« 第13回「英国歌曲展」 辻 裕久 テノールリサイタル | トップページ | プッチーニ 「修道女アンジェリカ」 パタネ指揮 »

2009年9月21日 (月)

ヴォーン・ウィリアムズ 「ロンドン交響曲」 ハイティンク指揮

Whisky 琥珀色の液体。

昨晩は、あまりに楽しかったものだから多量に摂取しすぎた。

そして、私は近頃もの忘れがひどい。
ウイスキーを飲むときは、必ずアイリッシュ系のものを飲むので、名前がスラスラと出てくるのに・・・・。
これ何を飲んだっけか?
ラフロイグ?タラモアデュー?
アルちゅハイマーの道を歩んでいるとしか思えない。
人の名前も次々に忘れちゃう。
その点、同じ名前の方がずらりと揃うと楽であります。
Rvw_london_haitink 第2回「クラヲタ会」の二次会のウイスキー。

でもなんとなく付いてる会の名称、昨晩は、ハイティンク友の会」と呼びたくなるくらいに、ハイティンク愛の大絶賛大会になってしまった。
皆さんハイティンクに一家言持つ方々ばかり。
こんな集まりも珍しい。
私も負けちゃいられない。アバドとともにもう35年以上付き合ってきたベルナルト卿である。
弊ブログのハイティンクのカテゴリーをクリックしてみて下され。
たくさんあります。そしてあるのは交響曲とオペラばかり。

全集魔とも言われるハイティンクは、いったい何人の作曲家の交響曲全集を録音してきたであろうか。

  ベートーヴェン      ロンドンフィル、コンセルトヘボウ、ロンドン響
                ヨーロッパ室内管やシカゴとのライブもギボンヌ!
  シューマン      コンセルトヘボウ
  ブラームス        コンセルトヘボウ、ボストン、ロンドン響
  ブルックナー      コンセルトヘボウ
  チャイコフスキー  コンセルトヘボウ
  マーラー       コンセルトヘボウ
  エルガー       フィルハーモニア
  V・ウィリアムズ     ロンドンフィル 
  ショスタコーヴィチ  ロンドンフィル・コンセルトヘボウ

シューベルト、メンデルスゾーンは未完。二度目を目指したブルックナーとマーラーは、 レコード会社が萎んでしまい未完。
ハイドン、モーツァルト、ドヴォルザーク、シベリウス、ラフマニノフ、ニールセンなども手がけて欲しかった。(若い頃の録音、ドヴォルザークの新世界を含む後半3曲が出るらしい!)

これら全集を残した作曲家たちの作品は、ハイティンクの主要レパートリーとして、今でもことあるごとに取り上げている。
それらを何度でもいいからライブ録音として残していって欲しいもの。
それだけハイティンクの今は充実の極みにあるのである。

やたらに前置きばかり。
では、心地よい二日酔いの昼に、霧にむせぶ物憂い英都を描いたヴォーン・ウィリアムズ(RVW)の「ロンドン・シンフォニー」を聴こう。
RVWの交響曲全曲シリーズの一環でもある。
この「ロンドン交響曲」は、9曲あるRVWの交響曲のうち第2番にあたる。
ロンドンという世界都市の一日を、この街の風物や、住む人を通して描いてみせた描写音楽でもある。しかし4つの楽章のがっちりした立派な構成の交響曲である。
RVWをはじめとする英国作曲家たちを語る上で、二つの世界大戦の影響は避けては通れない。
1872年~1958年と長生きしたRVWゆえに、二つの戦争が影を落とした交響曲がある。そのひとつが「ロンドン交響曲」で、第一次大戦開始直前に書かれていて、このあと従軍してフランスで活動もしているのである。

活気ある都会を描きつつも、終楽章では失業者であふれるロンドンの様子が陰鬱にも表現されていて重苦しい気分にさせる。
都会の顔はひとつじゃないと言わんばかりである。

第1楽章「テムズ河畔のロンドンの街の夜明け~市場や街の朝の雑踏」
第2楽章「大都会の郊外の静やかな夕暮れ」
第3楽章「夜想曲~夜の繁華街」
第4楽章「不安な大都会~失業者の行進」

暗い雰囲気の4楽章、途中、雑踏のにぎやかさもぶり返すが、最後はまた不安に覆われ、ウェストミンスター寺院の鐘が鳴りつつ静かに終わる・・・・。
聴きようによっては、いまの「東京」と同じ。
賑やかで華やかだけど、その陰には不安もいっぱい。
時間だけが流れるように通り過ぎてゆく。

