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2010年3月 4日 (木)

ファリャ バレエ音楽「三角帽子」 マリナー指揮

Pl これは、いったい・・・。
知る人知る物体である。

宗教法人パーフェクトリバティー教団の本拠地、大阪は富田林にある。
パーフェクトリバティーは、そうPL学園のPL。

「超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔」というのが正式なお名前とのこと。

15年ほど前に、大阪狭山市に仕事で始終通ったときに、遠くに見えるこの物体を知った。
関係者がまわりにおらず、これが何か不明のまま数十年が過ぎ、正体を知ったのは、ほんの数年前。
近づくのも恐ろしくドキドキしながら車を寄せていって写真をパシャリ。
警備の人がいて、「ゴらぁーッツ!」と怒鳴られるのかと思ったら、何のことはなかった(笑)
しかし、すごいね、180mもあるんだと。中にも入れるんだと。
周辺には教団本部の立派な建物に、病院、ゴルフ場までありましたね。
大阪っぽいといえばいえる・・・・。

Falla_el_sombrero_de_tres_picos ありえへん、マリナー・シリーズ。

久々だけど、いつの間にかこんなシリーズになりつつある。

マリナー好きということは、かつて告白しましたが、マリナーに定着している室内アカデミーのイメージを払拭するようなレパートリーをどんどん聴いてしまおうというシリーズにございます。

マリナーのカテゴリーをクリックいただくと、これまでの記事が出ますので、ご覧ください。
ワーグナー、シュトラウス、ブルックナー、ブラームス、チャイコフスキーなどを聴いてます。

そして今宵は、スパニッシュに、ファリャ「三角帽子」を。
(どうでもいいけど、「さんかくぼうし」を変換するとなんで「参画防止」になるんじゃ!)

ファリャ(1876~1946)は、その活動期からするとかなり保守的な作風だと思うが、なんといってもスペインムードの横溢した、その民族色豊かなサウンドが魅力。
自身はスペイン愛を生涯貫いたが、アルゼンチン客演中に倒れかの地で亡くなっている。
 このバレエもこの時代の名の知れた舞踊音楽と同じように、ディアギレフの息のかかった背景をもとに生まれ、アンセルメによってロンドン初演されていて、解説によれば、驚くべきことに、装置と衣装担当はピカソだったそうな!

「三角帽子」は、17世紀頃、アンダルシア地方で権力者たちがかぶった制帽で、権力の象徴ともとれる。
 水車小屋の粉屋の夫婦は、夫は気立てはいいがちょっとブ男。妻は才色兼備の美人。
でも二人とても仲が良い。
これに嫉妬した市長は、妻の尻に敷かれっぱなし。
ちょっかいを出そうと、粉屋の亭主を逮捕させてしまい、夜にその女房のところに忍んでくるが、気転の聴く女房にさんざんな目にあい川に落とされてしまい、逃げ帰った亭主に市長の制服を取られてしまう。
やむなく亭主の服を身につけたら、追いかけてきた警官に捕まってしまい大恥をかく~ 
という、馬鹿げたストーリー。
 憎めないファルスタッフのようでございますな。

独特のリズムに、エキゾシズム、土臭さとともに熱狂も、そのスコアから読み取ることができる。それと、物憂いアルトの歌唱を入れるところも雰囲気は抜群だ。
また、いろんな引用も随所に聴かれ、ファリャのユーモアも抜群。
有名なところでは、亭主が逮捕される前触れのように、運命交響曲が鳴り響く(笑)
最後の大団円の祭りの踊りは、変拍子の乱れ飛ぶザ・ラテンとも呼ぶべきエネルギーあふれる音楽。
気分爽快になりますぞ。

