「ヴェネツィアの競艇」 谷口 睦美
娘のピアノ発表会の時に戴いた花より。
母の日には、カーネーション。
父の日には、ばら。・・・・らしい。
でも一度ももらったことないし。
ついでに調べたら、黄色いバラの花言葉は、「嫉妬」だそうな。
ふ~ん。
私のようなオジサンになると、嫉妬といえば、色めいた言葉じゃなくて、仕事の嫉妬だったりするから色気ないね。
さてと、今日は心地よいメゾ・ソプラノの歌声を聴きましょう。
谷口睦美さんは、二期会会員。
昨年のニ期会公演「ナクソス島のアリアドネ」で、作曲家を歌い、その時の印象がとてもよかった。
その彼女、その前のコンヴィチュニー演出の「ティトの慈悲」でも歌っておられ、その舞台を見逃したのは、演出の面白さもあってとても残念。
今年2月には、出光音楽賞を受賞され、先日「題名のない音楽会」にも登場。
さらに11月の二期会、R・シュトラウス「カプリッチョ」に、クレーロン役での出演が予定されている。
順風満帆の彼女、昨年11月のリサイタルのライブCDが出たことを知り、谷口さんのブログから「CD下さいな」と注文して、購入。
ほどなく、彼女のサイン入りCDがご本人さまから送られてきました
メゾの定番がずらりと揃えられた曲目。
バロックに始まり、だんだんと劇的なオペラのアリアへと進行してゆく。
最初、谷口さん、少し緊張気味でハラハラするけれど、曲目の進行とともに、徐々に調子があがり、聴いていて会場の雰囲気が増してきて、CDで聴く私もその中の一人として大いに盛り上がってゆくのを強く感じる。
そう、リサイタルそのものをそっくりおさめたCDならではの臨場感は、オーケストラのライブよりも、こうした歌もののリサイタルの方が勝っていて、とてもよろしい。
こんなことを書くのも、谷口さんの歌がだんだんと熱を帯びてきて、最後の「ドン・カルロ」でピークに達するさまが、とても鮮やかに感じとれるからである。
彼女の声、ときに揺れも感じられるが、硬質でキリリとしていて、耳に一音一音がすこぶる明快に届くんだ。
カルメンを舞台でも歌っているようだが、ドラマテックな役柄には慎重に取り組んでいってほしい気持ちもある。
だから、ここに歌われている曲の中では、伸びやかで気品あふれるヘンデルと、小粋なロッシーニ、それと私の大好きなシュトラウスのアリアドネの作曲家のモノローグ、クラリネットをしっかり伴ったティト、これらがとてもいいと思った。
そんなこと思いつつ、何度も聴いて彼女の声がすっかり耳に馴染んでしまった。
やはり舞台を見なくちゃ始らない。
「カルメン」は実は苦手なオペラなんだけど、今年の上演は、林さんと谷口さんのダブルだったのね。行けばよかった。
11月の「カプリッチョ」がとても楽しみ。
そしていずれ、オクタヴィアンを歌って欲しい。
容姿からいってもバッチリだと思う。
美しい女性歌手だと、メロメロになっちゃうワタクシですが、その素晴らしい歌声で、これからオペラにコンサートに、ますます活躍が期待される谷口さんであります。
こちらは、幸田浩子さん演じるツェルビネッタと、作曲家役の谷口さんであります。
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