« ベートーヴェン 交響曲第4番 カラヤン指揮 | トップページ | オヤジ顔の「にゃんにゃん」 »

2009年9月30日 (水)

「ヨナス・カウフマン オペラアリア集」 アバド指揮

Motomachi_union 先日の連休中の横浜元町

恒例チャーミングセール真っ盛り。

ものすごい人出でしたよ。
八景島で、姪の出演したイベントがあり、夕方に元町、中華街と散策。

学生時代は、横浜が乗換駅だったので、横浜の街を始終歩きまわっていたのでとても懐かしい。
女子は、ハマトラだったもんね・・・。

Kaufmann

ドイツが久々に生んだテノールのスター、ヨナス・カウフマンの新しいCDを聴いた。

1968年ミュンヘン生まれだから、結構ベテラン。そう、90年代なかばからすでに活躍をしていて、ここ数年で世界のオペラハウスからひっぱりだこになっている。

私は、チューリヒの「ティトの慈悲」のDVDを持っているのみで、そちらはまだ未開封。
ゆえに今回、初カウフマンだったのである。



 1.ワーグナー:『ローエングリン』~遠い国により
 2.ワーグナー:『ローエングリン』~白鳥よ、!
 3.モーツァルト:『魔笛』~何と美しい絵姿
 4.モーツァルト:『魔笛』~この少年たちの賢い教えを
 5.シューベルト:『フィエラブラス』より
 6.シューベルト:『アルフォンソとエストレッラ』より
 7.ベートーヴェン:『フィデリオ』~神よ!ここは何という暗さだ
 8.ワーグナー:『ワルキューレ』~冬の嵐は去り
 9.ワーグナー:『パルジファル』~アンフォルタス!
10.ワーグナー:『パルジファル』~役立つのはただひとつの武器


       テノール:ヨナス・カウフマン
       弁者  :ミヒャエル・ヴォレ
       クンドリー:マルガレーテ・ヨスヴィク


   クラウディオ・アバド指揮 マーラー・チェンバー・オーケストラ
                   パルマ劇場合唱団

                      (2008.12@パルマ)
      

そして、このCD、なんとアバドマーラー・チェンバー・オケと伴奏を付けているのだから驚き。
ゆえに即購入した訳でもある。
アバドは、孫のような若いオーケストラやソリストや歌手たちとの共演を好んで行っていて、いずれも真剣勝負の演奏ばかりで、進取の気性と若い人を育てる熱意にいつも心打たれる思いがする。
カウフマンの歌について書く前に、アバドとオーケストラを褒めちゃうけど、ここに聴くオケの響きの精妙さと雄弁さは特筆に値する。
音ひとつひとつに心が通っていて、いきいきと弾み、呼吸し、歌い手と一緒に慟哭し、喜悦する。すべてが深い表現に通じている。
あのルツェルンのスーパーオケでのアバドと一緒なのだ。
ここまでアバドは深化しているのかと、感嘆せざるをえない。
褒めすぎと思う向きは、どうぞ聴いてみてください。
シューベルトとフィデリオ、そしてパルシファルがとりわけ素晴らしい、鳥肌ものだ。
クンドリーも登場するパルシファルの同情と悔恨の歌、ワーグナーの書いた複雑なスコアが鮮やかに解き明かされる思いがする。音楽は、ウェーベルンやドビュッシーの領域へと踏み込むかのように精緻で美しい・・・。
「役立つのはただひとつの武器」が歌われたあとは、そのままカットなく長いエンディングとなるが、こちらがまたとびきり美しい。
透明感にあふれ、その響きは軽やかでさえあるが、気持のこもった祈りの音楽である。
こんな素晴らしいパルシファルの結末部分をこれまでに聴いたことがない。
非正規盤の全曲、ベルリンフィルとの抜粋盤、いずれをも凌駕していると思う。
マーラー・チェンバーとの全曲録音を切に望みたい。

そして、カウフマンですよ。
このテノールは容姿もgoodだが、声も実に素晴らしい。

もっと軽い声を予想していたのに、ローエングリンの第一声から太くて、豊かな声量にびっくりしてしまった。あのフォークトばりの優男ではなくて、J・トーマスやP・ホフマンのような力強い立派なバリトンがかった声だったのである。
かといって、ヘルデンともまだ言えないかもしれない。
重ったるいロブストな声とはまったく異なって、もっと器用で細やかな歌い回しにも長けていて、抒情的な役柄も歌えそう。
 タミーノやシューベルトには、そうしたキリリとしたカウフマンの姿が浮かび上がってくる。
フロレスタンは、アバドとも共演したばかりの役柄。いきなり嘆きの叫びを上げず、ピアニシモからのクレシェンドが珍しい聴きもの。ここでの絶望と希望を行き来する明暗の歌い分けがとても素晴らしいと思った。
そして、注目のワーグナーは、ローエングリンとパルシファルの親子二代とジークムントを歌っている。
現役世代で、これだけ声があって、ワーグナーらしい高貴さと陰りを持ち合わせているテノールは見当たらないのではないか。
久しく払底していた、本格ワーグナー・テノール路線に光が差し込むのを見る思いだ。
ジークムントはロマンテックなアリアしか歌われていないこともあって、ややムーディに流れすぎだが、ローエングリンとパルシファルは、耳が洗われる思いのする新鮮な歌で、アバドの鮮度高いオーケストラとともに最高の場面である。

