« 「茜空」 レミオロメン | トップページ | ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」 ティーレマン指揮 »

2010年4月24日 (土)

神奈川フィルハモーニー定期演奏会 金聖響指揮

Minatomirai_1
冷たい雨の降る寒いみなとみらい。
神奈川フィルの新シーズンのオープニング。

    マーラー 交響曲第3番 

       MS:波多野 睦美

    金 聖響 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
                神奈川フィル合唱団 (近藤政伸音楽監督)
               小田原少年少女合唱隊(桑原妙子指揮)
                    (2010.4.23@みなとみらいホール)
Kanagawaphil_20100423

神奈川フィルの音が帰ってきた。
そう、それは8本のホルンの咆哮によって始まった。
これで今宵は決まったsign01という感じ。
続くみなとみらいの響きのよいホールを揺るがすトゥッティも威圧的にならずきれい鳴り渡る。
 この出だしから、終楽章の感動的なエンディングまで、そこには音楽がみちあふれ、指揮者もオーケストラもまさに自然体で音楽に語らせることが出来ていたと思うのだ。

「音楽が私に語ること」・・・・・、この交響曲に相応しいですね。

聖響さんのファンのように、多くは聴いてないけれど、この1年聴いてきて、初めて心から感動できた。決して油断してはいけないと自戒はしつつも素直によかったと言おうshine

万遍なく各セクションが活躍するマーラーの音楽。音の融合感とビジュアル的にも対向配置は今回とても成功していて面白かった。

何故よかったか。どこがよかったか。

・マーラーがスコアにしつこいくらいに書き込んだ注釈があるため、余計な解釈をほどこす余地がないし、多分時間的にもその暇がなかった。
・ピリオド奏法はなし。神奈川フィルの弦楽セクションにうるおいが満ち、輝かしさすら感じた。 
石田コンマスの絶美のソロが、長大な曲のそこかしこに登場して、演奏を締めていた。
・チェロとビオラに注目してたら内声部っていろんなことしてるし、マーラーの音楽はここがしっかりしてないとダメなんだと今さらに気がついた。
 山本さん柳瀬さん、それぞれが率いるセクション、素晴らしすぎ。
・聖響さんの導きだした音楽、その表情が若々しく、そして瑞々しかった。
 曲がマーラーの早春賦みたいなものだから、それに相応しいし。
 1楽章の猛然たるアッチェランドは爽快。
 わたしにも指揮させてくれい、と思っちゃった。
  後期の人間臭い複雑なものになると、どうだろうか・・・・。
・毎度素晴らしいのが神奈フィルの木管。今回も文句なし。
 それ以上に感嘆したのが、ブリリアントな金管。
 後半疲れちゃったけど、ナイスでした。そうポストホルンも。
・ピリオド時にはうるさい打楽器も収まるべきところに収まり、しっかりとかつ美しい。
・明るめの歌だった波多野さんのメゾが全体の若やいだ色調にマッチしていた。
・ソロの位置、合唱登場のタイミング、いずれもよし。
・シュナイトさん以来です。あ、ミサソレでもありました。神奈フィルで涙流したこと。
 4楽章の深い夜を歌う場面。波多野さんの素敵なメゾに、石田ヴァイオリンが美しく
 絡み合うヶ所。
 そして、終楽章の随所に。
  ビムバムが終わって、そっと始まる愛と感謝の名旋律。
 うるうるが止まらない。
 この楽章が大好きなワタクシ。アバドのウィーン盤が理想で、そのゆったりテンポが
 染み付いているのだけれど、聖響さんほぼその理想通りの出だし。
 だが、曲の進行とともに、テンポを上げてゆきました。
 これもありだな。よしだ。
  オケの全奏のなかティンパニの連打、それに付随するチェロ。
 観て聴いて、感動のシャワーを思い切り浴びることができたこの幸せ。
  しかし、拍手早すぎだpout