こんな民族色あふれる音楽を、マリナーアカデミー管弦楽団は、どう描いているか。
冒頭のティンパニの連打は強烈で、そのあとのトランペットのファンファーレもカッコよく、「マリナー、キターッ」って感じになる。
でも、それは最初だけ。
あとの展開は、私たちが知ってる、爽やかマリナーの面目躍如たる気分よろしい流れとなって、安心して身を任せることができる。
モヤモヤしたり、なおざりなところが一切なく、どこもかしこも真剣な音楽造り。
これを面白くないという方も多いかもしれない。
でもワタクシは、こんなマリナーが好きなのであります。
アカデミーの見通しのよい透明感あるサウンドは、ロンドンのオーケストラの共通のもので、熱くはならないが、品がよろしく、そう何度でも聴ける飽きのこない音色であり、演奏なのだ。
マリナーは現在、スペインでの活躍も目立つが、元来南欧が好きらしい。
高カロリーで疲れた耳に心地よいマリナーのファリャでありました。

       メゾ・ソプラノ:アン・マレイ
   
   サー・ネヴィル・マリナー 指揮 アカデミー管弦楽団
                         (1993.@ロンドン)

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コメント

(1)マリナー/アカデミーのオイリアンテ、ウィンザーの陽気な女房、ヘンゼルとグレーテルなどが入った序曲集が好きです。マリナーは鍛えているから、大オーケストラもきちんとまとめますね。パイヤールよりはるかにいい感じがします。
(2)PL教団と言えば、東京の渋谷の東急ハンズからNHK方面に抜ける細い道ぞいに病院(クリニック)を持っており、企業の人間ドックや検診も受け付けておりますね。多角経営ですね。新宗教の中では、独特なイメージがあります。

投稿: 上野のおぢさん | 2010年3月 5日 (金) 08時30分

yokochan さんと同じぐらいマリナー好きと自負しているナンナンです。
マリナーはスペインのカダケス管と録音を多数していますが、ついにベートーヴェンは1番・2番に続いて、5番・6番さえも録音してしまいました。このままの勢いで全曲録音しそうです。
10月のN響との共演では何を演奏してくれるんでしょうね。

投稿: ナンナン | 2010年3月 5日 (金) 14時57分

こんばんは。お久しぶりです。前のスレッドの「フィンガルの洞窟」は、私が初めて生のオケを聴いた最初の曲なのです。その時私はまだ中学生。オケは読売交響楽団。数年前に同じ読響が私の街に来たときは、近年まれにみる手抜き演奏でして、コンマス以外のバイオリン、ビオラ、チェロの全員がイスに深々と座って、田舎ドサ周り公演で見事な手抜き演奏を披露してくれました。それはそれは世にも恐ろしいチャイコのロミジュリでして。。。演奏が止まる直前!!みたいな感じでした。まあ、昭和40年の頃の読響の体制も同じであったろうと思いますが、初めてオケを聴いた私は大いにショックを受け、「おー^^オケってすごいじゃん!」と感激した記憶があります。その時って、前橋汀子様がメンコン弾いてたんです。んで、今回の三角帽子ですが、私が最初にこの曲の演奏を聴いたのは、なんと吹奏楽でした。そうなんです。私の音楽経験は本当に不幸なんですよ。
しかし!!マリナー先生も私の街でシュトゥットガルト放送と一緒に演奏してくれているんです。田舎なのにマリナー先生といいリヒテル様といい、エライ人がけっこうきてたりするんですよ!マリナーのモーツァルトはすばらしい演奏でした。
そこで一句「こら読響!マリナー見習え 全力演奏」字余りでした^^;

投稿: モナコ命 | 2010年3月 5日 (金) 18時57分

上野のおぢさんさま、こんばんは。コメントありがとうございます。

マリナーは、わたしの好きな指揮者トップファイブに入ります(笑)
評論家受けは良くないですが、ハズレはなく、どんな曲でもキッチリ聴かせてくれますね。
ヴァイオリン奏者だったことも大きいと思います。
パイヤール、いまや懐かしいですね。マリナー以上に室内オケの指揮者のイメージは強いですね。