カウフマン氏、ワーグナーのレパートリー拡張には慎重で、ジークフリート、トリスタン、タンホイザーについては長くかかる、とブックレットのインタビューにも答えている。
そう、長くじっくりと歌いこんでいって欲しい。
でもこっちも待ちきれないから、早くしてね(笑)
ちなみに、パルシファルでクンドリーとして付き合っているヨスヴィク(Joswig~読み方不明)は、カフウマンの奥方との由。

Friedrich2   ジャケットは、ロマン派の画家、フリードリヒのもの。

こんな細工を施したジャケットを使うなんて、はや大物であります。
ポリーニの弾いたシューベルト「さすらい人幻想曲」のジャケットでもありました。

カウフマンが、「ばらの騎士」のテノール歌手で出演している映像。
ティーレマンとミュンヘンフィル、フレミング、ハバラタが出演の話題のバラキシ。
イタリア歌手ということで、スパゲッティぱくついてます(笑)

http://www.youtube.com/watch?v=mYg9IvjVmds

|
|

« ベートーヴェン 交響曲第4番 カラヤン指揮 | トップページ | オヤジ顔の「にゃんにゃん」 »

コメント

おおっ!やはり惚れ惚れとするパルシファルに当てられましたね!このような素晴らしいパルシファル、早く録画でも録音でもして欲しいもんですよ。
そしてアッバァドとMCO!ほんとにミニ・ルツェルン祝祭でございます。ちなみにペルゴレージもすばらしかったです。

投稿: IANIS | 2009年9月30日 (水) 16時24分

IANISさん、こんばんは。
ただいま、電車の中でして、もいかれこれ110分ほど乗ってます。
事故やら信号機故障やら人立ち入りやらのトリプルトラブルで、まったく帰りつけません。
マーラーの3番や、へたすりゃラインゴールドを聞けてしまいそうな勢いです。
このCD、カウフマンもいいですが、アバドには完璧にやられちまいましたよ!これ聴くと、パルシファルは、小編成オケで充分ですよ。まさに、ミニルツェルン。アバドはどこまで登りつめるのでしょうか?

ペルゴレージも聴いてますよ。アバドはスゴイ!
近日登場予定です(笑)

投稿: yokochan | 2009年9月30日 (水) 22時16分

 お早うございます。パトリシアさんの演奏会は素晴らしいものだったようですね。レニーの曲もやったのですか。私も行きたかったです。
カウフマンは私も好きです。皇帝ティートのDVDは最高ですよ!私はあれでウェルザー・メストとカウフマンのファンになってしまいました。ウェルザー・メストの指揮は本当にかっこよくて絵になりますね。イタリア軍の軍服のようなコスチュームで皇帝を演じるカウフマンもカッコイイの一語に尽きます。歌唱も最高です。
アバドはフィエラブラス全曲を録音しており、それも名盤ですが、マーラーチェンバーを指揮した演奏はその全曲盤以上の演奏内容のようですね。本当にアバドは何処まですごい指揮者なのでしょうか!!

件のロマン派の絵画は私も好きです。ブリリアントクラシックスのシューベルト室内楽曲集もこの絵をジャケットに使っておりますよ。

投稿: 越後のオックス | 2009年11月 1日 (日) 06時54分

越後のオックスさん、こんにちは。
プティボン、素敵なコンサートでしたよ。
テレビ放送があるといいですね。

カウフマンはこのときが初でしたが、予想以上に強い声で感嘆しました。
そしてそれ以上に、アバドとその若き手兵の俊敏な演奏には驚きでありました!

フリードリヒの絵は、クラシックのジャケットによく合いますね。

投稿: yokochan | 2009年11月 1日 (日) 11時07分

はじめまして。
ヨナス・カウフマンをインターネットで検索していたら、こちらのサイトに行きつきました。カウフマンの大ファンで、ブログでも、散々騒いでおります。笑
このCD評判いいみたいですね。私はまだ買ってませんが、近所のCDショップでず~っと視聴してました。
ちなみに今はスイス、チューリッヒに在住していますが、私も横浜出身ですので、元町の写真も懐かしく拝見いたしました!

投稿: 恋するオペラ | 2010年2月14日 (日) 23時16分

恋するオペラさん、こちらこそはじめまして。
そしてコメントどうもありがとうございます。
チューリヒにいらっしゃるのですね。
一昨年の来日公演に接し、DVDもいろいろ見るうちに、あの劇場に一度行ってみたいと常々思うようになってます。

カウフマンのファンでらっしゃるのですね。
各地の劇場で大活躍の旬の歌手を間近にお聴きなれるのが羨ましいかぎりです。
ワーグナー好きですので、ヨナス=ローエングリンを一度体験してみたいと思ってます。

昨日も横浜にいましたが、バレンタイン商戦ですごい人出でございましたよ。
貴ブログもお邪魔いたしますね。

投稿: yokochan | 2010年2月14日 (日) 23時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/151893/46330189

この記事へのトラックバック一覧です: 「ヨナス・カウフマン オペラアリア集」 アバド指揮:

« ベートーヴェン 交響曲第4番 カラヤン指揮 | トップページ | オヤジ顔の「にゃんにゃん」 »