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2009年7月18日 (土)

ワーグナー 交響曲 ハ長調 レーグナー指揮

Mita_carnival2009今日、土曜日は恒例、三田納涼カーニバル。
私の職場からほど近い三田通りを封鎖してのお祭り。
本場リオのサンバ部隊や慶応のチアーリーダーたちも登場するんだ。
東京タワーをバックに毎年同じ繰り返しで、ちょっとレトロ。

いつも仕事をしいるから、音はすれども見たことがない。
今日も素面の私はビールを横目に見つつ写真だけ撮って帰宅を急いだのだった。

その反動か、いま、お家でワーグナーを聴きつつ、激しく泡盛中beer

Waganer_sym_regner

名のない交響曲週間、最後は、かのワーグナー(1813~1883)いきます。
ワーグナーにも交響曲がしっかりあるのであります。ついでにいうと、ピアノ作品もあります。

多くの作曲家と同じく、ベートーヴェンの交響曲を聴いて大いに感銘を受け、その道を志すこととなった。超人のように思われるけれど、ワーグナーも謙虚にベートーヴェンに惹かれていたんだ。
1928年15歳の頃というから、ベートーヴェンが亡くなって1年。
きっと第9も聴いたのだろう。
ベートーヴェンと、ワーグナー、ともに後続の作曲家たちに多大な影響を与えたふたり。

その若さと情熱で交響曲に挑み一挙に書き上げたのが19歳の年。
その後に、完成された初オペラ「妖精」が続くわけ。
母や姉たち、実父や義父たちが揃って俳優や演劇好きだった環境にあって、文学や劇作に夢中になっていった少年リヒャルトが書いた本格交響曲。
初期オペラを若気の至りとしてしまったワーグナーだけれど、初演時はそこそこ人気を集めたもののメンデルスゾーンに演奏依頼をしたものの無視されスコアも失ってしまったこの交響曲が、晩年にひょっこり見つかったものだから、自ら指揮して演奏したという。
失われたベートーヴェンへの早春賦に愛着があったのであろう。

伝統的な4楽章形式。
ベートーヴェンの4番のような長大な序奏を持つ第1楽章。その序奏のあとは、同じベートーヴェンの劇音楽の序曲のような晴朗で明るい推進力をもつ主部となるが、後年のワーグナーらしい顔がちょろちょろと垣間見れる。
シューマンを少し流麗にしたような音楽でもある。
緩やかな第2楽章は、こりゃまさにメンデルスゾーン似の抒情あふれる世界。
さらにシューマン的なロマンの芳香も漂う、もろロマン派の音楽。
メロディアスでなかなかです。
3楽章はスケルツォ楽章。こりゃシューベルトだわ。
のどかなトリオもシューベルトね。
さて、終楽章。これまたあなた、シューベルトざんすね。
しっかりとソナタ形式で書かれているが、舞曲調の弾むリズムが楽しいし、妙にクセになる音楽で、耳に心地よい。シューベルトのまま終わってしまう。

というわけで、このワーグナーの若書き交響曲は、ベートーヴェンとシューベルト、メンデルスゾーン、シューマンをいっしょくたにしたような純正ロマン派音楽だったのだ。
 この曲を書いた人が、後年、トリスタンやパルシファルといった革新的な音楽を書こうとは誰が信じることができようか!
このギャップを確認するだけでも、この交響曲の存在価値は大ありか!
 後年のワーグナーを頭から締め出して、素直にロマン派のひとつの交響曲として聴くのがよいのかも。

でも、ほんというと、私には、気の抜けたビールのようであり、出汁を取り忘れた醤油ラーメンのように感じたんだけど・・・・。
このCDでは、シューベルト風エンディングのあとに、あまりに素晴らしい「ジークフリート牧歌」が収録されていて、そのまま聴いてしまうと、前の曲はいったいなんだったんだろ・・・的になってしまう。

ハインツ・レーグナーと東時代のベルリン放送管のスッキリと気の利いた演奏は、この曲にはとても良いのではなかろうか。
そしてそれ以上に「ジークフリート牧歌」の心のこもった演奏が素晴らしく感じる。

ワーグナーは、この交響曲のあと、2作目の交響曲に取りかかったが、ひとつの楽章だけで終わってしまった。サヴァリッシュの指揮によるもので、すでに取り上げ済み。

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コメント

 連投失礼いたします。
 私は、この曲結構好きです。やはりこのレーグナー指揮のCDで聴いています。クララ・シューマンが「ベートーヴェンの7番にそっくり」と言ったそうですが、実際そんな感じがします。初期ロマン派風に味付けされたベートーヴェンという感じです。エド・デ・ワールトもこの曲を録音しているそうですが、未聴です。オケはサンフランシスコ響だったかな?ちなみにジークフリート牧歌は私はダヴァロスとノリントンの演奏が好きです。アッサリ系の演奏やタカ派的な演奏が好きなのかもしれません。
 ブルックナーとショスタコーヴィチのシリーズが最近停滞しているようですね。ブルックナーの9番についてはお話したいことが沢山あるのですが、後日のお楽しみということで(笑)。

投稿: 越後のオックス | 2009年7月19日 (日) 01時10分

こんばんは。の名のない「交響曲」シリーズ。ワーグナーはデ・ワールト。サンフランシスコ響が手持ちです。デッカのオーストラリア輸入盤ですが、目的はメータが録った「序曲・前奏曲」の聴きたかったからです。思わぬところでデ・ワールトが録ったワーグナーに出会いました。
典型的なへヴィなワーグナー・サウンドが一転して、古典的要素が織り込まれています。
「オペラ」作曲家が初期に「交響曲」を書くのは例外ではないようですね。挙げられるのはウェーバーが2曲書いることかな。(2曲入りはマリナー、アカデミー室管があります)

投稿: eyes_1975 | 2009年7月19日 (日) 22時12分

越後のオックスさま、こちらにもありがとうございます。
ベートーヴェンの呪縛から脱することができなかったのは、ワーグナーとて同じありましたね。
シンフォニストに向かわず、音楽劇の世界に向かったワーグナーの貴重な姿ですね。
 ワールト盤の存在は知りながら、今では入手難です。
あと、若杉・都響も廃盤でして不人気のほどがうかがわれます・・・・。

ジークフリート牧歌は名作ゆえに、どんな演奏でも、とてもよく聞こえますね。皆さんいろんな愛聴盤がありますね。
 ブルックナーの第9はほぼ書きあげてありますが、仕上げがいまひとつのところです。
ショスタコもちょっと暑苦しくて・・・・。
早く終わらせて違うチクルスに進みたいのですが(笑)

投稿: yokochan | 2009年7月19日 (日) 23時27分

eyes_1975さん、こんばんは。
デ・ワールトとサンフランシスコ盤は欲しかった1枚ですが、オーストラリア盤で復活しているのですね。
メータのデビュー当時のワーグナーとのカップリングは魅力です。私も探してみますね。
いま、初期のオペラからあらためてワーグナーを聴き進めてますが、後年のヘヴィーサウンドが当然にして生まれていった背景がとてもよくわかります。
そう、ウェーバーにも交響曲がありました!
マリナーの指揮がいかにも似合いそうな感じです。

投稿: yokochan | 2009年7月19日 (日) 23時34分

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