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2009年10月29日 (木)

ブラームス 交響曲第1番 コンヴィチュニー指揮

Einsatz 知る人は知り、そして懐かしいでしょ、この光景。

ここは惜しまれつつ2年前閉店した、大阪キタにあった、クラシック音楽バー「EINSATZ」でございます。

マスター、こんな古ネタ出してすいません。
ベートーヴェンの死に顔に見つめられ、こんなムジークフェラインのような内装のお店で、クラシックを聴きながら一杯飲めてしまうという、クラヲタのんべの極楽のような場所だった。
レコ芸に出てた宣伝をみて、飛び込んだ店で、大阪出張の大いなる楽しみだった。
マスター含め、こちらでお近づきになった方々とは、楽しい交流が続いております。

そして、近々マスターは、コレクターアイテムのレアー音源や復刻CDの販売に乗り出すとの由。その暁には、こちらでまたお知らせいたしますので、お楽しみにnote

Brhams_sym1_konwitschny アインザッツで聴かせてもらった驚きの音源の数々。
それらの中で、大いに感銘を受けた1枚がこれ。
ついに入手しましたよ。

コンヴィチュニー指揮する、ライプチヒ・ゲヴァントハウスによるブラームス交響曲第1番がそれ。

この1枚は、コンヴィチュニーのボックスセットにも入ってないし、国内ではCD化されていない様子で、ジャケットにはDDRとあるから、旧東ドイツプレスということになる。
ちなみに、わたくしの自慢の1枚、ジークフリート牧歌などが入ったスウィトナーのワーグナー集も、このレーベルだった。

演奏は、今のドイツが過去に置き忘れてきてしまった、剛直でかつ格調高い響きが堪能できる重厚なものである。
堂々として揺るぎない歩みで圧倒される第1楽章、渋いが、思いのほか歌にあふれている第2楽章。素っ気ないが管の音色に味のある第3楽章。
そして、巨大な終楽章が待っている。
主部に入るまでの、深~い低音域、そしてテンポを少しづつ揺り動かして緊張感を高めてゆくピチカート。その高まりの中に登場するホルンであるが、これがまたカッコよくない。
そのあとを受けるフルートやトロンボーンのコラールも合わせて渋すぎなのである。
弦でかの有名な主題が登場しても、まったくの平常心で、あわてず騒がず、じっくりしたものである。弦楽器も朗々とよく歌っているが克明な響きを刻んでいるので、表面的にならない。コーダの加速も音楽的で、うまく聴かせようなんて思いがさらさらなく、コラールもさりげない。だが、最後のトゥッティは思い切りため込んで思いの丈を込めた和音を鳴らしていて胸にズシリと響く。

50年代終わりごろの録音と推定されるが、響きもよく多少の混濁感はあるが、録音状態は万全。
こんな素晴らしい演奏を放っとくなんてもったいない。

最近は、コンヴィチュニーといえば、演出家の方しか頭に浮かばなくなってしまったけれど、親父を忘れちゃいけないところだった!
61歳という早世が残念に思われるとともに、奇抜だが音楽をよく理解した息子の演出の素養は、偉大な親父の影響下にあるわけだな。

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コメント

うわっ、ビックリした!見たことのある景色だなァ(笑)なんか懐かしいですね。その節は大変お世話になりました。yokochanさんは開店直後からの名誉桂冠常任顧客ですよ(爆)ついにこのコンヴィチュニー盤をゲットされましたか。ETERNA音源は現在BERLIN CLASSICSで多くCD化されていますが、このコンヴィチュニーの「ブラ1」はARS VIVENDI盤でしか手に入りませんし、現在では廃盤なので貴重です。おっしゃる通り大変渋く、ここまで安定感のある演奏は驚異的でもあります。カップリングのモーツァルトとベートーヴェンも素晴らしく、特に「大フーガ」はこの曲のベストと言えるのではないでしょうか。本当にこんな音源を放ったらかしにするのは勿体ないですね。

投稿: EINSATZ | 2009年10月29日 (木) 22時03分

EINSATZさん、こんばんは。
驚かしてすんません。
そして、名誉ある称号を授与いただきありがとうございます(笑)
この演奏をご紹介いただき、ほんとうに感謝してます。
余白の2曲も含めまして、他に聴くことのできない名演だと思います。
廃盤は残念ですが、手に入れてしまったいま、このままでいいと思ってしまってる私であります!