この若々しい演奏に、コクや陰りを求めるのは無理。
歌の扱いも楽器のようで、申し少し歌わせてあげないと可哀そうに思えます。

でもですよ、国内でもありあまるマーラーの演奏の中にあって、この草食・お醤油系の清々しいマーラーは、美しい神奈川フィルの魅力もあいまって、独自の存在感を築きあげるのではないかしら。
 復活、4,5,6と続く今シーズン。来季もありと聞きます(後期は怖いけど・・・)

わたしのなかで、ちょっとヘタレでいた神奈川フィルの演奏会に楽しみがよみがえってきましたよnote
でも次週は、またシューベルトとメンデルスゾーンの「ロマン派の響き」という鬼門が立ちはだかるのでありますsign02

最後に以前の記事から、わたしのこの終楽章に対する思い入れを再褐します。
ちょっと恥ずかしいですがね。

Img_ceremony01_01_2 今を去ること、愛情(??)も去ること数十年前、舞浜の某ホテルにて行なった、拙者の結婚式の背景音楽は自分が選んだ(無理やり)好きな曲ばかり。
「ローエングリン」「喋々夫人」「ショパンの協奏曲2番」「ラヴェルのP協奏曲」「ラフマニノフの交響曲2番」「ディーリアスの楽園への道」「ビージーズの愛はきらめきのなかに」「ナット・キング・コール」・・・・
そしてトリは、このマーラーの終楽章。しかもアバドのこの演奏。
式の終了の挨拶に、両家を代表して・・・・、亡き父が訥々と感謝の言葉を述べた。
その背景に流れるマーラーの音楽。
散々飲まされていた私も、ことここに至って神妙になり、涙がはらはらとこぼれてしまった・・・・

Beer

このところ不平不満で悪酔いしてしまっていたアフターコンサートは、久しぶりのニコニコ大会。
主席チェリストの山本さんもお越しいただいて、ほんとうに楽しいひと時でございました。
でかいピッチャーで飲むわ飲むわ。
二次会まで行っちゃったので、終電コース。
その電車で、隣に座った兄ちゃんが、爆睡で携帯は落とすは、鞄も投げ出すわ。
鞄もって慌てて降りたら、案の定、携帯置いてっちゃった。
わたくし、すかさず取ってホームでふらつく兄ちゃんに渡したけど、あやうくドアが閉まる寸前飛び込みましたよ。まったくもう。
ま、人のことは言えないのでありますがね。

応援する会メンバーさん、そして金さん・山本さん、オケの皆さん、どうもありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

Minatomirai_2
桜木町駅前、新しいビルがオープンしてます。
Colette Mare~ショッピング・ホテル・美容・フィットネスと都市型商業ビルでした。
109も出来たし、こんなに出来て大丈夫なのかいな・・。

 

|
|

« 「茜空」 レミオロメン | トップページ | ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」 ティーレマン指揮 »

コメント

こんばんは。金聖響さんはこれからが神奈川フィルを自分のものにするでしょう。この日は荒川静香選手が横浜スタジアムでベイスターズのユニフォームを着て始球式をやられたそうです。(でも、ヤクルトに完敗)
「マラ3」私の手元にあるのはメータのロサンゼルス・フィルとイスラエル・フィル。アバドのウィーン・フィルとベルリン・フィルの4種。アバドのウィーン・フィルに関してはノーマンのソプラノを用いているのよね。私もこちらの方が好きです。

投稿: eyes_1975 | 2010年4月24日 (土) 20時55分

お久しぶりです。ちょっと元気が出てきたのでコメントいたします。

神奈川にいたら必ず行ったコンサート、行けずに残念でした。

この3番の生演奏はなかなか縁がなく聴きそびれています。

来年は名古屋でマーラー音楽祭があるので、なんとかそこで、、と思っております。

第6楽章は本当にいつも涙してディスクを聴いています。よく聴くのはハイティンクかテンシュテットかショルティです。

投稿: ピースうさぎ | 2010年4月24日 (土) 21時49分

どうも昨日はありがとうございました。
聖響さん指揮でしかあり得ないマーラーを絶品の神奈川フィルで聴けて、こんなに嬉しい、幸せなひとときをご一緒できて、そして山本さんとともにその喜びを分かち合えて、本当にありがとうございました。
しかし、よく飲みましたが、いいコンサートのあとは酔い口も心地よく、いや、本当に素晴らしかったです。
5月1日もこれでいってくれればと思うのですが。

