべいの歯ごたえに、明太のピリ辛感が、えもいわれずGOOD。

居酒屋の〆メニューに最適。

Die_feen_sawallisch ワーグナー(1813~1883)に心酔40年のワタクシも、「さまよえるオランダ人」より前のオペラ作品に関しては、正直弱いです。
聖地バイロイトが、オランダ人以降の7作品のみを上演し続けているからよけい。
そのバイロイトも、市民劇場などを使いつつも、学生上演で初期作を取り上げてはいたものの、一流どころを投じた本格上演はほぼゼロに等しい。

これだけ、ワグネリアンとかいう呼称も生まれ、狂信的な世界が築かれつつも、そのすべてを聴きにくい作曲家も珍しいのでは。

その「オランダ人」(1842)以前とは、「妖精」(1834)、「恋愛禁制」(1836)、「リエンツィ」(1840)の3作品。
「妖精」以前に、「婚礼」というオペラ作品を手掛けているが完成されず、21歳の「妖精」がワーグナーのオペラ第1作となった。
この「婚礼」は、断片のみ残っているが、音源はあるのだろうか?
手持ちのプラッソンやブーレーズにも収録されていない。

以前の記事よりそのまま記載  自作の台本で、<姉で女優のロザーリエへの思慕や彼女の助力から生まれた作品で、上演に奔走してくれた彼女の急死もあって、ワーグナーは意欲を失い、以来このオペラは初演されることがなく、ワーグナーの死後1888年にミュンヘンで上演されたのが初とのこと>

以来不遇の「妖精」は、バイロイトの青年音楽祭で上演されたりもして、その音源があるが、なんといってもワーグナー没後100年の1983年にサヴァリッシュが初期3作を含めたすべてのオペラを上演した時のライブ録音が唯一無二の貴重な録音である。
 そして日本では、昨年2008年に東京オペラプロデュースが本邦初演を行っていて、これは世界的にも画期的なことではなかったろうか。
幸いにして、その場に立会うことができ、この若書きオペラの良さと不遇をかこっている理由の双方を感じ取ることもできた。
その時の記事は、こちらで、簡単なあらすじも参照ください。

舞台や映像がなく、音源だけで聴く「妖精」は、しかも対訳がないと正直厳しいものがある。
1年前の舞台がまだ脳裏に残っているから、あぁ、あの場面ねとか思いつつ追体験的に聴くことができるけど、音楽に後の日のような求心力がないからよけいキツイ。
ウェーバーやベルカントオペラ、マイヤーベアなどを思わせつつ、でもですよ、しっかりワーグナーなんですよ、鳴っている音楽が。
切迫したオーケストラの鳴り方は、登場人物の心理に応じて聴き手に巧みに迫ってくるし、アリアの背景も単なる伴奏ではなく、かなり雄弁で時に時代がかった歌唱との齟齬が見られたりして、やはり天才の筆致を感じさせるところが面白い。
天才も才の落とし所をつかめず、なんでもテンコ盛りにしすぎ。

でも劇の内容は、どうみても上出来とはいえず、ややこしい。
「魔笛」と「影のない女」のエッセンスみたいなものと思えばいい。

妖精の王:クルト・モル        アーダ:リンダ・エスター・グレイ
アリンダル:ジョン・アレグザンダー ローラ:ジューン・アンダーソン
モラルト:ローラント・ヘルマン   ゲルノート:ヤン・ヘンドリック・ローテリンク
ドロッラ:シェリル・ステューダー   グンター:ノルベルト・オルト
ハラルト:カール・ヘルム       ボーテ:フリードリヒ・レンツ
グロマ :ローラント・ブラハト     ファルツァーナ:カーリ・レーファス
ツェミーナ:クリスツィーナ・ラーキ

    ウォルフガンク・サヴァリッシュ指揮 バイエルン放送交響楽団/合唱団
                        (83年 ミュンヘン演奏会形式ライブ)

各登場人物たちには、それぞれ難しいアリアが割り振られていて、誰もが主役級の実力を必要とする。
なかでも、ヒロイン、アーダは優しさと激情を合わせもった難しい役柄で、ドラマティコでありつつコロラトゥーラ的な要素も必要となるが、グレイはなかなかによく歌っている。
でもちょっと一本調子かもしれない。それよりこんな難しい役柄を書いたワーグナーがいけない。
女声では、王子の妹ローラがお得な役柄だ。ジャンヌ・ダルクのように戦いを鼓舞する女性だが、その歌はとても女性的でいいアリアだ。アンダーソンはこれは素晴らしい。
自己犠牲的なアーダと戦いに身をやつすローラを足して2で割ると、今後のワーグナーの好きなヒロイン像が浮かびあがってくる気がする。

舞台で観た時も面白かった、パパゲーノとパパゲーナみたいなお笑いコンビが、王子の付き人とその許婚とのユーモラスな二重唱。いま聴いても面白いし、真面目ぶったワーグナーが精一杯滑稽な音楽を書いたって感じだ。
これを歌うのが、後にザックスなどを歌うこととなるローテリングと若きステューダーなのだから。ステューダーがアーダを歌えばよかったのに。
それと悩めるヒーロー役のJ・アレグザンダーは、なかなかによい。
舞台での羽山さんの眼の玉ひんむいたような超熱演を思い起こす難しい役柄。
狂人と化しあとになるほど、熱唱しなくてはならないが、アレグザンダーは、イエルサレムを思わせる声でもってとてもいい。メトで活躍した米国テナーで、メットが始めて来日したとき、アルフレートを歌っていたはずで、イメージとしてはイタリアものだったから、これは以外な出来栄え。そのアレグザンダーも90年には亡くなっているようだ。
もっとも有名なモルは、ここではチョイ役だけど、存在感ばっちり。

さて、この難解なオペラをカッチリとまとめあげているのは、さすがにサヴァリュシュ
鳴りっぱなしでなく、抑制も充分効かせ精妙な中に、オペラティックな雰囲気もしっかりと盛り込んでいる。バイエルン放送響の明るくバリっとした音色も素晴らしく、実にいいオケだと思わせてくれる。

以前の記事にも書いたけれど、この初期3作を日本で毎年連続上演して、初期作なら日本と世界に誇れるようにしたらどうだろうか。
東京オペラプロデュース+二期会+あらかわバイロイトの共作で。

さて、「妖精」に手を染めた「さまよえるクラヲタ人」、当然に次は・・・・。
半年くらいかけて全作品制覇に挑みます。

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