投稿: yokochan | 2009年10月29日 (木) 22時55分

 たった今深夜早朝勤務から帰ってまいりました。
お早うございます。
すごいお宝音源を入手されましたね。
交響曲だけでも羨ましいのに大フーガまで入っているとは!大フーガはクレンペラーのステレオ録音もあるはずですが未聴です。私はアルバン・ベルク四重奏団できいています。弦楽合奏版は聴いたことがまだありません。

ブラームスの一番は数え切れないほど色々な演奏を聴いてきましたが、セル&クリーブランドとノリントン旧盤とベルグルンド&ヨーロッパ室内管がマイ・ベストです。室内楽的なアッサリブラームスが好きです。ガーディナーの最新録音盤も気になるところです。でも渋くて重厚で格調高いコンヴィチュニーのも聴いてみたいですね。

私の父は病院で脳内血管につまった不純物を溶解させる薬を点滴で投与されることになりました。治療がうまく行ってほしいものです。

投稿: 越後のオックス | 2009年10月30日 (金) 09時04分

こんばんは。いいですね!EINSATZのお店^^
私の街にこんな素敵な音楽バーがあったら
毎日通い続けます。帰宅拒否症になりそうです。
コンヴィチュニーのブラームス。しぶい。。。
こんな粋なバーでコンヴィチュニーのブラームス。。。
しぶい。。。泣ける、泣けるなー。。。
1楽章の冒頭から号泣し続けそうです^^;

投稿: モナコ命 | 2009年10月30日 (金) 18時57分

越後のオックスさん、こんばんは。
お父様のご病状、快方に向かわれますことを願っております。
このブラームスは、正直申しまして、とんでもない名演奏であります。
余白のふたつもすごいです!
しかし、このブラームスの後には何も利けないのが現実で、あまりにも罪なカップリングにございます。
私のブラ1は、あとは昨年聴いたシュナイト神奈川フィルのライブに、ベームとウィーンの75年ライブ、アバド・ウィーンの演奏がお気に入りです!

投稿: yokochan | 2009年10月30日 (金) 20時53分

モナコ命さん、こんばんは。
このブラ1は、出だしから泣けます。絶対泣けます!ただしき演奏が、こんなに人を感動させてしまうという事実に言葉はいりません。復活して多くの方に聴いてもらいたいです。

EINSATZさんにはお世話になりました。
自分でもこんな店をやってしまおうかとまで考えちゃいます(笑)
でも、ワーグナーばっかじゃお客さん来ませんなあ!

投稿: yokochan | 2009年10月30日 (金) 21時08分

こんにちは。
コンヴィチュニーは最初で最後の来日公演の記者会見で
ウィスキーを飲みながら会見したらしいです。
飲酒が短命の一因なのでしょうか。
誠に残念です。
調べたら1962年、コンヴィチュニーが亡くなる直前の
録音らしいです。
そう思って聞くと感慨深いですね。

投稿: よしお | 2013年10月26日 (土) 11時30分

よしおさん、コメントどうもありがとうございます。
61歳で亡くなってしまったのは、本当に悔やまれます。
あと20年くらい存命だったら、ドイツの音楽界はまた異なるものになってましたでしょうね。
なにより、バイロイトあたりもすごいことになっていた。

そして飲酒の件、ウィスキー会見のこと、はじめて知りました。
バーンスタインはタバコとウィスキー。
私は無芸ですから、飲酒の早死には誰にも迷惑かけませんが、音楽家の方々はファンのためにも自嘲して欲しいですね。でも、そこから生まれるものあり、でしょうが。

投稿: yokochan | 2013年10月27日 (日) 10時01分

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