この曲の素晴らしいのは、第2楽章の抒情あふれる美しさ。
人工的な街、東京にはマネのできないロンドンの夕暮れか。

ハイティンクロンドン・フィルハーモニックのしっかりとした、そして視線の穏やかな演奏は本当に素晴らしい。

 過去記事
「ボールトとロンドン・フィル」 唯一のロンドン訪問のことが書かれてます(笑)

Uokin_1
昨晩の模様。
見てよ、この船盛り

もう目がクラクラしてしもうた。(クラヲタ会だけに・・・)
Uokin_all

その後も出るは出るは。
ともかくウマいし、ボリュームもたっぷり。
golf130さま、すんばらしい店を紹介くださりありがとうございました。

 そして、飲むは飲むは・・・。
6人でビール8本、ワイン2本、焼酎数杯、日本酒1升

同好の士による集い。
音楽の持つ力を痛いほど感じましたよ。
それにしても良く飲む。音楽好きは呑んべなのか。呑んべが音楽好きになったのか。
ともかく、「飲んだら<チケットぴあ>は見るな。見るなら飲むな!」であります。(なんのこっちゃ?)
 ところで皆さん、昨晩負傷欠場のgolfさんが、早くも第3回の開催を高らかに宣言しておられます(笑)
そう、またやり(飲み)ましょうぞ。
皆さん、どうもお世話になりました。

|

« 第13回「英国歌曲展」 辻 裕久 テノールリサイタル | トップページ | プッチーニ 「修道女アンジェリカ」 パタネ指揮 »

コメント

こんにちは。

いや~、ボリュームたっぷりで旨そうですね~
私では持てあましてしまいそうですが

音楽談義に花を咲かせながら
お酒も進んだようですね
次回は参加させてもらおうかな?

投稿: 天ぬき | 2009年9月21日 (月) 14時20分

こんばんは。

美味しそうだし、楽しそうなイベントだったみたいですね。
やっぱり予定をキャンセルしても、お仲間に入れてもらうべきだったかと後悔しております(笑)
次回は、是非よろしくお願いいたします。

エントリーされている2番目のシンフォニー、私がヴォーン・ウィリアムスの交響曲の中で最初に聴いたのがこの曲でした。
実は「ロンドン」という名前に魅かれて・・・。
そういえば、ハイドンの同名異曲は、23日のウィーンフィルでもやりますし、25日からのN響のC定期でもホグウッドが取り上げるようですね。

投稿: romani | 2009年9月21日 (月) 18時09分

楽しい一夜、ありがとうございました。
え~、琥珀色の飲み物はラフロイグのダブルでございます。私が注文したので間違いないです(笑)。アイラ・モルトはあのつーんと来る香りが癖になりますよねぇ。とあるバーテンさん曰わく、「くさやと同じようなもんですよぉ~、癖のあるものの常習性はすごいですからねぇ~」。そのうち「二郎」も(笑)。
いやぁ、それにしてもハイティンクのお話をこれほどできるとは!本当に素晴らしい指揮者だと思います。ベートーヴェンの交響曲全集は、やっぱりハイティンクって言っとくべきでしたかね?それともやっぱりアバド?!(笑)。
RVWのロンドン・シンフォニー、まさにアンビヴァレンツな感情が含まれた傑作です。ハイティンク盤が手元にないので、早急に入手しないといけませんな・・・ハイティンク好きとしては。
そういえば、この間、酔っぱらった勢いで、ポチっとやらかしちゃいました・・・それについてはまた後日ご報告させていただきます、やっぱり酔ったときにぴあやショッピングサイトを見ちゃいけない・・・(?)

投稿: minamina | 2009年9月21日 (月) 18時42分

昨日は盛り上がって良かったです。
ワタシ、実はハイティンク素人でしてほとんど聴いておりません
以前図書館で借りた「ワルキューレ」などがとても素晴らしかった記憶があり、色々聴いて皆様のお話に少しでも着いて行けるようにしないといけませんね。
RVWの「ロンドン交響曲」は、A.デイヴィス盤を持っているだけで、しかも、あまり聴き込んでおりません。また聴き直してみましょう。
さて、ロンドンは私「一泊だけ」したことがあります。新婚旅行でパリから帰国する際、空港に爆弾を仕掛けたという電話があったそうでフライト中止で、何故か緊急でロンドンに飛んで一泊することになりました。ホテルで夕食を採った(朝食も?)だけで翌朝すぐのフライトでしたので、果たして「ロンドンに行ったことがある」と言えるのか甚だ疑問ではありますが(笑)。記事を拝見してその時の事を思い出しました。

