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2009年9月12日 (土)

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 現田茂夫指揮

Tanemaru 9月27日までとなった開港博Y150。
仕事に、演奏会に、飲みに、何度も行ってるけど、開港博には一度も行ってない。

来場者は当初500万人を目指したものの、その7割に満たない現状という。
そして市長も降り、なんだか竜頭蛇尾って感じ。
たねまる」クンも寂しそう。

  でもですよ、神奈川フィルハーモニーの観客は増えてます。
実際、定期会員の名簿を見ると増えてる。
あ、今までいなかった私と同じ名字も増えてるし。

昨晩の定期演奏会もラフマニノフの人気曲が取り上げられることもあり、なかなかの入り。

 チャイコフスキー    幻想序曲「ロメオとジュリエット」

 ラフマニノフ       ピアノ協奏曲第2番
               練習曲集「音の絵」op39-5(アンコール)
               
             Pf:アンナ・ヴィニツカヤ

 ショスタコーヴィチ   交響曲第1番

 ハチャトゥリアン    「仮面舞踏会」~ノクターン(アンコール)

       現田 茂夫 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
                  コンサートマスター:石田 泰尚
                            (9.11 @みなとみらい)

Img_3

現田さんのプログラミングの妙。
ロシア音楽ばかりが年代順にきれいに並んだ。
こうして聴き終えてみると、ロシア系音楽には芳醇な歌が満ちていること。
それは甘味であり、切なくやるせないものでもある。
それは厳しい自然のもとにある風土のなせる技でもあり、変遷する政治の厳しさからくる苦しみからくるものあるであろう。
 でも、そんな思いとは遠いところで、美しい歌を聴かせてくれたのがこの夜の現田&神奈フィルのコンビ。
私は思う。
音楽がキレイでどこが悪い、とね。

チャイコフスキーは、最初は探り合いのように慎重な出足しだったが、両家の争いを現す激しい部分からエンジンがかかり、石田氏も腰を浮かしての演奏ぶりで、みんな乗ってきた。愛の場面の連綿たる主題の美しいことと言ったら!
迫力あるオーケストレーションの素晴らしさと、メロディメーカーとしてのチャイコフスキー。
その魅力がしっかり味わえた20分間。

エリザベート王妃国際音楽コンクールで1位となったこともある、ロシアの若いピアニスト、ヴィニツカヤを迎えてのラフマニノフ
彼女のピアノ、よくも悪くも若い。はじける若さで、もうバリバリと弾きまくる。
すごい技巧だし、その冴えた腕前は完璧で、どこにも破たんが見当たらないし、その心配もまったくなし。最初から最後まで、そんな感じだし、アンコールの凄まじい練習曲でもそう。でも、それ以上のことがないし、起きなかった。
感情をどこかに置き忘れてきてしまったようなピアノで、そう指揮者でいうと、私にはよくわからないムラっけの多いゲルギエフのように感じてしまった。
 もちろん、これだけ弾けちゃうのだから、若いだけに今後がとても楽しみ。
でもですよ、オーケストラが素晴らしくてあまりあるものがあった。
ラフマニノフ・ザ・ビューテフル
2楽章の甘味きまわりない旋律に身も心もとろけてしまいそう。
終楽章のエンディングの怒涛のような素晴らしくも勇壮な盛り上がりにこちらもドキドキ。
若い彼女もこういう場面では、はじけ飛んでるし、オケと一体化してまったく素晴らしいものであった。
蛇足ながら、この曲、シンバルが始終活躍している。
ラフマニノフは、パーカッションを多用した作曲家だが、こうして見ているとシンバル氏いろんなことをやってるし、それぞれに音色があるものだからびっくり。