教団とは関係ありませんが、医療関係の親類に紹介されて、渋谷のPL病院に通ったことがあります。
結構、あそこには、名医がいるんです。多角化の強みでしょうか。

投稿: yokochan | 2010年3月 5日 (金) 19時45分

マリナー好きのナンナンさん、ようこそ、こんばんは!
マリナー好きの同胞がいらっしゃって、心強いです。
カダケスとは、5・6番も録音しましたか!
こうなったら、全集期待したいですね。
N響との3演目、サントリーは難しそうですが、いずれも聴きたいですね。
マーラーもありかもですよ(笑)

投稿: yokochan | 2010年3月 5日 (金) 19時52分

こんばんは。まずは「三角帽子」こちらはデ・ブルコス、フィルハーモニア管は出だしの掛け声は「オレ!オレ!」といかにもスペイン指揮者の演出です。変な話ですが、アンセルメはCDの解説書を見た人ならご存知かと思います。たいていは「恋は魔術師」との組み合わせになっていて、素人感ですが、初演者の割りにセッションとしては音が鳴らしっぱなしの状態。そして、同じ組み合わせのデュトワ、モントリオール響は角を立てるところと曲線を描く奏で方をを使い分けている。録音の古い、新しいに関わらず、この2つを比べ、差を感じられるのは指揮者になるまでのキャリアだと思います。もし、じっくりと聴きたい人ならデュトワの方をお勧めします。
次はマリナーです。アカデミーでは「ファウスト」の「バレエ音楽」ディヒターのピアノでフィルハーモニア管では「ラプソディ・イン・ブルー」とマニアックな路線なんかがあります。音のエキスパートであるマリナーはお国物に限らないゲルマン、ラテン、スラヴなど世界各国のリズムをつかめているところが現在までに通じ、受け継がれているのでしょう。
マリナー万歳!万歳!

投稿: eyes_1975 | 2010年3月 5日 (金) 19時52分

モナコ命さん、こんばんは。しばらくでした。
フィンガルが初オケ体験ですか!
前半がメンデルスゾーンで、後半が田園とか新世界だったりしてそうです。 読響さんもそうですか。
もう一方の放送響については、よくそんなこと言われますね。

三角の吹奏楽版ですか。
ブカブカとよく鳴りそうですねえ!
マリナーはミネソタとシュトゥットガルト時代にレパートリが増えました。
それをお聞きになられ、とてもうらやましいです。

一句、いただきました!
わたしも、一句。
「こらN響 マリナー来たら つかまえろ」
失礼しました〜

投稿: yokochan | 2010年3月 5日 (金) 20時04分

eyes_1975さん、こんばんは。
デ・ブルゴスは、まさにスペインの血を感じますね。
でもドイツ人の血も流れるブルゴスは、ドイツものが得意だったりしますね。
お話のアンセルメ盤、デュトワ盤ですが、両方ともに楽しんでます。
前者は、録音も含めてリアル感充分で、ベルガンサの歌がまた素晴らしいと思いますし、デュトワのマイルドかつ鮮度の高い演奏も素敵なものですね。
そして、バーンスタインは得意にしたけど、カラヤンはまったく見向きもしなかった曲ですよね。

マリナーの広大なレパートリーの中にあって、スペインものは自身も思い入れがあるらしく、共感度の高い演奏だと思います。マリナーのCDはいろいろかなり集まりました(笑)

投稿: yokochan | 2010年3月 5日 (金) 21時33分

三角帽子盛り上っていますね。私は、エドアルド・マータがロンドン響とメキシコ演奏旅行中に録音したRCAのLPを持っています。演奏旅行中のホールでの録音セッションみたいですね。後年、読響にマータが客演したとき、父親に頼んでサインをもらいました。そのときにマータは「ロンドン響と春の祭典も録音したから、是非聴いてくれ。」と言ったそうです。

また、フリューベック・デ・ブルゴスには「恋は魔術師」のLPとシューマンの「ライン」のLondon ffrシリーズの廉価版LPにサインをもらいました。ブルゴスは「自分がアレンジしたアルベニスも聴いてみてくれ。」と言ったそうです。