投稿: golf130 | 2009年9月21日 (月) 19時53分

こんばんは。残念ながら手持ちはプレヴィン、ロンドン響だけです。「交響曲全集」より。
「ロンドン交響曲」はロンドンの街の賑わいから逆に人々の苦しみが出ていますね。ヴォーン・ウィリアムズの「交響曲」は「グリーンスリーヴスによる幻想曲」「揚げひばり」を大きくしたような感じでしょう。
標題から反れてしまいますが、ハイティングは「交響曲」以外にも「全集」を出していて、ロンドン・フィルではリストの「交響詩全集」が挙げられます。有名な「前奏曲」を始め、13曲プラス「メフィスト・ワルツ」というギネス。メータが一部、ロサンゼルス・フィル(「前奏曲」のみウィーン・フィル)、ベルリン・フィルで取り上げて、また、カラヤンも一部ベルリン・フィルで取り上げて3指揮者はベスト・サウンドに入ります。
残念だったことはドイツ製バス炎上事故というニュース。ロンドンに2階建てバスがありますが、いずれも長距離バスということです。格安高速バスだろうが高速運賃値下げやら言ってるが、列車がいかに安全であるかが伺えます。列車の旅もいいもんだ。ビールでも飲んでる間にすぐに目的地についてしまいますよ。(笑)

投稿: eyes_1975 | 2009年9月21日 (月) 20時11分

天ぬきさん、こんばんは。
実は声をおかけしようと思ったのですが、やっぱりお誘いすればよかったですね。
皆さん話に夢中で、おつまみが結構残りました(笑)
次回は、もう少し大人しい注文になろうかと思います。
是非ともどうぞ!

投稿: yokochan | 2009年9月21日 (月) 20時51分

romaniさん、こんばんは。
楽しそうでしょ!
次回は是非とも。
ウィーンフィルウィークの真っただ中、romaniさんも充実したコンサートライフをお過ごしかと存じます。
そちらもとても羨ましく思います(笑)

ハイドンの最後の交響曲もいい曲ですね。
ホグウッドの指揮もウィーンの音もどちらもよさそうです。

以前、スコットランドの指揮者ギブソンがN響に来演した時のプログラムが、エルガーの「コケイン」、ハイドンとVWのロンドン交響曲という洒落たコンサートがありました。
ナイスであります。

投稿: yokochan | 2009年9月21日 (月) 20時59分

minaminaさん、昨日はどうもお世話になりました。
うむ、やはりラフロイグでしたか。
どうりでウマい訳でした。
最近、酒の名前が覚えられなくていけません。
古いことほど覚えてるといいますが、酒との付き合いも長いのですがねぇ。
アイラ系の強いヨード臭にはしっかりハマってまして、まさにヨードチンキを吸うがごとくの味にらりってます(笑)

ハイティンクの人気は高いですねぇ。
アバドと口にするのが最近怖いワタクシですが、ハイティンクならば堂々と言えます(笑)

酒気帯びポチッとは、何度犯してしまったことでしょう。
今度その体験を自慢しあいましょう(笑)

投稿: yokochan | 2009年9月21日 (月) 21時10分

golfさん、よきお店をご案内くださりありがとうございました。
ハイティンク教信奉者の集いとなりかねないので、私も苦手な分野を克服すべく精進いたします所存にございます。

この曲は味わい深い音楽です。
しんみりできますし。

ロンドン体験、一夜でも立派な滞在ですよ。
もうこの年になると海外なんて行けるかどうかわかりませんし、めんどくさそうだしで・・・。
誰かが手取り足取りで連れていってくれたらいいのですがね。ついでに旅費も出してくれて(笑)

投稿: yokochan | 2009年9月21日 (月) 21時18分

eyes_1975さん、こんばんは。
ハイティンクじゃありませんが、RVWの交響曲はかなり揃えてしまいました。
ボールト、プレヴィン、トムソン、ハイティンク。
未完のノリントンとヒコックスも欲しいと思ってます。
ちょっとやりすぎですかね(笑)

そうですね、リスト全集はハイティンクですね。
ハンガリ-系でもあったような気がしますが、演奏の精度ではハイティンクとLPOに敵うはずがありませんね。
メータ、カラヤンともにうまいですし。

列車の旅はいいですね。
駅弁にビール、最高の取り合わせですし。

投稿: yokochan | 2009年9月21日 (月) 21時28分

昨日はお世話様でございました。とても楽しゅうございました。
お魚があとからあとから出てくるので、やっぱりお持ち帰り用のタッパが必要でした(ダメですかね)・・・蟹って食べてると無口になってしまうからあんまり食べれなくて。しかし、お酒・・・そんなに飲んだんですね。みなさんすごいですね・・・アレ?私も?

