ベートーヴェン 交響曲第2番 クリュイタンス指揮
川崎大師への初詣は、子供の頃から続く恒例事業で、不謹慎ながら、アフター詣出の屋台飲みが楽しみで、朝も早よから人混みに飛び込むのだ。
今年は、出足が遅かったせいもあるが、ご覧のとおりの大変な人出。
神頼みの世の中なのだ。
そこで、これまた恒例のお賽銭箱ノゾキだ
左が今年「賽銭2010」。
右が、去年「賽銭2009」。
わかりにくいが、紙幣が少ないですな。
2008年と比べると、さらに明らかに少ない・・・・。
さらに比較してみよう
いつも同じ店で買う焼き鳥だ。
左が「焼き鳥2010」。
右が「焼き鳥2009」。
う~む。肉が小さくなっておる。
一方、「粉もん」はおっきくなっておるぞ、2010 さてと、今週は、「新春シャンソンショー」、じゃなかった、「新春さわやかシンフォニー・ショー」を開催中なのだ。
2曲目は、時代順にベートーヴェンとまいります。
ベートーヴェンのさわやかさん、といえば、そう、偶数番号のシンフォニーですな。
2・4・6・8と、いずれも明るく聡明な雰囲気ただよう、耳にも優しい音楽。
おっかないベートーヴェンは、一休みしていて、本当は、こちらの姿の方が肩肘張らないベートーヴェンの本当に姿だったりして。
そこで、交響曲第2番ニ長調を選択。
ベートーヴェンのニ長調というと、あのヴァイオリン協奏曲、そしてロマンス、ミサ・ソレニムスなどが思い浮かぶ。
いずれも偉大だけれど、どこか作曲者の微笑みの浮かんだような和みの感じられる名品。
1802年、ベートーヴェン32歳の作品で、あのハイリゲンシュタットの遺書のあとの作品だけれども、ここに聴かれる屈託のない明るさは、そんなことをちっとも感じさせない。
決然と堂々たる長い前奏のついた1楽章は、主部にはいるともう走り出す爽快さがある。
このあたりの緩急を巧みに描き出す演奏がよい。
一番好きな2楽章は、これはもうロマン派の音楽。しっかり青春してて、私のような回顧オヤジからすると、それこそずっと浸かっていたいほのぼのと緩やかなムードの音楽。
でも、いい演奏で聴くと、キリリと引き締まった抒情が感じ取れる。
スケルツォが登場の3楽章は、1番からの飛翔が最も明らかかもしれない。
快活でキビキビした終楽章は、一気加勢の演奏が今や主流だけど、これぞじっくりとリズムを刻んで欲しい楽章。
偶数番号で、誰を聴こうかと思うとき、頭に浮かぶのは、ワルター、クリュイタンス、ベーム、ブロムシュテット、スゥイトナー、アバド、ハイティンク、意外とカラヤンなど。
そこで、今宵は久方ぶりのクリュイタンスを選択。
そしてこれがまぁ、よかったこと。
カラヤンがDGに1回目の録音をする前のベルリン・フィルが、実に明るく洒脱な音色を出している。
指揮棒を持たなかったクリュイタンスは、バイロイトでも活躍し、クナッパーツブッシュと人気を二分したくらいのワーグナー指揮者だが、バイロイトのビデオに見るその指揮ぶりは、かなり指示が細かく入念だった。
でも出てくる音楽は、常に明晰で、しなやか。
このベートーヴェン全集も、カラヤン色に染まる前、むしろフルトヴェングラーの色香が残る50年代終わりにあって、こんなにも流麗なベートーヴェンを作り上げてしまったことに驚きを感じる。
実は偶数ばかりでなく、奇数番号も、ベートーヴェン臭さがなくて好きなのだ。
サラっとした3番なんて気持ちがいいし、舞踏音楽のようなノリの7番もすてきなものだ。
かつてセラフィムの廉価版では、ベートーヴェン像をあしらったジャケットで6枚だった。
いまや何度も装丁を変えて投げ売り状態のCDセット。
一家にひと組あっても悪くない、昨今のピリオド奏法の対極にあるような豊かな歌に満ちた、気持ちいいベートーヴェン全集であります。 最後に、気風のいいから揚げのメタボ・テンコ盛りを。
おばちゃんが、気前よく大盛りにしてくれました。
これも商法かもしらんが、新春から気分がエエわい
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コメント
yokochanさま お早うございます〜
今年も宜しくお願いいたします
毎年、川崎大師ですか、定点観測ができて、面白いですよね〜。
ベトベンの偶数番号のシンフォニー、いずれも良いですよね。2番はとりわけ美しい曲ですよね〜。
クリュイタンス盤、LP時代に持っていたと思うのですが、CD時代になってからはまだ手に入れていません。ベトベンの交響曲をほとんど聴かないからかもしれませんが〜。
記事を読んで、久しぶりに聴いてみたくなりました、爆〜。
ミ(`w´彡)
投稿: rudolf2006 | 2010年1月 6日 (水) 06時07分
yokochanさま、おはようございます
今年もよろしくお願いします
川崎大師は数年前までは必ず行っていたのですが
ここ数年はご無沙汰です。
小さい時は住吉でくず餅を買って角の蕎麦屋、松月庵だったか、そこで天麩羅蕎麦を食べたものでした。
ベートーヴェンって本音は優しい音楽
理想を目指しておっかない音楽
晩年は天上の音楽、かな??