指揮者皆それぞれ、会心の録音があるようで面白いですね。

さて、マリナー氏ですが、私は、彼のリエンチ序曲が特に好きです。

投稿: 上野のおぢさん | 2010年3月 6日 (土) 01時59分

おはようございます。 

ガウディの何かの作りかけかな?と思いましたがPL教団とは。。。 
真っ白な三角帽子にも見えますし! 
マリナー様に行き着けなくて申し訳ございません。

投稿: moli | 2010年3月 6日 (土) 05時46分

上野のおぢさんさま、こんにちは。
マータは、こうしたラテン系音楽はお国ものに近かったので抜群の腕前でしたね。春祭はタワーから復活しているようです。
読響にも来演したのですね。
事故死が悔やまれる指揮者です。

デ・ブルゴスもまさにお国もの。
アルベニスは、私の手持ちでは、恋は魔術師とカップリングされていたような気がします。
雰囲気バッチリの演奏に記憶します。
この指揮者も大巨匠としてブレイクするかもしれませんね~
さて、マリナーさん、氏のあっさりワーグナーもいいですね。ワーグナー好きとしても、毛色が違っていて楽しめます。

投稿: yokochan | 2010年3月 6日 (土) 11時36分

moliさま、こんにちは。
そうでしょ、これ、ガウディっぽいんですね。
遠くからもよく見える「怪しの塔」は、近づくとこんなんでした(笑)
今度行ったら、勇気をふるって登ってみます。。。

マリナーさん、もう80歳を超えましたが、元気に今年来日してくれます!

投稿: yokochan | 2010年3月 6日 (土) 11時41分

ひさしぶりの訪問です。こんにちは。ブログ主さん、いつもどおりお元気なご様子で、何よりです。

ファリャの「三角帽子」につきましては、初演当時のドレス・リハーサルがカラー映像で記録されておりまして、昔NHKのBSで紹介されたことがありました。コール・ド・バレエの振り付けなど、「あの子がほしい、あの子じゃわからん♪」みたいな横並びをやってたり、ソロのパートもそんなに斬新な要素はなかったように記憶しておりますが、スペイン風味は確かにありました。ピカソが一枚噛んでいることもあって、映像資料としてとても貴重で、これなどDVD化されるといいんですけど、ごく一部の人にしか受けないかもしれませんね。w 

CDはやっぱり、若いころのフリューベック先生が一番かな。ロス・アンヘレスのスペイン語捌きも冴えてるし。

あと、天才アルヘンタが「三角帽子」全曲のセッション録音を遺してくれなかったのが惜しまれます。「恋は魔術師」についてはEMI録音と、シャンゼリゼ・ライヴの両方がCD化されていますね。後者は知る人ぞ知る、かもしれませんが相当な名演です。ただ、オケがフランス国立管で、音色が暗い。そこがちょっと残念。スペイン国立管とか、パリ音楽院管とかだったら、極めつけの逸品になっていたでしょうに。(というのは、私の全く個人的な感想です。)

また、拝読しにまいります。See you later.

投稿: さすらいのジーン | 2010年3月 6日 (土) 19時58分

さすらいのジーンさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

初演時当時の映像があるのですか!
しかもカラーで。興味深々ですねぇ。
ユルそうですが、やはりピカソに魅かれます。

若い頃のデ・ブルゴス(長い名前で、どう呼んだらいいんでしょう)は、現在のドイツの巨匠とは想像つかないくらいのラテン系ぶりでした。いいですね。

そして、アルヘンタの本場ものもあるんですか。
雰囲気ムンムンの予感がします。
スペインのオケがたまに来日すると、アランフェスとファリャが決まってプログラムにのりますが、本場ものと呼ぶに相応しいのがスペインのオケです。
アルヘンタとの演奏が残っていれば、ほんとうに最高ですね!

投稿: yokochan | 2010年3月 7日 (日) 13時52分

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