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2009年10月23日 (金)

ウェーベルン オーケストラのためのパッサカリア アバド指揮

Makhari 千葉市の幕張副都心

高速で帰宅中にパシャリ。
お月さんもいい感じで撮れました。

昔は高層ビルといえば、霞が関ビル。
そのあと、新宿の副都心が開発され、いまや都内は高層ビル・高層マンションだらけ。

そして首都圏の3都市~横浜、千葉、さいたま、にも副都心ができましたな。
いずれも、ビジネスと商業、住居のバランスが取れた街。
こういう光景は結構好きであります。
幕張の自慢は、商業系。
イオンの本社、カルフール、コストコ、三井アウトレット、あと少し上れば、ららぽーとにIKEAsign01

Abbado_webern

今週は、私のフェイバリット4人指揮者を取り上げていて、最後は「にゃんこ」を挟んで、クラウディオ・アバドであります。

アバドとの付き合いは、もう何度もここに書いてきたけど、長いのです。
1972年にボストン響とのスクリャービン&チャイコフスキーを聴いて打ちのめされて以来37年間。
ずっとアバドを聴いてきた。
クーセヴィッツスキー・コンクールで優勝したアバドの楽壇デビューは1959年だが、スワロフスキー門下として同門で朋友のメータと同じくウィーンとの縁が大きい。
その後、ミトロプーロス指揮者コンクールではコシュラーと優勝を分け合い、バーンスタインのもとでも学んだ。
そして、カラヤンに認められザルツブルク音楽祭に伝説的なデビューを飾るのが67年のこと。マーラーの「復活」がその曲目。
故郷のスカラ座の指揮者となり、ウィーン・フィル、ロンドン響、シカゴ響(首席客演)、ウィーン国立歌劇場、ベルリン・フィル、ルツェルンという超一流ポストを歴任したことは、みなさんご存じのとおり。
カラヤンと同じような、こんなすごい地位を昇りつめていくなんて、最初は予想もできなったこと。
でもアバドは権謀術策を尽くしたりしてこんな地位を掴んでいった訳ではさらさらなく、オケやハウスから請われるようにして自然のなりゆきでなっていった。
野望や嫉妬とは無縁のアバドは、平気でその地位を投げ出してしまう。

音楽することだけを純粋に考えているそんなアバド。
その最大の功績は、若手演奏家の育成。
ECユースオケ、ヨーロッパ室内管、マーラー・ユーゲント・オケ、マーラー・チェンバー、モーツァルト・オケなどなど。

かつては考えられない新時代の指揮者と呼べるのではなかろうか。
オペラハウスから叩き上げて実績をつけて地位を築いてゆくのが昔の指揮者のあり方。
ベームもカラヤンも、カルロスもそう。
アバド以降の指揮者たちは、コンクールで名をあげてからオペラに入って行くパターンとなったが、名門の出アバドは、労せずして根っからのオペラ指揮者でもあった。

好きなものだから、一度こうしたことを書いておきたかったアバド。
ウィーンの街とは切っても切れないから、マーラーや新ウィーン楽派は超得意。

ウィーンフィルとの蜜月時代に、新ウィーン楽派の3人の作品が録音されたことは、本当にありがたくも貴重なこと。
アバドの精緻なウェーベルンは、若い頃から絶品で、73年にウィーン・フィルと初来日したおり、ベートーヴェンやブラームスに混じって、ウェーベルンの5つの小品を演奏したが、これまた評論家筋からはけちょんけちょん。
オケに乗ってるだけ、振ってるだけと。
ただ、ウェーベルンだけは絶賛された。
弱音で歌うという、当時としては考えらないリリシズムをウェーベルンの音楽でやってのけたのだから。
74年のシェーンベルク・イヤー(100歳)に、アバドはウェーベルンをたくさん指揮していて、FMで「パッサカリア」が放送された。
これがまあ、あきれ返るほどの歌に満ち溢れた美しい演奏で、むせかえるほどのウィーンフィルの美音も放送録音ながら、はなはだ素晴らしく捉えられていた。
今でも私の大切な音源のひとつである。

そして、正規録音は90年。
若い情熱は、より自在な音色の配列に重きを置くようになってクールさが増したし、再弱音から強音までのダイナミクスの幅がきわめて大きい。
ウェーベルンの習作期最後のこの作品は、後期ロマン派の香りが色濃いが、トリスタンやマーラー、ツェムリンスキーの流れをしっかり汲んでいる一方、緻密な対位法や休止の効果的な使用など、のちのウェーベルンの顔もしっかり刻まれている。
本当のアバドらしさは、「5つの小品」や「6つの小品」、「変奏曲」などに出ていると思うが、
今宵は濃密なパッサカリアを聴きたかった。
最後のクライマックスの頂点で、ホルンがこの曲の重要な楽想のひとつをオーケストラの上に、一本奏でて、それが残像のように残るのだが、この場面、ウィーンフィルならではの美しさで、諸盤のなかで、アバドが最高だと思う。