投稿: yurikamome122 | 2010年4月24日 (土) 22時11分

eyes_1975さん、こんにちは。
まだまだ山あり谷ありだと思いますが、指揮者とオケって、こうして結びつきを深めてゆくのでしょうね。
 荒川さんの始球式は、球団のサイトでチェック済みでしたが、試合はまったくのふがいなさ。今日は勝ちましたけどね。

この3番は、いい音楽ですね。
マーラーに狂った時期がありまして、かなり揃えました。
アバドもメータも最初の録音の方がいいですね。
若さも大事なのかもです。

投稿: yokochan | 2010年4月24日 (土) 22時25分

ピースうさぎさん、どうも御無沙汰をしております。
コメントありがとうございます。
ちょっと心配しておりましたが、お元気そうでうれしいです!

3番は、なかなか演奏会にのりにくい大曲ですよね。
素晴らしい演奏会に感銘もひとしおでした。
あの6楽章は、わたくしも涙なくしては聴けませんので、昨晩は涙でぐしょぐしょでした・・・。
ハイティンク、テンシュテットもいいですね。ショルティは未聴ですが、若い頃の録音の方を聴いてみたいと思ってます。

名古屋のマーラー祭、楽しみですね。
私も出張でもあれば参加してみたいと思ってます。

投稿: yokochan | 2010年4月24日 (土) 22時31分

yurikamomeさん、昨晩はどうもお世話になりました。
大いに感動し、聖響さんを見なおした素晴らしいマーラーでしたね。
それにしても、ああなると神奈川フィルは魅力的ですし、みなさんやる気に満ちてました。
 あとやはり、マーラーの3番という曲の素晴らしさ。
今日は、3回も聴いてしまいましたが、昨日のものが一番です。
 飲み過ぎも、心地よい一夜でしたし、山本さんもナイスな方ですね。
リバウンドを恐れず、土曜日はまいりましょう・・・。

投稿: yokochan | 2010年4月24日 (土) 22時37分

先日はありがとうございました。

>草食・お醤油系の清々しいマーラー
上手い表現ですね(笑) 
たしかにこれまでのイメージとは違いましたが、聖響さんの個性が良い方向で出てたと思います。

全体的に素晴らしい演奏でしたが、特に終楽章は絶品でしたね。
できることなら何回でも繰り返し聴きたいぐらいです。

お酒もおいしかったですね~。
久々に“彼奴”という単語が出てこない飲み会でしたし(笑)

投稿: syllable | 2010年4月25日 (日) 22時48分

syllableさん、先般はお世話さまでした。
素晴らしいマーラーを聴かせてくれましたね。
正直、期待していたんですが、がっかりも怖かったので、冷静にあの日を迎えましたが、演奏が始まったらもう夢中になって聴いてしまいました。
これもいい演奏の証しでしょうか。

いいコンサートのあとのお酒もまた楽しいものでしたね。
不平不満もこれまでとしたいところであります・・(笑)

投稿: yokochan | 2010年4月25日 (日) 23時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/151893/48164385

この記事へのトラックバック一覧です: 神奈川フィルハモーニー定期演奏会 金聖響指揮:

» 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第262回定期演奏会 [yurikamomeの妄想的音楽鑑賞とお天気写真]
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第262回定期演奏会 公演日:2010年04月23日(金) 開場:18:20 開演:19:00~ 会場:横浜みなとみらいホール 指揮:金聖響 メゾソプラノ:波多野睦美 合唱:神奈川フィル合唱団    小田原少年少女合唱隊 マーラー/交響曲第3番ニ短調  4管編成の巨大オーケストラから冒頭、ホルンの雄叫びのような咆哮、この曲に入れ込んだあの頃、あのときの自分が鮮やかによみがえって、ごめんなさい、もう目頭が。。。。。。  雄大で、そしてし... [続きを読む]

受信: 2010年4月24日 (土) 22時11分

« 「茜空」 レミオロメン | トップページ | ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」 ティーレマン指揮 »