シベリウス 交響曲第2番 オーマンディ指揮
今日は冷たい雨が降って寒かったですな。
雪の降ったところも多いようで。
春までもう少し、行きつ戻りつ。
こちらは、数年前の雫石(岩手)の御所湖というところ。
人工湖ではありますが、その静謐な神秘ぶりに、こんな風景を見ると北欧系や英国系の音楽が相応しく感じられる。
というわけで、シベリウスの交響曲第2番。
今日は、シベリウスのこの曲を狙って聴きたかった訳ではなく、オーマンディを取り上げたかったから。
そして、あんまり多くはない、私のオーマンディの手持ちから天候を鑑み選びだしたのがこの曲だったわけ。
え? なんで、オーマンディかって?
それは、今週の特集なのです。
もう始まってます(ふっふっふっ)。
おわかり方、いらっしゃいますか?
さて、オーマンディのシベリウスは作曲者お墨付きの極めつけ。
フィラデルフィアの面々を引き連れて、シベリウスに会いにいったというエピソードもあるくらい。
同時代の作曲家の作品を積極的に広め録音も重ねたオーマンディ。
ラフマニノフ、バルトーク、ショスタコーヴィチなどもそう。
どんな曲でも作品本来の持ち味を、的確に描きだす職人ぶり。
フィラデルフィア・サウンドなんて呼ばれるけれど、CBS時代のキンキンした響きの録音ゆえのイメージがある意味そうさせた感もあると思う。
このコンビの実演を聴いたことがないからわからないけれど、このシベリウスに聴かれる響きは、思いほか渋いところに落ち着いていて、かつしなやかでもある。
終始ゆったりとした流れを保ちつつ、時おりシベリウスらしい旋律をサラっと浮かびあがらせてみせたりして泣かせる。
練達の指揮ぶりであるけれど、オケの音色ともども、浮ついたところがなく、最後の盛り上げ方も自然であり、さわやかな感銘を与えてくれちゃう。
歳取って好きになってきた、2楽章のほの暗い情熱も、じっくりと聴かせてくれる。
定評に違わない、素晴らしいシベリウスであります。
オーマンディの若い頃って、どんな頭してたんでしょうね?
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コメント
お邪魔いたします。
実は、伺いたいことがございます。
オーマンディはCBS時代(1956年頃《記憶あいまい》)とRCA時代(70年代)と二枚のシベリウスがありますね。
CBS時代の録音のトランペットはサミュエル・クラウスでしょうか?RCAの録音はギルバート・ジョンソンですね、多分?
サミュエル・クラウスは、フランスのセルマーのトランペットを使用していて、ヨーロッパ的ないい演奏で安定した奏者でしたね。
G・ジョンソンも絶頂期は素晴らしいのですが、後年の演奏には傷が多かったですね。
私が中学生の頃、毎週日曜日午後0時5分から1時までFENのラジオで「フィラデルフィア管弦楽団の実況」の時間がありました。毎週楽しみでした。オーマンディはマーラーの5番もやりました。G・ジョンソンでしたが、素晴らしいかったです。安いカセットの録音した記憶があります。
1972年5月(?)に来日した折、上野の文化会館でマーラーの1番「花の章」つきを演奏しましたよね。花の章では、G・ジョンソンがソロを演奏しましたが、ちょっと惜しい傷がありました。
話が飛んでしまいましたが、私個人的には、S・クラウスも好きでした。
投稿: 上野のおぢさん | 2010年3月10日 (水) 08時21分
今日は仕事が休みです。メデタイ^^おお?シベリウスの2番ですね。オーマンディ!いやいや^^学生時代に貧乏だった私に(今もあまり変わりません。。)オーマンディとフィラデルフィア管のレコードはCBSからの廉価版レコードで、最も多く聴いた組み合わせかもしれません。この曲を聴いていると日本酒を飲んで暖まりたくなります。私だけでしょうか?しかもなになに?常連さんの上野のおじさんの書き込みに?セルマーのトランペットがどやこやって?さまよえる様のファンのレベルって高いっすねー。。。セルマーのペットを使用してるっていう情報とかどうやって入手するんだろう?