この曲も夜の音楽であります。

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コメント

今晩は。YOKOCHANさんの、クラウディオに対する“熱い”思い、しかと承りましたよ。
ウィーン・フィルは大嫌いですが、アバドの新ウィーン楽派はどれもが絶品ですね。ウェーベルンはこの作曲家の演奏史、そしてアバド自身の全録音中、ベスト5に入る名演だと思います。
あと、バンセが参加した組曲「ルル」+アルテンブルク歌曲集、オッターが独唱の「ワイン」+7つの歌を忘れてはいませんよね。この二つも残念なことにウィーン・フィルですが、桁外れの名演だと思います。

投稿: IANIS | 2009年10月24日 (土) 03時03分

IANISさん、おはようございます。
いまさらこんな風にアバドのことを書くことはなかったのですが、最大フェイバリット指揮者だし、いまあるアバドの昔を記録しておきたかったのであります。
ウェーベルンに対するご評価、まさに100%同意にございます。
もちろん、LSOも含めたベルクも愛聴してますよ。弊blogでも取り上げ済みです。
シェーンベルクでは、12音のオーケストラ作品を取り上げませんね。
ベルリンフィルとの私家盤、マーラーユーゲントとのDVD盤のペレアスが素晴らしいものでした!

しかし、IANISさんはウィーンフィルがほんと嫌いですねえ(笑)

投稿: yokochan | 2009年10月24日 (土) 08時32分

 お早うございます。
ウィーンフィルがお嫌いな方がおられるとは驚きです。私は世界の宝だと思っておりますが。シカゴ響やクリーブランドも大好きですし。
しかも超文学通で音楽にも造詣の深い方がウィーンフィルがお嫌いとは!ローベルト・ムシルなんて私でも読んでいないですよ。挑戦したいとは思っておりますが・・・ジョイスの「ユリシーズ」なら読みました。「フィネガンズ・ウェイク」は訳が分かりませんでしたが(笑)
新ウィーン楽派で一番手ごわい作曲がウェーベルンだと思います。私が楽しんで聴けるのは「夏風の中に」とパッサカリアと交響曲だけです。
シェーンベルクは管弦楽のための変奏曲は大好きですが、モーゼとアロンはさっぱり分かりません。
ベルクが三人の中では一番好きですね。ヴェツェックもルルも最高ですし。アバドがルル全曲を録音してくれないのが残念でなりません。
管弦楽のパッサカリアは残念ながらアバド盤は未聴なのです。カラヤンならききました。いい意味で優等生的な演奏ですね。マイ・ベストはブーレーズの旧盤です。湯浅さんとアルスター管弦楽団の演奏も聴きたいです。速いテンポの演奏が好きなのです。何しろ短気者ですから(笑)。ガーディナー信奉者ですし。

投稿: 越後のオックス | 2009年10月24日 (土) 11時39分

こんばんは。
イオン本社は、前職のときに取引先だったので何回か行きました。実はあまりいい思い出はありません^^
ウイーン・フィルの「パッサカリア」といえば、80年代に放送されたメータのライヴが印象的で、エアチェックしたテープを今も取ってあります。
アバドのこのCD、「ワルシャワの生き残り」が聴きたくて購入しました。シェーンベルクもウェーベルンもアバド流、あっさりとしていて滋味深い演奏、大事にしています。

投稿: 吉田 | 2009年10月24日 (土) 21時30分

越後のオックスさん、こんばんは。
アバドと疎遠になって以来、私もウィーンフィルは聴かなくなりました。いろんな指揮者が自在に指揮するようになり、オケはよりインターナショナルになったようですね。
これやむをえないことだと思いますが、ウィーンはウィーン、べルリンはベルリンでゆるぎない個性は薄れないと確信してます。
なんだかんだで、好きなオケのひとつがウィーンです。

この手の文学は苦手なので口をつぐんでますね・・・。

アバドは、新ウィーン系が得意ですが、12音はあまり演奏しません。そちらは、ブーレーズの独壇場ですね。
しかし、ブーレーズがいなかったら近現代の音楽は大変なことになってましたね。
そのブーレーズと明らかに個性の違うアバドの新ウィーン楽派系の音楽は、ほんとにかけがえのない演奏です。
彼らのあとを継ぐのは、ガッティあたりでしょうか。

投稿: yokochan | 2009年10月24日 (土) 23時04分

吉田さん、こんばんは。
イオンさん・・・、みんな同じ思いでございますなぁ・・・。

メータの演奏は、残念ながら録音しそこないました。
メータも適性のありそうな曲ですし、80年代のウィーンフィルもいいですね。
アバドの「ワルシャワ」は、70年代の録音もあり、そちらは激烈ですが、このウィーン盤は彫りの深い深刻な演奏だと思いました。
大切な1枚ですね。

投稿: yokochan | 2009年10月24日 (土) 23時20分

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