フランク 交響曲ニ短調 バルビローリ指揮
今日、7月13日は、何の記念日でしょうかぁ~。
実は、「オカルト記念日」なんだって
あの身も凍るような恐怖の映画「エクソシスト」の日本公開日がこの13日だったことによるらしーーー
あの第1作目は怖かったなぁ。
主役リンダ・ブレアは、あの取りつかれ少女、首一回転、悪魔声のイメージがあまりにも強烈な刷り込みになってしまったのも気の毒というか何というか・・・。
こうした怖いものを見たり、聞いたり、場合によっては体験したりすると、明らかに体温が下がって、クーリング効果があるんですな。
夏のクーリング作戦は、怖いものじゃなく、飲み物食べ物の方が楽しくてよいです。
こちらは、以前、仙台で食べた「冷やし中華」。
冷やし中華発祥の地仙台にも、いろんな冷やしがあるけれど、こちら(しのぶ支店)は、シンプルな中華そばのようなサッパリつるつる感が最高。
体温が2度ほどさがりましたよ。
オカルトやクールダウンにゃ関係ないけれど、本日は何故かフランクの交響曲を。
以前から考えていた企画だけれど、昨日のN響アワーを見ていて、次回は「フランクの交響曲」とアナウンスされたものだから、すぐさまに取り上げることとした次第だ。
この曲は、私のフェチ曲のひとつでありまして、CD棚には20種類を数えることができる。
初聴きは、N響のテレビかラジオで、指揮者は誰だったかな?
岩城宏之か森正だったかしら?
いわゆる循環形式で書かれたかっちりした構成をもっているから、同じような旋律が何度も出てきて、とても覚えやすかった。
聴いた当初の印象。中学生の頃。
暗雲垂れ込めるような渋い1楽章ではあるが、循環主題が何度か姿を変えて現れるそれぞれの場面がともかく気にいった。
2楽章のイングリッシュホルンのもの悲しい旋律はちょっと退屈だしオケが鳴らない。
歓喜に満ちた3楽章、出だしやメインは輝かしく気にいった。でも過去を回顧するような後半部分からちょっと退屈になる。でもやっぱり、最後には明るく終わってメデタシ。
ちょっぴりイケない大人になった頃~今現在に至る。
1楽章は、フランドルの晴れ渡らない雲とフランスへの憧れ。66歳にして初めて書いた交響曲。オルガン奏者として、ブルックナーと一脈通じる控え目な彼。
そんな慎ましい作曲家だが、弟子たちは超優秀。
ちょい聴きではわからない音楽に内包されたオルガンの響き。
そして、いまや退屈だった2楽章が一番好き。
例の物悲しい旋律がいろいろと発展をしつつ色んな楽器に橋渡しされてゆくさまがとても味わい深い。弦のトレモロの刻みもとても印象的で、このあたりや、最後の場面などは、「おフランス」的なムードも漂っちゃう。
ベルギー人であって、フランス人でなかったフランク。
洒落たフランス音楽を素敵に演奏したクリュイタンスもベルギー人。
クリュイタンスのベートーヴェンやワーグナーが素晴らしいのもわかりますな。
3楽章は、演奏によっては効果を狙いすぎて全体のバランスを見失ってしまう場合があるが、スケルツォ楽章をあえて外したフランクの意図をしっかり汲んでオルガンのように多層的にじっくりと取り組んだ演奏だととてもいい。
エンディングにいたる静かな場面も、しみじみと聴けるようになったワタクシにございます。
いくつもある音源から、変わり種で、バルビローリが唯一チェコフィルハーモニーを指揮したものを取り出した。
1962年の録音で、やや古く感じるが、オケの音色もあって、輝かしさが抑えられ渋いなかにも、バルビローリらしい歌いまわしが聴かれてユニークなフランクになった。
音が混濁してしまい潤いも乏しい録音が本当に恨めしいが、チェコフィルの弦は健在。
このコンビで、マーラーをやってくれたらさぞかし素晴らしかったろう。
ちなみに、唸り声は聞こえませぬよ。
過去のフランク
「バレンボイム&パリ管」
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コメント
フランク!バルビローリ!
よいなーー
バルビローリといえば
すぐに、コルトーとかシュナーベルの
伴奏のオケを指揮した人ってイメージです。
でもバルビローリが指揮したフランクとかディーリアスの演奏ですごいの多いですよね。
ビーチャムといい、このバルビローリといい
イギリスには、ひとクセありそうな指揮者が多い。
バルビローリが指揮するブルックナーの練習風景の画像を見てると「あー。。。この指揮者とは一緒に演奏とか練習はイヤだ!」って直感的に思います。
とにかくシツコイ。。。ていうかイジワル!!!
