チャイコフスキー 交響曲第4番 ロストロポーヴィチ指揮
福島県から宮城県に流れる阿武隈川。
宮城県側の丸森というあたりの河川敷。
こんなところ、今後絶対来ないな、と思い、道路の切れ目を見つけて降りて見た。
眩し~い
反対側の下流に目を転じると、あんれまぁ、橋が・・・・。
解体中かと思ったら逆で、架けている途中のようだった。
珍しい景色でしょ。
何を思ったか、急にチャイコフスキーの第4交響曲が聴きたくなった。
5番は、始終聴いているし、ラジオを付けると鳴っていたりする最人気曲だ。
6番は、ちょっと食傷ぎみ。
1番は大好きだけど、今聴くには暑すぎる。
2番は軽薄すぎるし、3番も寒くないとね・・・。
マンフレッドは引きずりまわされて疲れちゃうし。
だから4番かっ
考えたら4番は、アンバランスで身勝手な交響曲だ。
長大で幻想的な第1楽章は深刻で胸毛のあるロシア人が頭抱えて、それこそ胸をかきむしって悩んでいるみたいな苦渋の音楽。でも哀愁さそう旋律に夢心地となる場面も・・・。
さらにメランコリックな第2楽章がそれに追い打ちをかける。
あぁ、愛しいあの方はどーして?? なーんて気分で、これまた悩んでください。
一転、ピチカートの3楽章は明るく、さっきまでにお悩みはいずこに。
あっけらかんと終わってしまい、怒涛の終楽章へ。
終わりよければすべてよし。矢でも鉄砲でも持ってこいってんだ。
ガンガンいくよ、がんがんとね。ちょっと立ち止まってこれまでを振り返り、冒頭に少し帰ってみて悩んでみたと思ったら、すくっと立ち上がり、「さぁ皆さんご一緒に」的にハチャムチャ大フィナーレが怒涛のように押し寄せ、何事もなかったかのように、聴くわれわれを興奮の坩堝に陥れて勝手に終わってしまう。
これだよ、この独りよがり的な交響曲第4番が面白いのだ。
今日は、望郷の思いあふれるロストロポーヴィチとロンドン・フィルハーモニーの76年の演奏で。
ロストロさんは、この曲を約45分かけて演奏している。
通常40分から42分くらいの演奏が多いなかでは、長めの演奏タイムだが、さほど長いとは感じさせない。
思いを込めてじっくり歌いあげる部分とダイナミックにたたみかける部分とのメリハリが豊かだからだろうか。
終楽章は、お祭り騒ぎを期待するも、空しく裏切られ、インテンポで着実なエンディングが用意されていて以外だったりする。
濃厚になりすぎる一歩手前で立ち止まってしまった感もあって、少し残念。
以前取り上げた5番の方が熱いぞ!
ロシアのオーケストラだったらうるさくなったり野放図になってしまうところが、ロンドンでも一番くすんだ音色をもっていたLPOとのコンビはいい。
だから、ロシア系の演奏というよりは、ヨーロッパのチャイコフスキーになっている。
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コメント
お久しぶりです。
チャイコの4番!大好きな曲です^^
5番6番、あと1番とかもいいけど
私は4番が好き。
あー。。。でも。。。
ロストロポービチは、70年代くらいまでの
チェリストとしては大ファンですが、
指揮者だったり、
バッハの無伴奏の新録音だったりはちょっと。。。
特に無伴奏の新録音をホメテいる批評家の
センセイタチの文章を読んでると
「あー。。。このヒトタチって
何も聴いてないんだなー。。。。」って思います。
指揮者としてのロストロポービチも
昔のチェリスト時代がよかっただけに。。。。
この曲は同じことを
しつこくしつこく繰り返してくる曲なので、
フツーに演奏してくれたらそれでOKなんですよ。
4番は、ほとんどの録音が全部好きですよ^^
投稿: モナコ命 | 2009年7月 3日 (金) 16時30分
モナコ命さま、こんばんあ。
チャイコの4番がお好きなのですね。
私は大好きではありまえんが、好きです。
一風変わった演奏が好きです。
アバド(ウィーン)、マリナー、バレンボイム、メータなどです。
チェリストとしてのロストロさんは、ドヴォルザークどまりですが、私にとっては指揮者なんです(笑)
オペラ指揮はどぎつさが好きですね~。
また4番聴きたくなりました。クセになりますね。
投稿: yokochan | 2009年7月 4日 (土) 00時29分
バレンボイムのチャイコ4番っていうのもありなんですか?
初めて知りました!
あるイミ聴いてみたいですね^^
バレンボイムが若い頃の指揮は
「あー。。。ちっちゃいこと
気にしなすぎだよね。。。」って
「わかちこわかちこ」の指揮者だなーって思っていましたが
ワグナーを演奏し始めたころから
「え?バレンボイム?これが?
あのバレンボイム?同じ人?え?
同じ?へー^^」って思うようになって
それから、指揮者バレンボイムとして
スゴイ人なんだなーって思うようになりました。
投稿: モナコ命 | 2009年7月 4日 (土) 23時14分
モナコ命さま、こんばんは。
バレンボイムは2回も録音しているのですよ。
ニューヨークフィルとシカゴです。
そのうち前者は、以前こちらで取り上げております。
http://wanderer.way-nifty.com/poet/2006/09/post_4a42.html
よくも悪くも、若い演奏です。
バレンボイムはベルリンでオペラ指揮者となって大物になりましたね。たいしたもんです。
投稿: yokochan | 2009年7月 5日 (日) 00時41分