ショスタコーヴィチ19歳の出世作、交響曲第1番。
ワルターも好んで指揮した古典的な枠組みを持つ曲だが、マーラーやストラヴィンスキーの影響も聴くことができる。
後年の作品のようなスケール感や、ナゾぶりはないが、スッキリとまとまった、よく聴けば味のある交響曲だ。
現田さんは、ユーモラスとシリアスが交錯する独特のショスタコの音楽をしっかりとらえて、とてもわかりやすく演奏してくれたように思う。
とらえどころのない第1楽章は、若いトランペットの出だしに、木管の活躍にと、神奈川フィルの奏者の皆さんの腕がさえて聴こえる場面が続出。
へんてこな曲想の第2楽章も面白く聴けれた。
だが、最高に美しい場面は第3楽章。オーボエの哀愁に満ちたソロとチェロのソロの半音階風のささやき。鈴木さんに山本さん、素晴らしすぎだ。終始響く、トランペットの主題も印象的で、曇りなく澄んだ音色は立派なもの。
静かに休みなく始まる4楽章。
うねるように盛り上がり、ティンパニが先の楽章の主題を強烈に連打して全休止。
ライブで聴くと、音割れの心配もないから、実に爽快。
そのあと、ジワジワと盛り上がって、急転直下ドッカンと終わる。
 痛快極まりない鮮やかな演奏に、タコ好きも大満足。
美音のオケと歌心ある指揮者だからこそできるこの鮮明なショスタコーヴィチ。
ロシア系のうねるような重心の低い演奏や、ヨーロッパ風の洗練された演奏とも違う独自のキレイ系ショスタコなんて思ったのは私だけだろうか。
ほかの番号がどのように聴こえるだろうか?
4番、6番、8番、15番なんてところを聴いてみたい。

アンコールの静かでロマンテックな夜想曲は、ショスタコで興奮した耳に、実に優しく、ロマンテックに響いたものだ。
石田氏のソロについては、な~んにも言うことがありませんね。この人のためにあるような曲だし。

握手を交わす、現田さんと石田コンマス。信頼のまなざしで応えあっておりました。
指揮棒を置いてしまったシュナイトさんのバッハを先週聴き、ここに現田&神奈川フィルのロシアン・ワールドも聴くことが出来たこの幸せ。
でも幸せは長く続かないもので、次へとまたこちらの耳もシフトしていかざるを得ない。
これもまた音楽の楽しみかnote

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コメント

昨夜はお会いできず残念でした。
演奏会は素晴らしかったですね。
ラフマニノフはもちろん、ショスタコーヴィチが私はとても明晰に聴けました。
来月の定期は木曜日なのでひょっとしたら行けないかも、、、です。英国ものだから聴きに行きたいんですけれども.

投稿: ピースうさぎ | 2009年9月12日 (土) 17時39分

ピースうさぎさん、先日はお姿をおみかけしませんでしたので、お休みかと存じました。
かなり聴衆が入りましたので、人探しは大変です。
以前はこんなことなかったのに(笑)
あのショスタコはよかったですねえ
神奈川フィルも完璧でしたし。
ほかの番号も聴いてみたいです。
次回は木曜ですから、確かにきついですね。
しかし、大好物のエルガー1番ですので、何をおいても行きます!

投稿: yokochan | 2009年9月13日 (日) 10時28分

先日は素晴らしい演奏会でしたね。
現田&石田コンビの絆はさすがです。
ショスタコでの神奈フィルメンバーの活躍も素晴らしかった!
名誉指揮者となって神奈川フィルの一線を退いたとはいえ、まだまだこのコンビの演奏を聴きたい!と思わせてくれましたね。

ちなみにY150はチケット貰ったんで行きましたが…、あえて何も言いません。

投稿: syllable | 2009年9月13日 (日) 22時34分

syllableさん、こんばんは。
あの二人の絆は、現監督さんも羨むものになりそうですね(笑)年1回でなく、もっと登場して欲しいものです。

Y150は、・・・そうですか、何もいえませんか、う~む。
私なんぞ、Yes89をよく覚えてますね。

投稿: yokochan | 2009年9月14日 (月) 23時34分

定期演奏会の時はお世話になりました。

このコンビは永遠に不滅です!
あのラフマニノフの圧倒的な演奏は筆舌に尽くせませんね。
あんな演奏されちゃ、聖響さんも大変だ~(笑)

投稿: スリーパー | 2009年9月16日 (水) 00時13分

スリーパーさん、毎度お世話になります。
シュナイトさんと、両極のすばらしいコンビです。
こちらは、今後まだまだ聴けそうですので、もっともっと、その機会を増やして欲しいものですね。
藤沢や小田原のコンサートがいかがなものだったか、ちょっと気になります。

投稿: yokochan | 2009年9月17日 (木) 07時54分

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受信: 2009年9月16日 (水) 00時10分

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