さまよえる様ご本人も、そのお友達もナゾがいっぱいのブログです!目が離せません^^
投稿: モナコ命 | 2010年3月10日 (水) 15時20分
こんばんは。オーマンディのはRCA盤の方ですね、BMGビクター。そう、蓄音機と犬のマークのヤツですね。残念ながら日本ビクターはつぶれたそうです。
私もこちらを持ってます。とはいえ、入手したのは最近になってからです。「第2番」の他、「第1番」「第5番」や合唱版「フィンランディア」(初聴)の2枚組からです。
ベルグルンド、カムといったフィンランドの指揮者もいいが、オーマンディのは灰汁が強くないシベリウスです。
他の競合盤からですが、バーンスタインのニューヨーク・フィルハーモニック録音がただただ、音を鳴らしているだけであまり、いい印象でなかった。しかし、ウィーン・フィルで再録したものは北欧らしい流麗なサウンド。フィルアップ曲に惑わされそうになりますが、それがないにもかかわらず、バーンスタインのウィーン・フィルはクラシカルで聴く価値が十分にあります。オーマンディもバーンスタインもユダヤ人の血が入っているからね。
オーマンディはマーラーの「巨人<花の章>付き」「第10番」クック版を他の演奏家に先駆けて録音したりとパイオニア的存在。前任のストコフスキーが親しみやすいフィラデルフィア・サウンドを作ったことがオーマンディに伝わったですね。
投稿: eyes_1975 | 2010年3月10日 (水) 20時23分
上野のおぢさんさま、こんにちは。
さすがですね!奏者の名前がでてくるとは!
録音年代的に、ジョンソン氏ではないかと推定します。この録音で唯一気になったのがトランペットの派手すぎる点でした。
以外とシックな流れのなかでちょっと浮いてました。
72年の公演を聴かれたのですね。わたしは、レコ芸見てあれこれ想像するだけでしたか、すごい盛り沢山のプログラムであったと記憶してます。
投稿: yokochan | 2010年3月11日 (木) 13時35分
モナコ命さん、こんにちは!
CBSの廉価盤、わたしもお世話になりました。
セルもたくさんありましたね。
いつも、コメント下さる皆さんの音楽に対する造詣の深さには、毎度勉強になることばかりです。
モナコ命さんも、お詳しいじゃありませねか!
ことに、デル・モナコに関しては誰もかないません!
アメリカのオケには名手が多いのでソロは聞き応えあります。
コメントいただく練達の皆様はともかく、わたしのことは謎のままにしておいてくださいまし(笑)
投稿: yokochan | 2010年3月11日 (木) 13時50分
eyes_1975さん、こんにちは!
日本ビクターがRCAの発売元でしたね。レコード時代が懐かしいです。
バーンスタインのウィーン盤は異常に遅いですが、緊張感の高い演奏ですよね。オーマンディの進取の気性はホントに素晴らしいです。マーラーをかなり前から取り上げてました点でもストコフスキー譲りでありました。
まさに名人でしたね。
投稿: yokochan | 2010年3月11日 (木) 16時31分
こんばんはマイスターフォークです。
子供の頃CBSのシベ2を毎日のように聴きました。ジョンソン氏は本当に素晴らしい奏者で早い引退が残念でした。
最近のアメリカのオケは教育の均一化のためか皆同じ様な音してます。音楽で個性を失うのはプロではありませんしヨ―ロッパオケの国際化やヴィ―ンの女性団員参加もいずれ自分自身の首を締める事になります。
投稿: マイスターフォーク | 2011年3月18日 (金) 06時48分
マイスターフォークさん、こんばんは、そしてコメントどうもありがとうございます。
シベ2は、セルの来日公演の放送と村田武雄先生のAM放送におけるロジェヴェンのレコード、このふたつが私にとっての刷り込みです。
CBS盤は未聴ですが、このコンビのシベリウスは魅力的です。
ご指摘のとおり、アメリカのメジャーオケは個性薄になりました。
一律ジュリアード系で、人種もワールド級。
BPO,WPO,LSO,NYPOなどが男子オケだった時代が懐かしいです・・・・。
投稿: yokochan | 2011年3月18日 (金) 20時53分