ハイティンクの人気が高くて本当に嬉しかったです。

投稿: naoping | 2009年9月21日 (月) 22時37分

naopingさん、こんばんは。
昨晩はお世話になりました。
あんなにおいしい魚たち、残しちゃってごめんね、て気分に朝からなりました。
結構爽快な今朝でしたよ。

それにしても、みなさん、そしてnaopingさんも、飲みますなぁ。あ、自分も・・・・。
かつて、「いい音楽家は顔でわかる、Hはダメだ」と言ったU氏は、昨晩批難ごうごう。方やHは、大絶賛。
諸行無常といえよう。

投稿: yokochan | 2009年9月21日 (月) 23時49分

先日はどうもありがとうございました。
それにしてもよく飲み食べました。
おいしい肴にお酒に話し、もう3拍子そろってしまいましたね。
皆さんお初にお目にかかる方ばかりでしたが、温かく迎えてくださり感謝です。
ハイティンク談義も我が意を得たりで楽しゅうございました。
またぜひこの次もお邪魔したく思います。
ところでこのハイティンクのRWVの全集はいいですよねぇ、プレヴィンもちょっとこの全集の前では微妙な感じがします。
先日買い直しましたが、どれも聴き応え充分でやはり力作ですよね。

投稿: yurikamome122 | 2009年9月22日 (火) 10時21分

連休もおわりですね。。。
それにしても!!
この!
なんですか!
酒池肉林のテーブル!
ゆるせません^^
私は特に
刺身と毛ガニがゆるせません!!

ハイティンクってエライ人だったんですね。
あらためて
しみじみ

投稿: モナコ命 | 2009年9月22日 (火) 13時10分

yurikamomeさん、先日もどうもお世話になりました。
お誘いに応じてただき、こちらこそ感謝しております。
いつも飲んでしまいますね。これもまた音楽のいいところですし、音楽に乗じて飲んでしまう楽しさです。

ハイティンクはRVWと気質的に会っていると思います。
多様な作風ですが、立派なシンフォニストだったVWにぴたりときます。
かつてのボールトにも匹敵する名全集ですね。

次回の神奈川フィルのエルガーも、とても楽しみです。

投稿: yokochan | 2009年9月23日 (水) 00時42分

モナコ命さま、こんばんは。
連休は淡々と過ごしましたが、この集いは本当に楽しく充実しておりました。
音楽愛好という同好の集まりですから。

申し訳ないくらいにウマかったですよ!
カニ食べながら黙さずしゃべるということができることを初めて認識しました(笑)

ハイティンクはエライというよりは、地道な積み重ねでたゆまずして立派になった、という感じでしょうか。
ずっと聴いてきてよかった、という巨匠です。

投稿: yokochan | 2009年9月23日 (水) 00時47分

遅くなりましたが。。。
クラヲタの会では、ありがとうございました♪
次回は仙台から参加します。仙台フィルや山響を聴きにお出でのさいは、ぜひご一報を♪(すでにいただいてますね^^;)。
ハイティンクは当初、批判的な評論家氏の本を真に受けて避けてたところがあり。。。しかしBPOとのマーラー(DVD)で開眼してきました。RVWも聴いてみます。ロンドン響との新しいベトベン全集も狙っております。LSOライヴは安くないのが悩みですが(^^;。

投稿: 左党 | 2009年9月23日 (水) 23時24分

左党さん、おはようございます。
仙台よりのご参加お待ちしておりますし、仙台支部での開催も夢ではありません。
ハイティンクは、まずコンセルトヘボウとのベートーウ゛ンやR・シュトラウスをお聞きになってはいかがでしょうか。
ロンドン盤は、ベーレンライター版なので、おやっと思われるかもしれませんし、高いし!私も持っていないし(笑)

投稿: yokochan | 2009年9月24日 (木) 08時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ヴォーン・ウィリアムズ 「ロンドン交響曲」 ハイティンク指揮:

» 大・盛・況!(v^ー°) :第2回クラヲタの会報告! [minamina日記]
さてさて。 ミラノ・スカラ座公演、ウィーン・フィル・ウィークときて、 今秋3大イベントの一つ(???) 第2回クラヲタの会が、無事開催されました! [続きを読む]

受信: 2009年9月21日 (月) 18時25分

« 第13回「英国歌曲展」 辻 裕久 テノールリサイタル | トップページ | プッチーニ 「修道女アンジェリカ」 パタネ指揮 »