「そんなこと!どうでもいいだろ!」って私が楽員なら間違いなく叫んで、さっさと帰ってきます^^
んでそのシツコイ指示や要求って演奏にはほとんど影響がないっていうかイミのない内容なんですよね。。
このフランクのレコードのリハーサルもあの調子で
やっていたとは思えないほど、演奏が自然体です。
どうなってんの?とか思う。
投稿: 蓄音器ファン | 2009年7月14日 (火) 17時09分
この間、記念日の事を調べていたのですが、毎日いくつもの記念日があるのですね。
7月13日は「ナイスの日」でもあるそうです。(単なる語呂合わせでの命名ですね)
フランクの交響曲、大好きな曲です。
1曲でドイツ音楽とフランス音楽が楽しめるナイスな曲ですね。
クラシックを聴き始めた頃から好きだった曲で誰の演奏で知ったかは記憶しておりませんが、最初に買ったLPはフルトヴェングラー盤でした。ゆっくりしたスケールの大きな演奏でした。
投稿: golf130 | 2009年7月15日 (水) 00時58分
こんばんは。バルビローリのもありましたか。彼は英国物やデュプレ、ロンドン響と共演した「チェロ協奏曲」(エルガー)のイメージがあります。
そして、フランクは私のフェチ曲でもあります。バレンボイムの前にカラヤンがミュンシュ亡き後のパリ管で録音し、名演奏になっているのか、ベルリン・フィルの再録はしてないのよね。逆にジュリーニは好きな指揮者であるが、彼がベルリン・フィルで録音したのはドイツ色が強調されて重たくなっている。そのミュンシュのはボストン響があります。他にもありますが・・・
夏は怪談話だが、身の毛もよだつのは苦手です。でも、稲川淳二さんは健在でしょうね。
投稿: eyes_1975 | 2009年7月15日 (水) 21時46分
蓄音器ファンさん、こんばんは。
バルビ卿はイタリアの血が流れているので、情熱的だし、わがままなところもあったのでしょうね。
「絶対にこーしてくれなきゃダメダメ!」と駄々をこねるような指揮者だったのではといつも想像してます。
ディーリアスやシベリウス、プッチーニなどそんな唸り声が満載であります。
ビーチャムも十字軍的な熱きおじさんだったのでしょうね。
このフランク、結構まともに仕上がってるのが面白いです。
投稿: yokochan | 2009年7月15日 (水) 23時49分
golf130さん、こんばんは。
ヒョー、「ナイスの日」ですかぁ。
なんかオカルトより、ずっといい感じですねぇ!
フランクは妙に好きですが、フルトヴェングラーは未聴なのです。
ドイツ系の指揮者のフランクもいいですね。
フランス系にない重さが、フランクに相応しい場面が多々ありますし。
投稿: yokochan | 2009年7月16日 (木) 00時09分
eyes_1975さんも、フランク交響曲フェチですか!
私も含めて、これで4人目です(笑)
バルビローリは、オケが珍しいところがウリですね。
カラヤン&パリ管は、わたしのこの曲の初LPでした。
ベルリンでもウィーンでも再録音しなかったのが不思議ですね。
ジュリーニ、バレンボイム、小沢、デュトワ、新旧ミュンシュ、マルティノン、バーンスタインなどのメジャー級もいいですが、名も知らぬ地方オケの鄙びた演奏も実に味があるんです。そんなナクソスにある2枚がお勧めです。
フランダース響とアーネムフィルです。
会談は好きですが、実体験だけは勘弁してもらいたいですねぇ(笑)
投稿: yokochan | 2009年7月16日 (木) 00時20分
バルビローリ氏の、チェコ-スプラフォンへの録音。どのような経緯で実現したのでしょうね。ハレ管弦楽団を振り、PyeやEMIに集中的に入れておられた人と言うイメージが、ございますので。
投稿: 覆面吾郎 | 2019年9月19日 (木) 07時16分
社会主義体制まっただなか、1962年のチェコフィルへの客演の折に、録音に至ったようですが、文化面では、西側からの客演を広く受け入れる風潮にあったのは、ドレスデンなどと同じなのかもしれませんね。
投稿: yokochan | 2019年9月20日 (金) 08時49分