クリュイタンスの2番はいいですね
私も大好きです
rudolf2006さま同様聴きたくなりました(^.^)
投稿: 天ぬき | 2010年1月 6日 (水) 10時21分
こんにちは、yokochan さん♪ おお!クリュイタンスのベートーヴェンではありませんか! たまたま KiKi は例の新しい iPod にこのCDの演奏データを転送したばかり!!! このCDの存在さえ忘れかけていたんですが、この機会にCD棚をちょっとだけ整理していたら、奥の奥のその又奥から出てきたところなのです。 もっとも昨日はひたすらデータ転送に勤しんでいて、せっかく出てきたCDなのに聴いていなかったりもするんですけど・・・・ ^^;
そうしたら yokochan さんがこの演奏を取り上げていらっしゃるのに遭遇したっていうわけ! 何たる偶然!! でも、これはきっと「この機会にちゃんと聴きなさい」というヴォータンさんからの思し召しに違いありません。 ま、てなわけで、コメントを寄せられていらっしゃる皆さん同様、今日の夜は KiKi もクリュイタンスのベートーヴェンナイトとしゃれこんでみたいと思います(笑)
投稿: KiKi | 2010年1月 6日 (水) 16時17分
rudolfさん、こんばんは。
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。
ちょっと品のない定点観測ですが、世相が反映されていて切実な感じもします。
それに引き替え、クリュイタンスのベートーヴェンは、上品で歌心満載でした。
セラフィムのレコードがとても懐かしいです。
ベートーヴェンはあまり聴いてないつもりが、なんだかんだで聴いている私です。
やはり偶数番号がいいですね。
ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2010年1月 6日 (水) 21時52分
天ぬきさん、こんばんは。
角のそば屋さんは、松月庵ですね。
私は、本殿の屋台で出来上がってしまうので、お蕎麦屋さんには入ったことがないのです。
あとは酒屋さんで、甘酒ですね。
飴は松屋、葛餅は住吉。
ワンパターンの定番です(笑)
そして2番の定盤は、クリュイタンスにワルターでしょうか。
本音の優しい音楽、晩年の天上の音楽・・・、私も賛成です!
いい曲ですね!
投稿: yokochan | 2010年1月 6日 (水) 22時08分
kikiさん、こんばんは。
そうですかぁ! 奇遇ですね!
記事を起こす前まで、誰の演奏にしようか悩んだあげく、棚に鎮座していたクリュイタンス盤が目にとまったのであります(笑)
よくお邪魔している吉田さんのところも、この2番を取り上げてらっしゃいました。
新春に聴きたくなる明るい交響曲なのですね。
神々の長ウォータンの司令とはいえ、ワーグナーに疲れた耳には、心地よい音楽であります(笑)
どうぞ和んでくださいましね~
投稿: yokochan | 2010年1月 6日 (水) 22時14分
今日は。連投失礼いたします。
ベートーヴェンが交響曲作家としての本領を発揮し始めたのは英雄からで1番と2番はまだハイドンやモーツァルトの影響を脱しきれていないと思うのですが、何だかんだいって1番も2番も私は大好きです。音楽の都ウィーンで一旗上げてやるぜという青雲の志のようなものを感じるからです。ピアノ協奏曲第1番などもそうですね。私が初めて聴いた第2番はアバド&ウィーンフィルの演奏でした。今はガーディナー、ノリントン、ジンマン、アーノンクールなどの古楽器や古楽器系の演奏で聴いています。マイベストはやはりガーディナーかノリントン旧盤でしょうか。ガーディナーは私のフェイバリット指揮者ですから。最近はカラヤン&ベルリンフィルの70年代の演奏も好んで聴いています。クリュイタンスのベートーヴェンは中学校時代に数学を教わっていた先生から運命のアナログレコードを借りて聴いたことがあります。未完成とカップリングされていました。純音楽的な名演だったことを今でも覚えています。クリュイタンス指揮の他の交響曲もいずれ聴いてみたいと思います。
投稿: 越後のオックス | 2010年1月 7日 (木) 15時11分
越後のオックスさん、こんばんは。
こちらにもありがとうございます。
「青雲の志」、ほんと、その通りだし、いい言葉です。厳ついベートーヴェンより好きですね。
残念ながら古楽系の演奏はひとつも持ってません。
理由はありませんが、古楽系が出だした頃には、もうベートーヴェン全集を買うということをしなくなってしまったからだと思います。超廉価盤になればその気になるセコい私です。
ノリントンで2番の生を聴きましたが、それは面白いものでした。
しかし、クリュイタンスやアバドのよいな歌心が粗利ませんでした〜
投稿: yokochan | 2010年1月 7日 (木) 20時30分
いやぁ、何に驚きましたって、川崎大師の人出でも、賽銭箱の中身でもなく、最後の唐揚げてんこ盛り!(笑)。
これは絶対ビールに合うでしょう!ああ、飲みたくなってきた・・・。
ちなみに我孫子駅構内の立ち食いそば屋さんの唐揚げそば(の唐揚げ)が凄いらしく、
一度食べてみたいのですが、なかなかその機会がありません。
さて、最近はヤンソンス&RCOやマズア&フランス国立管の演奏をよく聴いていた私、
今日、久々にシュミット=イッセルシュテット&VPOの演奏を聴きましたが、
やはりこれは実に気品があり、素晴らしかったであります。実はクリュイタンス、私、持っていないのですよ!(恥)。
図書館にはあったような気がするので、早速週末借りに行こうかと思います!(買いなさいって?)。
投稿: minamina | 2010年1月 7日 (木) 22時59分
minaminaさん、こんばんは。
へへっ、このから揚げすごいでしょ。
これで大です。さらに大盛りが別途あったから、一体全体どうなったのでしょう??
モモ肉で、コシもあって、なかなかの美味でしたよ。
日本酒は灘の辛口の燗、ビールは一番搾りでございました。
イッセルシュテットも素直なベートーヴェンだし、ウィーンの響きが楽しめますね。
私は、そちらを持ってないのです(恥)。。。
投稿: yokochan | 2010年1月 8日 (金) 00時06分