イタリア・バロック名作集 アバド親子
ようやく、おてんとうさまが戻ってきた日曜日。
春を忘れてしまった感じで、体が戸惑っております。
歳とると、寒さが堪える・・・、調整機能の低下でしょうかね・・・。
こちらは、昨年の今頃。
亡父の13回忌を海辺のレストランで、家族だけで静かにやったときのもの。
結婚式も出来るところなので、少し華やかですが、親父が好きだった海が見渡せて素晴らしい場所でありました。
この下の海で、子供のころ、よく釣りを教えてもらったものだ。
釣ったキスを家に帰って、フライや天ぷらに。
よき子供時代にございました。
わたくしの影。
風で上着が膨らんでます。決してメタボ腹じゃござんせんぜ。
海にはいろんな思い出がある。
アバドファン=アバディアンならば、これも聴け
そう、まぼろし級のアバド音源を、EINSATZレーベルさんが復刻してくれました。
親子共演。名門音楽一家だからできた共演。
クラウディオの親父ミケランジェロ・アバドとその息子で次男坊のクラウディオ。
親父が指揮して、ヴァイオリンを弾き、息子がピアノ奏者。
カンビーニのピアノ協奏曲がその1曲。
1954年頃の録音と思われ、クラウディオは21歳。
アバドファンなら、21歳頃ならウィーンで、スワロフスキー教授につく前の時期とすぐにおわかりでしょうね。
父ミケランジェロは、ヴェルディ音楽院院長・ヴァイオリニスト・指揮者・教育者。
母マリアは、作家でピアニスト。
兄マルチェロは、父の後をついで音楽院院長、そしてピアニスト。
甥ロベルトは、有名な指揮者。
息子ダニエーレは演出家として活動を始め、ロッシーニのオペラの映像もあります。
すごい一族でありますな。
もっと大きく見てみると、アバドは若い人のオーケストラをいくつも創設し、それこそ無数の演奏者たちがアバドの指揮棒のもとに育っていってる訳だし、弟子ではないものの、アバドを信奉する指揮者たちもたくさん。
教育者や指導者でもないのに、アバドの高潔さと音楽への愛情が人を育ててしまう。
かつての巨匠時代には考えられない存在感であります。
そのクラウディオ・アバドの今聴ける音楽の原点がこのピアノ演奏。
モーツァルトと同時代のイタリア作曲家カンビーニの明るい作品に、伸びやかで明晰なタッチのピアノはとてもよく合い、曇りない音楽をつくる今と同じ。
ウマい下手を云々できる曲ではないが、このピアノならモーツァルトなんかも聴いてみたかった。
1.ヴィヴァルディ 4つのヴァイオリンのための協奏曲
2.カンビーニ ピアノ協奏曲
3.タルティーニ(レスピーギ編) パストラーレ
4.ボンポルティ 合奏協奏曲
ピアノ:クラウディオ・アバド(2)
ヴァイオリンと指揮:ミケランジェロ・アバド
ミラノ弦楽合奏団
(1954年頃)
父ミケランジェロのヴァイオリンが、イタリアの風を感じさせる颯爽とした気持ちのいいもので、歌に満ちあふれた心地よさに、昨今のキビキビ・スピーディ演奏を忘れて、ほのぼのとした気分になってしまった。
ことに、ポンポルティは曲もよく麗しい。
LPからの復刻が見事に成功していて、柔らかな弦楽器の音色を聴くに相応しく、雰囲気ばっちり。
今の超巨匠・孤高の存在となったクラウディオ・アバドをさらに知るために是非どうぞ
アバドには、バッハの協奏曲でチェンバロを弾いた録音もあっていまや廃盤。
60年代初めのころ、B・カニーノとの共演だったと記憶するが、こちらも是非復刻して欲しいものです。
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コメント
こんばんは。このところ、体が重たかった。気温の変動で頭痛がしてたが、この日は体が軽い。晴れてる日が少なかったからね。サザン、TUBEは真夏なのか、今は加山雄三の「海、その愛」が合ってるかな。
アバドが音楽一家であることは私も知ってました。カラヤンが見込んで、しかも、ベルリン・フィルに選ばれた。優秀な奏者を育てるくらになのもアバドならではの人柄ですね。
父アバドの音源も残っていたのですね。
投稿: eyes_1975 | 2010年4月18日 (日) 20時50分
eyes_1975さん、こんばんはです。
この親子共演は、希少です。
そして大物になったがゆえに発掘された演奏でもあります。
渋い演目ですがなかなかに聴かせてくれますよ。
個人的に海を見つつ、いろいろ思ってしまった1日でした。
アバドはスゴイ!
投稿: yokochan | 2010年4月19日 (月) 00時31分
yokochan様、こんばんは。
シューマンのP協奏曲に書き込みさせていただいた新参者のlillaです。
あ”あ”あ”あ”あ”~~~!!!
アバド父子の共演盤だなんて・・・超まぼろし級のモノだけにショックを受けています。
ぜひ聴きたい!
そして、話は逸れますが、ワタクシメも神奈川県人なのです。
生息場所はお写真↑の近所であります。
ファン歴37年。
人生初めてのコンサートは、1973年のアバドとVPO。
初来日のその「英雄」で打ちのめされて以来、アバド先生の音楽と共にクラヲタ道を歩んでまいりました。
以上、かんたんな自己紹介をさせていただきました。
投稿: lilla | 2010年4月19日 (月) 02時34分
lillaさま、こんばんは。
毎度ありがとうございます。
そうなんです、私も想定外のCDの登場に狂気しました。
まぼろしなんです。
いまでは、ほんのちょっと発売にお手伝いしただけに、愛着もひとしおでして、いまも含めて、毎日聴いてます。
ピリオド系に飽きてしまったいま、気持ちよい1枚です。
お近くに熱きアバディアンがいらっしゃったなんて。
嬉しすぎです。
73年の来日は、テレビ視聴でしたが、ブラームスとべーとーヴェンの3番。
テレビ視聴でしたが、エロイカ終了後の強烈ブラボーに、アバドがびっくりしてましたっけ。
アンコールに青きドナウで、木管が出を間違えてしまい、アバドも楽員もニコニコ大会でした。
いまだに忘れえぬ思い出です!
いいなぁ、あの演奏をお聴きになったなんて!
おかげさまで、ますますアバディアンに熱が入ります!
投稿: yokochan | 2010年4月19日 (月) 23時27分